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これからの個別指導を考えみる(その2)

前回から期間が空いてしまいましたが、これからの個別指導を考えてみる その2です。

前回のまとめ

前回の書き方があまりにグダグダでした(笑)

前回は個別指導塾が提供していた5つのサービス

・環境:教室という場所を提供。集中できる環境。

・教科指導:学科の知識を解説する

・進路指導:どの学校を受験するかの相談

・学習管理:宿題を出したり、進みの遅い早いを把握する

・学習アドバイス:勉強のやり方をアドバイスする

この中の環境教科指導について考えました。結論としては

個別指導は既に破綻している

ということです。理由は

・教室の面積あたりの生徒数を考えると、ソーシャルディスタンスを確保すると採算が合わない

・だからオンライン指導を導入するが、アルバイト講師ではクオリティが確保できない

ということです。クオリティについては最初のウチは混乱の中ですからどうにかお茶を濁せる可能性はありますが、長期的に見た時に映像授業に喰われていくことになるでしょう。

何せ彼らは「カメラの前で授業をするプロ」です。

これまで教室で指導していたことを、そのままオンラインに持ち込むだけの人たちが勝てる道理は1%もありません。

環境と教科指導で勝ち目はないのか

では環境と教科指導という観点で個別指導塾に勝ち目はないのか?

ということですが、一応わずかながらの勝ち筋はあると思います。

それは

オンラインを使ったインタラクティブな授業に特化する

という方向性です。

繰り返し述べている「面積あたりの生徒数」の問題がある以上、主戦場がオンラインになることは間違いありません。

そこで無双するのはトップ講師の映像授業を提供している塾です。

だから考え方としては

トップ講師の映像授業では絶対にできないことをしよう

となります。そのアイディアのひとつが

オンラインでのインタラクティブな授業です。

塾講師には一定の割合で「場」をつくれる講師がいます。

生徒たち数人に囲まれて、自分の学生時代を語ったりしている、そんなイメージの講師です。生徒たちの「兄貴分」「姉貴分」になれる講師ですね。

これは力量もそうですが、講師の「キャラ」による部分も大きくて、大学生の講師でも一定割合存在します。

こういった講師がZoomなどのアプリを使って生徒5~8名ぐらいと同時に接続。授業の開始時に

「この週末、先生はこんなことして過ごしてたんだけど、みんなはどう??」

「A君はどう??野球の自主練とかしてるの??」

「Bさんはどう?」

「みんな勉強はやってた??宿題ちゃんとできてる人??」

みたいな感じで、参加する生徒たちを1つの会話に巻き込んでいく。

そこから先は個別指導としてみんな別々のタスクをやればいいんですが、授業の最初に「場」をつくっておくことが大事。

言い換えれば、生徒が「参加してる感」を持つことが大事ということです。

教室という物理的な空間を有していたときは、生徒はわざわざ足を使って教室まで赴くわけです。そこで生徒全員が同じ空間を共有して、周りを見れば

みんな勉強している

という状態にありました。そこで自然と塾に対する帰属意識や、勉強に対して入り込む気持ちをつくっていけていました。

それがオンラインになると途端に希薄になってしまいます。

周りを見たら自分の部屋だし、ベッドもあるしマンガもあるし。

先生も他の生徒も画面には映っているけども、その存在感は教室にいた時の10分の1にも満たないと思います。

だからこそ生徒の意識を「学び」に向けさせるためにはオンライン上に「場」をつくることが大切で、その役割を講師が担わなければいけないということです。

もし「場」をつくれる講師を確保することができれば、オンラインであっても個別指導は成立するハズです。

「インタラクティブ」「場」の2つがキーワードです。

ちなみに個々のタスクに関してはAIを使った学習システムなどに頼ることになると思います。

進路指導は宝の山

残る要素は進路指導・学習管理・学習アドバイスの3点ですが進路指導はこれから激アツのコンテンツになります。

これまでの進路指導はほとんど進路指導の体を成してなくて

・模試の成績などを見て、できるだけ偏差値が高くてギリギリ合格できる学校を勧める

という誰にでもできる簡単なお仕事でした。

ですがこれから学校もその在り方を変革することが余儀なくされます。

既に今の時点で多くの私立高校・私立大学は変化の波に急速に対応を始めていますが、国公立の学校はどうしても文科省や教育委員会の指示待ちになってしまう部分が大きく、その対応に大きな差が出始めています。

学校ごとの指導や、授業以外の活動の仕方などに大きな差が出てくる以上、その情報を真っ先にキャッチアップして生徒に届ける進路指導ができれば大きなアドバンテージになります。

さらにこれからは社会(企業)が学生に求める能力も激変します。

激変するというか、もともと変化していたものが

あ、やっぱそうっすよね

と認知されていくと言った方が正しいかもしれません。

僕は自分の塾では7年以上もずっと主張していますが、

これからの社会では指示を聞く人は必要ない。自分で学び、考え、行動する力を持った人が重宝されます

コロナウイルスによってテレワークが普及したり、働き方そのものが激変していきます。この変化速度についていくためには「賢い人の指示」なんて待ってるヒマはありません。

これは、以前のように「先生の指示を聞いて勉強する」というマジメな姿勢をもって偏差値の高い学校に合格する という努力の仕方そのものが価値を失っていくことを意味します。

そんな中で

「君はどの高校(大学)に進んで、どんな人生を歩みたいの??」

と個性に合わせた進路指導ができる塾は超強い。

大人が指示して「頑張らせる」ことよりも、生徒たちが「何を頑張りたいのか」を丁寧にヒアリングし、それに合った環境を提案できることの方が価値が大きくなるはずです。

ということで、これから進路指導は結構アツい分野になるでしょう。

学習管理と学習アドバイスこそ指導者のメインタスクになる

さて、僕の中での大本命は学習管理学習アドバイスです。

まぁ進路指導は上述したように超重要項目なので、これは頑張るべきなんですが、どうしても進路指導だけで「塾」は成立しません。塾は「学力」をつける場所ですから。

どうやって学力をつけるかの一つの答えが「教科指導」です。

しかしこれは既に検討したように映像授業のプロフェッショナル達には絶対に勝てない。既に獲得している牌の数、競争原理、資本力などが違いすぎます。仮に上質な授業をつくれる講師がいたとしても単価で負けます。

唯一の道として「インタラクティブな授業」を挙げました。これは本当に(わずかですが)勝ち筋はあると思います。

ただ僕は以前から

もう塾の先生は「教える」ということを卒業しよう

とずっと主張してきました。

なぜなら

僕自身が「生身の人」から教わって学力をつけたワケではないし

学力のある人はたいてい「自分で勉強して」学力をつけた

からです。

勉強なんて絶対に自分でできることです。僕が受験生だった10年以上前ですら、素晴らしい参考書や問題集がたくさんあり、十分に自力で勉強することができました。

今はそこにYou tubeなどの動画コンテンツが溢れんばかりに用意されています。

こんな環境で勉強が成立しないなんてあり得ない

もし生徒が自力で勉強できるのであれば、わざわざそれを「塾講師」から教わる必要なんてありません。ましてやそれに毎月数万円かけるなんて…。

そして今、学校でも続々とオンラインへの切り替え、映像授業の利用が拡大していく中、おそらく

あれ?塾の授業受ける意味なくね?

とバレます(多分学校の授業もあんまり意味ない とバレます)

そこで重要になるのは

確かに自分で学習を成立されるコンテンツは十分に出そろっているけど、なかなか自分じゃ勉強できないよね

という生徒たちのケアです。僕はこれからの塾はこの問題に全リソースを投入すべきだと思っています。

コンテンツは出揃っているのに自分で勉強が成立しないということは

・自己管理ができない(スケジュール管理・プランニング・モチベーションの維持など)

・勉強のやり方が致命的に間違っている

のどちらかです。ここに的確にアプローチして支援できる指導者はこれから存在価値が大きく増すはずです。

だからもう教科指導は映像授業に任せてしまって、塾のリソース全てを生徒の学習管理と学習アドバイスに割くというスタイルが最善解であり、ゆっくりとでも個別指導業界はその方向に進んでいくと僕は考えています。

さて、長々なってしまいましたが、以上が僕の思う個別指導業界の行く末です。当然この予想を立てている以上、自分の塾では最後の最善解を選択して全速力で進みます。流行るといいなぁ。









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塾講師 兼 塾経営者 現在指導は幼児~浪人生まで。 数学・英語・現代文・物理・化学・日本史を指導。 学習障碍児指導から東大・京大・医学部受験まで。 その節操のなさが弱点。 認知心理学をベースにした学習法の指導が専門。
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