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メンターKの講義録① 明治維新、太平洋戦争、そして2020年

「おーーー!こうちゃん久しぶり!」

何年ぶりかに、我が家のメンターの1人である方に会いました。場所は田舎に移住したある友人宅。彼が来るというので、僕も足を伸ばしたのです。
数年前から彼は

「2020年はやばい年になるよ」

「オリンピックどころじゃない」

と言っていました。当時僕はそれほど間に受けていなかったのですが、まさかのコロナ禍が起き、思ってもみなかった形でオリンピックの延期が決まりました。今日はその話の続きが聞けるのかと思い、僕も会うのを楽しみにしていました。会って早々彼にはこう聞かれました。
「新しい仕事どう?」

「楽しいです」

僕は即答しました。僕が政治家秘書に転職してから実際に会うのは初めてでした。

「いいと思うよ。あなたには政治の文脈があった」
そういうと、会って間も無くだというのに、挨拶もそこそこに彼の怒涛のような講義が始まったのです。


時代の変化の鍵は衣食住

「これからの世界はね、大きく変わるよ」

そう、その話を待っていました。
「1940年に何があったか」
2020年からの未来の話ではなく、彼は80年前の話をし出しました。しかし僕はピンときました。
「東京オリンピックですね」
「そう、東京オリンピックが中止になった年だ。オリンピックが中止になった理由はわかるかい?」
僕が答えを言うために息を吐くと同時に彼は自ら答えを話し出し、尋ねたくせに僕の発言の機会をスルーしました。
「1937年の日中戦争、そして1939年の第二次世界大戦だ。戦争によってオリンピックは中止になり、1941年に太平洋戦争が起こった」
急に歴史の話になった。彼の話はいつも歴史から始まる。僕は黙って話を聞いていた。


「1945年に戦争が終結した。戦前と戦後とで何が大きく変わったか。それは衣食住だ。それはね、明治維新の時も大きく変わったんだよ」
確かに明治維新の時は、和服から洋服へと変わりました。ちょんまげもなくなり、帯刀もしなくなりました。食文化も、牛肉が食べられるようになるなど、西洋文化が入ってきて変化が起こりました。東京駅に代表されるような西洋風の建物も増えています。
戦後の衣食住の変化も確かに大きい。ハンバーガーやコーラなどが取り入れられ、より洋食がポピュラーなものになり、制服は軍服からスーツに変わりました。住居も集合住宅が増加し、拡大家族から核家族化へ。


「これから衣食住は大きく変わる」
そう力強く言いました。


時代の象徴・企業戦士の終焉

江戸時代から明治維新に変わった時、国の価値観が大きく変わりました。そして戦前から戦後に変わった時も価値観が大きく変化しています。

「明治維新ではサムライという社会のペルソナが終わった。終戦で軍人というペルソナが終わり、戦後の高度経済成長で企業戦士というペルソナが作られた。それぞれの時代、これらのペルソナを中心に価値が作られ、社会が作られた。今、企業戦士というペルソナが終わりを迎えようとしている」

確かに、2020年より前から起業ブームがあったし、フリーランス化も増えてきています。サラリーマンだって副業する時代だ。それはコロナ禍でますます加速したようにも思えます。

「これまではね、いい大学を出ていい会社に入れば40年近く毎月定期的にお給料がもらえて、だんだんと給料も上がるし、退職するときには退職金、その後も厚生年金もあってそれが幸せのビジョンだったんだ。けれど、それは時間という資本を切り売りして得ている。昔は働けば働いただけお金が増えていく時代だったけれども、今はどんなに働いてもそれほど給料は上がらない時代になっている」

つまり、これまでのサラリーマンによる幸せの価値観は崩壊しつつあるということ。いい大学を出ていい会社に入れば幸せな人生を送れるなんて信じている奴はもうそれほどいない。だからこそ、ワークライフバランスが叫ばれるし、クオリティオブライフをみんな求めたくなる。会社に入って家庭も顧みないでバリバリ働いて出世してお金稼いで・・・というスタイルはもはや時代遅れなのです。24時間働けますかの時代は終わり、企業戦士という社会の中心であったペルソナは別なものに変えられる。そのきっかけとなったのが311であり、コロナ禍ではないでしょうか。

メンターの話はまだ続きます。

ありがとうございます!これを励みに執筆活動頑張ります!