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Educational Design×保育園|保育園の社会的価値を見つめなおすー課題発見プロジェクトVol.1【ファシリテーター植竹】

プロジェクト説明と自己紹介

Learning in Context(以下、LiC)ディレクター&ファシリテーターの植竹です。今回は江戸川区で2園運営されている保育園さんと一緒に、「保育園の社会的な価値を見直す」をテーマに現状の把握と課題発見プロジェクトを全2回(各3時間)実施しています。

これまで1園単位でのプロジェクトを行ってきましたが、今回は同一法人の複数園合同でプロジェクトを実施する新たな取り組みでもあります。
プロジェクトメンバーは各園から園長、主任、一般保育士、事務員など各3名と、2園を包括してウォッチしている事業責任者1名、そして、LiCからドキュメンテーター(学びのプロセスの可視化を行う)と、ファシリテーター(私)の9名。

今回のプロジェクトでは、ディレクターとしてプロジェクト全体の設計を通して、クライアントである保育園さんの表面化している課題の背景(なぜその現象が起こっているのか)の分析と解決に向けたアプローチの考案。そしてファシリテーターとして、個々人が無意識に持っている認識やバイアスを可視化・意識化し、新たな文脈や認知を形成する。という2つの立場でかかわっています。
この記事の中では、特に【ファシリテーター】として、個人そして組織としての認知が現状どのような状態か、そしてその状態に合わせてアプローチしたこととその結果について書いていきます。
同じ場に居たドキュメンテーター宮田と下打ち合わせなしにそれぞれの立場、目線で振り返っているので、ぜひ2つの記事を見比べてみていただければ幸いです。
ドキュメンテーター宮田の記事

今回のプロジェクト・得た学びと共有知

こうしたプロジェクトで鍵となるのが、「認知の形成」です。
「なぜ、どうして、どのように、何に取り組むのか、自分たちや社会にどういった意味を持つのか」これらを言葉として頭で理解する以上に、マインドシフト・心の揺れをつくり動機付けをすることが必要になります。
そのために「全体像の把握/目的と価値の認識づくり/新しい手法への理解」を今回、そして次回の2回に分けて行います。

プロジェクト初回である今回は、
●プロジェクトの目的と進め方
●共創の場であると同時に学びの場であることと学び方
●社会(国内と世界)の動向から保育園に想いを馳せる
●自分たちの現状を言語化する
という内容を実施しました。

その中で見えてきたのは、「日本の保育のコンセプト(テーマに対する向き合い方・方向性)」が社会的に共有されていないという認識です。保育園の社会的な価値を見直す、という文脈において、「保育園とは…?」を哲学すること、そして関係者と認識を共有することが重要であるといえます。

「日本の保育園」から自分たちが大切にしたいこと、コンセプトについては、子どもも保育者も自分の想いを大切にし、それぞれが自分で人生を選択できることを目指しているという共通の考えが見えてきました。
これは世界的な乳幼児教育、そして個人の人生観に近しいものです。
と同時に、学校教育においても、企業においても、組織優先になり、個は二の次になりやすい日本社会において、その社会背景・歴史的な文脈を自分たちの姿から捉え直し、どのように実現していくかが今後の大きなポイントになると感じています。

次回は今回出た話を振り返りながら、改めて「全体像の把握/目的と価値の認識づくり/新しい手法への理解」といった認知の形成を目指していきます。

まとめ

今回のプロジェクトを通じて感じたのは、現場の保育者の前向きに子どものためにいい仕事がしたい、という想いでした。
一方で、自分の考えや想いを語ることはできる反面、他者の言葉に重ねて価値を作っていく対話については、難しさを感じているようでした。このプロジェクトを通じて、自分の感じたことを話していたらいつの間にか形になっていた、くらい自然に対話のファシリテートを実践し、ヒントとして持ち帰っていただきたいと思います。

また、プロジェクト実施後、実際の現場にも足を運び、話に挙がった内容を中心にリサーチを行いました。
そこで見えてきたのが2園間の連携に対する課題です。共通化していることもある一方で、子どもとの関りなど、質的な共通性はまだまだこれから。3歳以降の連携園でもある関係の2つの園なので、子どもたちがストレスなく合流できる連携のあり方を考えていきます。

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