『ハイキュー‼』をほぼ全巻レビューしてみる

 ある漫画好きの方が「『ハイキュー‼』を1日1巻ずつレビューする」というのをやられていて、面白そうなので私も挑戦してみることにしました。レビューというより「過去に読んだ感想と今から振り返ったとき」的な感じになりそう。


1巻 スポーツとはメディアを通じて出会う時代に

 主な物語の主軸である、日向翔陽と影山飛雄の出会いの場面です。名前の対称性はいろいろなところで指摘されていますが面白いのは2人の中学時代の「土壌」です。ご存知のとおり、のちのち某エースから「成長には土壌が大切」的な趣旨のことをいわれて「コンクリート出身です」と言い返す名シーンがありますが、この2人の中学時代の土壌はよかったのか?と考えてしまいます。

 あと日向翔陽が「テレビで見た選手に憧れて目指した」というのも新しかったです。それまでの少年向けのスポーツマンガの主人公がスポーツに興味を持つのは、周りの大人の影響か主に父親からの継承でした。(あと、ボクシングなど格闘技系は男性としての力をつけるためという側面も)

 それに対して日向翔陽はテレビを通じてその世界と出会い、道を歩み始めます。後々描かれるのですが、『ハイキュー‼』の選手たちはみなスマートフォンや自宅にパソコンがあり、試合結果や振り返りをメディアを通じてやっていることが多い。及川先輩のほぼ徹夜のライバルチェックとか、烏野高校のブラジルチームのシンクロ攻撃を調べるためのタブレット利用とかですね。意識的に「強くなるためのメディアの使い方」をしっかり描いたのも印象的でした。(この辺りはどこかでまとめたいです)

2巻 ライバル校、出すのが早い!

 読み直しているんですけど、(私が勝手に認定した)永遠の烏野高校のライバル、青葉城西出てくるの早いですね。個人的には「宮城県」とあえて地方を主人公チームの舞台にしたことも好きです。(舞台版、宮城県に見に行きました!地元のアニメイトがすごく盛り上がっていた)私はスポーツ経験がないのです、こうした近隣学校のライバル意識はいいですよね。町で会いそう。最初の烏野高校のときに及川さんがあえて遅れてきて、「ひとりメンバーが変わることでチームが変わる」というのを早々をやっていた気がしました。

 私はハイキュー‼を10巻といういい具合に巻数がたまったときに読んで沼に飛び込んだのですが、過去の感想を振り返ると2巻を読みながら「スーツマンガを描くにあたり、バレーボールのいいところはなにか」を考えていました。それは陣地が分かれているのでフィジカルなぶつかり合いがないことです。のちのち、日向翔陽は対格差や身長差に悩みますが、ネットを挟んでいることで「大きな体格の人に吹き飛ばされるから出られない」ということはない。(このあたり、バスケットボールと比べてしまう)。そのためチームの間に体格差があっても勝利の可能性が出てきます。

 またバレーボールはハイキューでさんざん強調されているようにボールを持てない競技。そのためどうしても周りとの連携が必要になりるので、必然的にコミュニケーションとかチームのメンバーがいまどう考えているのかを意識しないといけないという側面がある。(ほら、バスケだと黒子のバスケみたいにコートの端から端まで一人でボールをもって得点できるじゃないですか)

 ちなみに私は当時、テニスの王子様と黒子のバスケの読みすぎで「必殺技の応酬にならないでほしいなー」と思っていたみたいです。

 ちなみに田中先輩の名言「コートのこっち側はもれなく味方」が初めて出てくるのも2巻です。

3巻 初の単独表紙は西谷夕選手でした

 話が進み、登場キャラクターが増えていきます。3巻はみなさまご存知、烏野高校のリベロ、西谷夕とエース、東峰旭の登場です。見てわかる通り、名前も対照的になっています。リベロと、エース、2年生と3年生、身長差など違いが大きい2人が対比されています。自分への自信の有無もですね。

 そして驚きがなんとハイキューの単行本、初の単独表紙は西谷でした。物語では「one man army」背負っての登場です。

  特に東峰なんですけど、「自信をなくした選手の立ち直り」って十分主人公格の物語ですよね。彼に限らずハイキューはほかの作品なら十分主人公になれるキャラクターが多くて困ります。

もうひとつはコーチの烏養繋心さんの登場です。先生の粘り勝ちですが、彼がこれまでコーチをしたことがありかつライバル校分析が得意だったというのは忘れていました。彼の存在は「名選手、必ずしも名監督ならず」というセオリーを思い出させます。 。地域の子どものスポーツやアートはこうした「ジモトに住んでいて経験のある大人」に支えられているのですよね。

そしてラストで青葉城西とは違う意味での好敵手の音駒高校登場です。そのしなやかさは、英語版では「agile」と表現されていました。

4巻 もう一つのライバル、音駒高校の登場とコーチ就任

 最終的に全国大会まで戦うことになる音駒高校の登場です。名言と言っていいのか「俺達は血液だ 滞り無く流れろ 酸素を回せ "脳"が 正常に働くために」が出てくるのもここから。なお英語版では「Remember,we are blood.Never stop flowing.Keep moving.Keep bringing in the oxygen...,so that our "brain" can operate at his best.」と訳されていました。そして音駒高校との因縁から、烏養さんが正式にコーチに就任します。

 忘れてはいけないのが、烏野高校2年の縁下力。いわゆるスターティングメンバ―ではないのですが「一度は部活から逃げでも帰ってきた」という設定で物語にリアリティを与えています。もっというとほかの2年生や1年生の掌握力もすごい。舞台版ではうまく舞台回しのキャラクターになっていました。

5巻 インハイスタート。各校の英語表記が面白い

 インターハイの宮城県予選がスタートする巻。ということで、インハイで対戦する予定の青葉城西以外の学校が相次ぎ登場します。その一つが白鳥沢学園。なんと最初は雑誌の特集記事で登場です。ここでもメディアの使い方のうまさを実感させられます。

 もうひとつは、1年生部員、山口忠の第一歩。少年マンガだから仕方がないのですが、4人の新入部員のうち、山口だけがレギュラー入りをできていません。(もちろん、期待の新人が入ってきたことでレギュラーに慣れない2,3年生もいます)この状況を打開するため「自分だけが戦えないのはいやだ」ということでサーブという武器を身につけに一歩踏み出します。

 で、インハイ予選。少年向けスポーツマンガといえば劇的な勝利を描くことが中心ですが、ここでもハイキューは新しいことをやって見せます。それが常波高校の敗北。もちろん主人公らのいる烏野高校、特に「落ちた強豪 飛べない烏」といわれていた学校の勝利はすばらしいと描きつつも、その裏に多くの負けて1回戦で消えていく学校があることをページをかけて描きます。なおこの敗者への視線は舞台版にも引き継がれ、きっちり描かれます。ちなみに、緊張する烏野高校のメンバーを平常心に戻した西谷の名言「背中は守ってやるぜ」は「 I have your backs.」。(「前のめりでいこう」もそうですが、作者西谷好きですよね)

 本論とまったく関係ないのですが、烏野高校に立ちはだかる「伊達工」は英語版で「Date tech」。青葉城西は「青葉城西」と表記されるときは「Aoba Josai」なのですが「青城」と省略してよばれるときは「Blue castle」。・・・・最初読んでいるとき「青い城」ってなんだろう?となりました。あ、「変人速攻」は「Freak Quick」です。


6巻 セッター=オーケストラの指揮者説に感動しました!

 佳境の伊達工戦から青葉城西戦へ。

 私伊達工戦、好きなんですよね。舞台版を見てからもっと好きになったのですが、作中でブロック重視のチームのひとつなので。そしてそれに対してとっさに足でとる西谷先輩もかっこよかった。

 で、青葉城西戦。すでに烏野高校はいちど青城と戦っているわけですが、及川徹というセッターが率いるチームとは初めて。ここで烏養さんが指摘する「セッターってオーケストラの指揮者みたいだよな」に感動しました。指揮者が変わればオケの出す音が変わるように、バレーボールでもセッターが変わるとチームが変わる。(これに感動する方は、是非ハイキュー‼の舞台版をお願いします)

で、これをもちろん青城はみごとに体現してみせるのですが、それは烏野高校も同じ。烏野のセッター、影山が追い詰められたとき交代で登場する3年生セッターの菅原さん。ここまで読んでくることで、私たちは「セッターとしての能力は影山>菅原」と植えつけられるわけですが、それでもきちんと点が取れるというのを自然に描きます。すごいですよね。

 なお、及川さんの名言「信じてるよ、お前ら」は「I have faith in you.」です。そして及川さんは前日に烏野高校の研究を自宅のデスクトップパスコンでやっていました。多分絵柄からするとアップルのマックです。


7巻 多くの人を沼に突き落とした60話

 表紙は6巻で影山からセッターを引き継いだ菅原さんとほかの3年生。惜しくも途中で交代となりますが、ラストを3年生エース、東峰さんに打たせて交代させるのは劇的でした。

 烏野高校VS青葉城西高校の試合が佳境の中で、青城の及川とエース、岩泉一の過去話。連載当時、多くの人を沼に突き落とし泣かせたエピソードです。(通称「60話ショック」。)あ、もちろん数々に二次創作の名作を生み出したエピソードでもあります。もちろん私もです。詳しくは読んでいただくしかないのですが、とにかくですね及川さんがどう及川さんになっていってそのために岩泉さんが何をしたのか、影山にどんな因縁があったのかとかが全部詰まったすごいエピソードです。正直、中学3年生で、好きな分野でこれはしんどい。岩泉さんいてよかった。

 個人的には岩泉さんの「6人で強いほうが強い」がすごく腑に落ちました。すでに書きましたけど、バレーボールは続けてボールに触れないので、どんなに影山さんがセットアップもアタックもレシーブも全部できても勝てるわけではないんですよ。それを岩泉さんにいわせたのが泣けました。

 で、この及川さんの状況は誰でも陥る可能性があるわけですよ。大人になって出会う人が増えれば増えるほど、同じ分野で自分より強い人は出てくる。みなさん、自分の中に「岩泉さん」はいらっしゃいますでしょうか。

 なお7巻には第1回キャラクター人気投票の結果も。なんと1位は影山さん。伊達工戦のおかげか、西谷先輩は3位です。


8巻 主人公がいても「最強」ではない

 8巻で烏野高校VS青葉城西高校、決着がつきます。チーム内の人間関係や信頼関係までを織り込んだ作戦の読みあいはすごく読んでいて楽しい。マンガ表現的には第三セット、24点を取ってからのラリーの青葉城西に烏野が手が届くかどうかの表現と、王冠を脱ぐ影山の表現がすごかったです。

 ちなみに67話のサブタイトルが「smile」。ということはチームで笑いあう青城の国見さんの物語だったんですかね?

 とはいえこの時点での地力は青葉城西が上ということで、先生は烏野高校を簡単には勝たせてくれません。一応主人公格のキャラクターのいるチームなのに。「主人公がいても最強ではない」を実感しました。スポーツって勝ったり負けたりしながら成長していくことを考えると、これがきっと自然なのでしょうね。

 

9巻 意味のある「女性キャラクター」

 ハイキュー‼の特徴のひとつは、少年マンガの枠組みでスポーツマンガを描きながら女性キャラクターが添え物ではないことです。少年マンガは少年のための少年の成長物語であるがゆえに、女性キャラクターはどうしても保護者か成長のための糧になりがちです。そうした傾向が強い中でハイキュー‼は烏野高校のマネージャーの姿含めきっちり女性キャラクターを描いていきます。なので舞台版でもきちんと出てきたのはうれしかったです。(初演はいなかったので不安に思いました)

 9巻で登場する谷地さんもその一人。おどおどしながら入部しつつも最終的に烏野高校バレーボール部の資金調達と学力面のサポートで重要な役割を果たします。(試験がギャグネタになるのはもはやお約束)谷地さんの『村人Bでも戦えます」のエピソードはハイキューで好きなエピソードのひとつです。

 実は9巻はのちのちの重要キャラクターが揃う巻でもあります。ひとりは白鳥沢の牛島選手。もう一人は日向翔陽憧れの小さな巨人。後々の連載で出てきますがまさかああいう人とは思わずビックリしました。(最終的に日向は小さな巨人とは別の道を選ぶのですよね。そういう意味では憧れの人を超えるというのも物語全体の骨組みのひとつかもしれません)そして夏合宿で出会うのが、エースの心得を伝える梟谷学園の木兎選手。私、ずっと青城推しだったのですけど、ここで梟谷が推しに加わりました。

 ちなみに9巻はやっと日向単独の表紙です。8巻の影山さんのほうが早かった。


10巻 人があるコトにはまるには何が必要か?

 烏野高校の部員それぞれが成長へのヒントを得る夏合宿。それは10巻表紙の月島も例外ではありません。熱血系の日向・影山に対し「そこまで熱意はない」と描かれていた彼の過去やその理由が明らかになり、かつそこから抜け出すにはどうするかが描かれます。86話はその名の通りタイトルは「月の出」。英語だとmoonriseです。

 その月島を動かしたのは山口。月島をずっと「かっこいい」と思ってきておそらく彼の過去エピソードも知っている山口は、月島よりも先に「かなわないかもしれないけれど目指す」道に入り込みます。夏合宿のトレーニング中、山を登るところで疲れた月島を置いて山口が先に行くシーンは印象的です。

 そして一歩先行く山口VS月島の88話ショック。山口がいうように、上を目指すのにプライド以外いらないんですよね。上を目指せるまっすぐなプライドはすごく重要だと大人になると痛感します。(ねじ曲がったプライドだと、周りを蹴落とすほうに力を入れてしまう・・・・)

 ただ頭脳派の月島は当然プライドとか抽象論だけでは納得しません。そこで梟谷の木兎ら練習していた他校の先輩に聞きに行きます。「なぜ部活にそこまで熱心になるのか」と。これはきっと人それぞれでしょうが、木兎がいう「自分の時代が来たと思えるほどはまり込める瞬間があるかないか」はすごく印象的でした。(実は月島のトラウマになった兄はこの瞬間があることがのちのちのエピソードで描かれます)

 きっと部活だけでなく、仕事でも趣味でもカチッとはまる瞬間みたいなのがみな多かれ少なかれあってそこから自分の好きとか没頭できることを見つけていくのですよね。

 なお木兎はここで月島にもその瞬間がきてバレーボールにはまると予言していますが、このあと白鳥沢戦で月島がその瞬間を迎えることはご存知の通りです。ほんと、木兎さんいてよかった。

 あと月島は山口と対比されやすいですが、実は月と日ということで日向とも対比の対象になる。

11巻 みんなが必殺技を見つけるとき

 10巻から続き、夏合宿のエピソード。普段とは違う先輩とともに、違う強みや新しい戦術を試していきます。そしてなんと表紙は梟谷高校の木兎選手。単独表紙としてすごく早かった・・・・

12巻 春高予選スタート 「合宿が身になっている」

 いよいよ春高の宮城県予選スタートです。かつてのスポーツマンガに比べて最近はきっちり練習するシーンが描かれるようになっていますが、ハイキューはさらにその練習が実践で役立つことを描きます。春高予選の第一試合がそれ。ほんと、力強くなった。そして最後まで油断しない烏野の姿は相手校にも伝染し、「頑張るのはカッコ悪くない」と思わせます。

 またハイキューはどうしてもスーパースターの1年生組に目がいきます(少年マンガなので成長描くから・・・・)が、鳥飼監督のおじいさんが指摘するように2~3年生もすごい。のちのちの試合でも指摘されますが、しんどいときに生き残った2~3年生は基礎ができていて、そこが日向の逆転を補ってもいる気がします。そしてこれが次のエピソードへの布石にもなっている。

 そして勝ち進んだ烏野に立ちはだかる2メートルの壁。まさか彼がのちのちあのような選手になるとはこのとき想像もしていませんでした。

  そして予選の間に再び東京で合宿。(このあたり、合宿費用とかどうなっているのかと心配してしまいました)今回はなんと月島が練習に前向き。かれは牛若を止めることを目標にお兄さんのチームに混ざったり合宿で積極的に練習に参加したり。最初から読んでいると前向きになったことに感動です。

そしてこの辺りからカラーを含め各話の表紙が神がかってきます。動物版のイラスト大好きです。


13巻 土台と強さの大切さ

春高予選の続き。さりげなく青城VS白鳥沢がうまいですよね。そして、次の物語の布石と表紙も含めて、烏野の土台を支える大地さんとその活躍を描く巻です。

 物語のメーンは烏野高校VS条禅寺高校。自由奔放な動きが強みの条禅寺に少しの奔放さと安定で戦いを挑みます。キープレーヤーは12巻で烏養元監督にも評価された3年の澤村大地。つなぐゲームであるバレーボールではレシーブができないと意味がないということで、安定したレシーブと、浮足立つ1~2年生を落ち着かせることで試合を優位に運びます。バランスのよさって重要ですよね。112話の元々の条禅寺の横断幕の「質実剛健」と大地さんを組み合わせたコマは大好きです。

 セリフとしては、山口のいう「勝負事を楽しむには強さが必要」という言葉が印象的でした。この点で日向はまだまだで、日向を後押ししているようにみえて、実は大地さんのレシーブの強さを表しているようにも思えます。(そういえば、菅原は菅原さんなのに、なぜ大地さんは1~2年生からも「大地さん」なのだろうか)


14巻 お約束の主将の負傷

  14巻の表紙は、ここまでフィーチャーされてきた烏野高校の主将、澤村さん。満を持しての単独表紙です。それは彼が和久南戦で負傷し、土台の重要さを実感させるからです。

  あの有名な「スラムダンク」に始まり、なぜ少年マンガ系のスポーツマンガはいつも主人公チームの主将が負傷するんですかね?ちょっと面白いです。

 ハイキューではこの負傷エピソードにともない、2年生の縁下力が取り上げられます。名前が示す通り烏野高校の縁の下の力持ち。2年生をまとめかつ1年生ともかかわっていく。バレー選手としての力はわかりませんが、2年生からも次の主将として名前が上がります。

 縁下さんの逃げたエピソードは、たぶんスポーツマンガとしては珍しいです。なぜなら多くのスポーツマンガはその競技が好きで切磋琢磨するキャラクターを描くから。縁下と山口の逃げたもの同士の分かりあう感じもいいですよね。ここで「責めるだけ」では心が離れていく。

で、なぜこれが描けたのかなと気になっていたのですが、単行本では実は先生ご自身も過去に「逃げた」経験があることが明らかになっています。

とはいえ、おそらくこのときコートのいた人の中でそんなにバレー選手としての技術がとびぬけて高いわけではない縁下。日向もそうですが、ほかの人が持っている技術(日向は中島、縁下は澤村)をうらやんでも仕方なくて、その時持っているもので何とかやるしかないのです。まあ武器を増やすに越したことはないのですけどね。

 なお14巻には第2回キャラクターアンケート結果も掲載。やっと日向が1位になり。個人的には及川と岩泉が10位以内にランクインしたのがうれしかったです。

15巻 相手の上を行くための変化=DESTROYER

 メーンは烏野高校と青葉城西高校の再戦ですが、個人的にはその前の青葉城西VS伊達工が楽しかったです。伊達工の「次」を見据えた壁になれるセッター起用はもちろん、その新生伊達の鉄壁を打ち抜く青城のエース、岩泉。純粋にかっこよかったです。

 そして烏野VS青城。烏野としては前回の敗北からまず立ち直って、そしてこれまで得てきた武器で互角に持ち込めるかーーと描いたところでの京谷投入です。こちらも熟練感のあった青城チームだけでなく試合全体での「破壊者」になります。

 なぜ各学校はここにきて「破壊者」をいれるのか。それは負けたら即終わりの試合を勝ち抜くため、少しでも相手より上にいくためなのではないでしょうか。個人的には宮城県には白鳥沢という王者といわれ、正当なエースを有するチームがいるからこそ、ほかの学校は王者を倒すためにどうするかを知恵を絞っているのだと思います。伊達工はおそらく来年を見据えてだろうし、青城は烏野の脅威+白鳥沢に勝ち抜く得点力なのだと思います。

 そしてこの15巻でもうひとり破壊者として載っているのが烏野の日向。彼が破壊者=前回の試合の時とは違うものを見せられるかが青城戦のカギをにぎることになります。


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