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【北米漫画市場まとめ】『召喚する世界』が英語とフランス語でも同時発表へ、マイアニメリストがオンラインイベントの開催、米国の2021年のグラフィック・ノベル市場拡大続く


北米漫画市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


『召喚する世界』、英語とフランス語でも同時発表へ


別冊少年マガジンで連載が始まった小玉有起先生の『召喚する世界』について、日本語の発表と同時に英語とフランス語で発表するというもの。もちろん前作で海外人気が高い作家だということもありますが、本格的に漫画の段階から海外市場を取り込もうとする動きとみられます。

実はこれ、集英社の週刊少年ジャンプ掲載作品がすでにやっているもので、ジャンプの人気作はVizMediaのアプリ「ShonenJump」と「MangaPlus」を通じて各国言語に日本語の配信と同時に配信されています。その国の言語で読めれば、ローカル市場のファンを取り込みやすくなっています。


マイアニメリスト、オンラインイベントの開催へ

https://www.animenewsnetwork.com/interest/2022-02-05/myanimelist-to-hold-online-panel-with-production-i.g-wit-studio/.182224

メディアドゥグループでアニメ情報のデータベースを運営する「マイアニメリスト」が2月にオンラインイベントを開催します。(サイトはこちら

中心になるのはアニメ関連のパネルで、上記の記事ではプロダクション・アイジーのアニメーターやウィット・スタジオのCEOのパネルが取り上げられています。

新型コロナウイルスの感染拡大でリアルイベントの開催は厳しくなっていますが、アニメ・漫画関連ではオンラインのEXPOやトークイベントは完全に根付いたといえます。今年、各国のEXPOはリアルを予定しているところもありますが、上記のようにオンラインと組み合わせるところも出てきそうです。


FujoCon、「バケモノとケダモノ」の蓮地先生がゲストに

もうひとつEXPOネタを。私が好きなBL専門オンラインEXPO「FujoCon」が2022年は●月●~●日に開催が予定されています。毎年日本人のBL作家をゲストに呼んでおり今年は「バケモノとケダモノ」の蓮地先生が。

オンラインなのでもちろん日本からも参加可能ですFujoConは主に北米のBLファンのパネルも充実しておりBLファンは必見です。


久保帯人先生のファンクラブ、台湾や韓国ファンの募集へ

週刊少年ジャンプの作家としてファンクラブを運営するという新しい取り組みを手掛ける久保帯人先生。その作品の「BLEACH」はグローバルファンも多いということで、この度台湾・韓国のファン向けのサービスが始まりました。韓国語や英語への翻訳もあるということでツイッターのコメントではすでに「フランス語も」などのリクエストが出ていました。こうした取り組みはグローバルなファンの取り込みにつながりそうです。


米国の2021年のグラフィック・ノベル市場、65%増


https://www.comicsbeat.com/report-graphic-novel-sales-were-up-65-in-2021/?amp

日本のMANGAが含まれる米国のグラフィック・ノベル市場について。2021年は65%増と、2020年に続く躍進となりました。記事でも触れられていますが、アニメのストリーミング配信を見た人が、原作の漫画を探すというルートが確立したようです。北米ではアニメで人気が出ると原作マンガのデジタル配信が始まったり翻訳本が出たりということも少なくありません。Netflixが引き続きアニメに力を入れていることを考えるとアニメを起点とした漫画市場の拡大は続きそうです。


ナイジェリアより:輝くアニメコミュニティ

https://www.animeherald.com/2021/11/27/from-nigeria-an-anime-community-at-its-brightest-yet/

2021年11月と少し古いのですが、日本以外でMANGAがどう広がっているのかをすごくよく表しているコラムでした。こちらはアフリカのナイジェリアの経験ですが、最初はローカルなケーブルテレビで触れそこからMANGAというものの存在を知ってオンラインで読もうとする。もちろんこの「オンライン」が非合法のものであれば損失ですがこの「テレビや映像でみて原作を探す」というルートが確立していることを考えると正規版の配信をより探す人がリーチしやすくするというのは急務なのかもしれません。

追加

海外のマンガ賞まるわかり アイズナー賞とアングレーム国際漫画祭賞、その成り立ちと米仏で人気の日本人マンガ家を解説


この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのnoteでも紹介されていましたが、翻訳家の椎名ゆかりさんによる海外の漫画賞の解説。同じ「海外市場で広がるMANGA」といっても国によって人気の出る作品や人気の出方が違うことがわかりやすく分析されています。

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジン。

ニュース的には違法サイトの摘発、国内出版社のクラウドフレアへの訴訟が大きかったと思います。もちろんコストとの兼ね合いもありますが、もっと国内外から気軽に公式配信サービスに手が届くようになればいいなと思います。


今週は以上です。引き続きよろしくお願いします。

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