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人生のハンドルを自分自身が握れる場所に|岩本千喜(スクールマネージャー|SOLTILO GSA International School)

大きく開けた玄関に立つと、子どもたちとスタッフの活気が目からも耳からも伝わってくる。ボードに貼られたスタッフ紹介、園内の装飾を見ても子どもも大人ものびのびと過ごしている様子が見て取れる。サッカー選手の本田圭佑さんがプロデュースする『SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL』のスポーツプログラムと、『Global Step Academy』のグローバル人材育成カリキュラムを融合した、インターナショナルスクール『SOLTILO GSA International School』へお邪魔し、スクールマネージャーの岩本さんへお話を伺った。

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「『人が作った道はつまらない』と感じていた。海外留学をきっかけに、自分が決めた道を行く喜びを見つけました」

高校卒業後、ニュージーランドへ約1年半留学した岩本さん。その経験がスクール運営に大きく影響しているという。
「留学に行くまでの人生はさまざまな判断を周囲に委ねてしまっていました。多くの友人が高校を卒業したら大学や専門学校に行く中で、多くの人と違った海外留学という決断、そして海外での生活は自分自身の考えや責任で判断しなければならない場面が多くあり、それ自体に楽しさとやりがいを感じることができました。そこで、人に敷かれたレール、決められた人生ではなく『人生のハンドルは自分自身が握っているべきだ』と考えるようになり、それは今でも変わっていません」。

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帰国後は国内外で大人、子ども問わず、外国人に日本語を教えたり、日本人に英語を教えたりしながら、仕事に育児に邁進していた。そんな中で乳幼児教育に本格的に関わる転機となったのが、フィジーへの親子留学。日本の子育て環境と大きく異なり、おおらかで自由さを感じたという。
当時お子さんが通っていた日本のインターナショナル幼稚園の抑圧的で指導的な教育方針に疑問を抱いていた中で「子どもたちにとって良い環境とはなにか?自分の力でできるようになるとはどういうことか?」を考えるようになり、その後知人の勧めでいくつかのインターナショナル幼稚園などで働くようになった。

「保育の現場に入って感じたのは『子どもが主体になっていない環境が多い』ということと『役職や立場を超えたスタッフ同士の関わりが少ない』ということです。そこから現在はスクールマネージャーとして『先生たちが自分の力を存分に発揮しながら、子どもたちが『自分でできること』を応援し、夢を持てる環境づくり』を目指しています」。

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「子どもたちが夢を持つきっかけとして、さまざまなプログラムや先生発信の新しい活動が生まれています」

同校は2つのスクールのメソッドを取り入れた、教育カリキュラムやプログラムを実践している。そのひとつがグローバル人材育成を行うGSA(Global Step Academy)。インターナショナルスクールの根幹となる英語での学びを担っている。保育も基本的に英語で行われていて、園内には至る所に「物の名前」や「言葉」が記されていて、視覚的にも英語が体に馴染んでいくようだった。

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もうひとつの運営母体が本田圭佑さんがプロデュースするSOLTILO。豊かな心身発達のためのスポーツプログラムで、ここでは毎週『体操』『ボクシング』『サッカー』の時間がある。
「複数のスポーツを組み合わせることで、バランスよく全身を使い、しなやかな身体を養うことができます。また、いろいろな得意・不得意が出てくる中で、子どもたち自身が自分で自信を持って取り組めることを見つけている様子がうかがえます」。

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こうしたカリキュラムやプログラムのほかにも、先生たちが自分自身の得意を活かしてさまざまな活動が生まれている。
「例えば、救命救急士の資格を持つ保育士が、外部講師も含めた園の活動に関わる全スタッフに、熱中症対策講座を開いたり、調理スタッフがオンラインで離乳食についての公開セミナーを開いたりしています。園内の活動としては、食育の一環として魚の骨の取り方を行なったりもしました。そのときも子どもたちがきれいに取れた骨を保護者に自慢げに見せていて、中には持ち帰る子もいました。先生たちが自分の持っている力を発揮している姿が園の活気を高めているように感じています」。

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「職員室にこもらず、子どもとも大人とも普段から自然と目線も言葉も交わせる関係づくり」

こうしたスタッフの主体的な姿勢をつくるのに、岩本さんは一体どのようなことを実践し、実現させているのだろうか。
「大切にしているのは先生たちに対するリスペクト。当園で働きたいと思った一つの要因はそれを運営会社の本社のスタッフのみなさんのリスペクトの姿勢です。普通だったらトップダウンで下ろしてしまうようなことも『先生たちがどう思うか聞いてみよう』と同じ目線で取り組んでくれています。私自身もリスペクトの気持ちを持ち、まだまだこれからではありますが、先生たちに負担がかかりすぎていないかに気を配り、積極的にサポートできるスクールマネージャーでありたいと考えています」。

園の環境で目に付いたのが、岩本さんが普段園内で定位置としている場所だ。玄関を入ってすぐ目の前の、園内全体が見渡せる受付のようなオープンスペースが岩本さんの定位置だという。事務室や職員室にこもるのではなく、オープンスペースにいることで子どもも大人も常にアイコンタクトができ、声をかけやすい環境を自ら作っているようにも見える。それがやりたいことを積極的に実行していくための、相談のしやすさや心の距離の近さ、心理的安全性を担保しているひとつの要因といえそうだ。

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一方『スタッフ各自の力を発揮する』と聞くと、つい『大人がやりたいこと』をやらせてしまい、子どもたちの主体性が損なわれることも起こりそうなもの。どのように調整しているのだろうか?
「まずは先生たちがよいと考えていることを否定しないようにしています。そのうえで『それは子どもたちにとってよいことか?』『ビジョンである、夢を持てる機会になるか?』『子どもたちが自分でできる活動になっているか?(大人が手を加えすぎないか)』を軸に検討するようにしています。そして、子どもたちの発達段階を考慮しながらできる方法を考えます。ただ単に『なんでもよし』ではなく、主体は先生たちではなく子どもたち。子どもたちにとってよいことを行うという枠の中で、先生たちの力を存分に発揮してもらうために、こうした目線をみんなで共有しています」。

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誰かに決められた道ではなく、自分で決めた道を歩むことの楽しさを実感している岩本さんだからこそ、子どもたちにも、スタッフにも自分で決めて実践していける環境をつくろうとしているのが見えてきた。今後の展望についても聞いてみた。
「子どもたちが夢を持てるように、まずは先生たち自身が夢を持つことができる環境をつくるのが、スクールマネージャーの役割だと思っています。子どもたちに夢を与える場だからこそ、この場に居る大人も夢を持っていてほしい。これはスクールの理念にも合致することだと感じています。なので、今は先生たちがまだ見せていないスキルや力を発揮できる場をさらに作っていきたいです。まずは調理スタッフのブランド化ができないかな、とワクワクしています」。


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スタッフが個性を発揮しながら、働ける組織づくり

人生のハンドルを自分自身で握っていることの大切さを実感している岩本さんだからこそ、子どもも大人もやりたいこと、自分で決められることを大切にしている。そのための数ある工夫の中でもポイントとなっていることが3つあった。それは、言葉だけではなく「自分が決めていい」と示す態度や周囲のマインドセット、判断軸の言語化、そしていつでも声をかけやすい物理的な定位置の設定である。こうした環境づくりが、岩本さんの目指す園運営を支えている。

LiCでも、スタッフ一人ひとりが自分の力を存分に発揮するための組織開発を支援しています。「スタッフ各々が自ら考え、個性を発揮して保育を行っていきたい」そんな方はぜひ下記の無料相談からお問い合わせください

LiCの乳幼児教育施設の組織開発無料相談
メール:info@learning-in-context.com
電話:03-6663-8960
担当者:植竹(うえたけ)


<Visited DATA>
訪問先:SOLTILO GSA International School
所在地:千葉市美浜区若葉3-1-18 幕張ベイパーククロスレジデンス2F
Webサイト:https://www.soltilogsa.com/

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