【北米漫画市場まとめ】劇場版「リョーマ!」が北米上映へ、Seven Seasが『ヨコハマ買い出し紀行』の英語版出版、感想の伝え方の難しさ
北米漫画市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。
Eleven Arts、劇場版「リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」の北米上映権を獲得
最近日本のアニメ映画の海外進出が著しいですが、まさかこの作品が北米圏にいくとは想像しませんでした。そうです、テニスマンガの金字塔、「テニスの王子様」を原作とする劇場版「リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」の北米進出です。Eleven Artsという日本のアニメの放映権の販売を手掛ける企業が獲得したようです。日本では昨年9月の公開なので少し時間は立ちましたがまだ映画館で上映中が進出というのは歴代のテニスの王子様の映画としては早い。まだ上映の規模や公開日などは決まっていませんが、ファンを集められればと思います。
「テニスの王子様」については英語版の単行本が出ているうえ、もちろんアニメもFunimationなどで配信されています。北米のファンにとっては少し過去の作品という感じですが根強いファンを掘り起こせそうです。(さすがに日本のように応援上映はないと思うのですが。というか、応援上映というカルチャー自体を輸出したいところです)
Viz Media、『呪術廻戦』『鬼滅の刃』の小説版を発売
こちらはViz Mediaが『呪術廻戦』『鬼滅の刃』の小説の英語版を出版するというもの。小説はマンガに比べて翻訳コストがよりかかりますので、これまで出るということはコストをかけてでも売れると判断したということと考えられます。この2作品の英語圏での人気の強さを示すものといえそうです。ファンとしてはいずれの小説も本編のエピソードをうめるものなのでほしいところですよね。
Cruncyroll、「ニンテンドースイッチ」にアプリを導入
北米のアニメ配信サービスのCruncyrollがNintendo Switch内にアプリを導入しました。Switchは北米でも普及していますので、よりアニメに親しむ人が増えそうな取り組みです。
Seven Seas、「ヨコハマ買い出し紀行』などの英語版を出版へ
日本のマンガの英語版の出版が相次ぐ中で、こちらは芦奈野ひとし先生の『ヨコハマ買い出し紀行』の英語版が出るというもの。米出版社のひとつ、Seven Seasが出版権を獲得しました。アニメ化もされた同作品は北米圏でも一定の知名度と人気があり、翻訳がでるとわかったときは「待ってました!」という反応も。オムニバス形式で読みやすいので、日本マンガのファン拡大にも広がってほしいです。
ネイバーのWebtoon、世界の月間利用者数が8200万人超え
相変わらず元気なWebtoon市場。その中心企業のひとつであるネイバーについて、世界の月間利用者数が8200万人をこえたというもの。もちろん利用者数の増加にあわせ、課金者数も増えています。利用者数の増加については、韓国以外の市場の拡大が大きいようです。
アニメ系NFT「Azuki」の人気 収益も拡大
「爆速で36億円を稼いだアニメ系NFT「Azuki」を生んだ起業家たち」という見出しのフォーブスの記事です。アニメのような絵柄のNFTは相次ぎ誕生していますが、ここまで大きな金額を稼いだものは少なく、その後ろにいるクリエイターたちを取り上げたものです。
クリエイター中心とされるWeb3やNFTとアニメやマンガの相性の良さは指摘されていましたが、ここまで早くマネタイズに向かうとは想定していませんでした。今、コンテンツの「メディア化」というと「マンガ、アニメ、映像、グッズ」などですがここに「NFT」が加わるのかもしれません。
ちなみに日本のマンガでは「BABEL」というSF作品もNFT化しています。
https://twitter.com/snarumis/status/1493876027998670850?t=aNdQCVuy9msZbq-QJWb3Nw&s=19
『ソード・アート・オンライン』のバーチャル展覧会を開催
2月21日から、ソニーグループが『ソード・アート・オンライン』をテーマにしたVRの展覧会を開催します。米国はもちろん、日本のファンも参加が可能です。VRのイベントですが、VRのヘッドセットなど専用機器がなくても参加できるとのこと。
新たなマンガ雑誌「Comic Bright」を立ち上げ
中小出版社、Star Fruit Booksがマンガ雑誌「Comics Bright」を立ち上げました。マンガだけでなく、エッセイやインタビュー記事も掲載するとのことです。続報が気になります。
感想の伝え方って難しい!
ツイッター上で面白かったやりとりがクリエイターへの感想の伝え方です。日本でも「尊死」(尊すぎて死んでしまう)という言い方もありますが、どうやら英語圏でも「好きになりすぎて辛い」という言い方があるみたいですね。母国語ではない言語でのやり取りには注意したいです。
あと、クリエイター側は、ほかの言語で褒められたりしたらストレートにお礼をいうのがいいようです。
追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。
Webtoonの話題が多いですが、個人的には紹介されていた、「漫画とデザイン展」にはいってみたいと思います。私はもともと小説や演劇が好きなこともありマンガを構成するもののなかでは「物語」が一番好きなのですが、マンガのプロダクトとしての完成度を一段と引き上げている要素のひとつ、その物語をより魅力的にしているデザインだと思っています。それがまとめた楽しめるいい機会ではないのでしょうか。
今週は以上です!
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