自分のオカネを資産と負債で考える『誰も教えてくれないお金の話』


『誰も教えてくれないお金の話』(うだひろえ氏、監修 泉正人)

マンガ度 ★★★

オカネ・経済がわかる度 ★★★

リアリティ度 ★★★

メガネ度 ★

【あらすじ】

イラストレーターのうだひろえさんによる、オカネにまつわるコミックエッセイ。イラストを描く仕事をしつつ、お連れ合いが始めたカフェバーを手伝う毎日。節約を心がけているものの、ある日必要な支払いが口座から出来ないことが気がつく。「一体どうしたらオカネがたまるのか」を考え始め、オカネとの付き合い方を学んでいく。

【オカネポイント】

「収入から先に貯蓄分を取り分けておく」「無駄な固定費を見直す」「家計のバランスシートをつける」「分不相応な支出は控える」「ローンの返済額は手取り月収の2割」ーーこれらはいずれもすごくベーシックなオカネとの付き合い方。でも意外に知らない人が多く、うださんもそのひとりでした。うださんの学びとともに、読者も一緒にマネーセンスを身につけることができます。もちろんマネーセンスに自信がある方は、チェック代わりに使ってもいいでしょう。

このマンガの示すマネーセンスの特徴は、「自分の持っている財産を資産と負債に分けて考える」こと。作中では、カフェ経営という自営業者の資産についてですが、別にこれは個人に当てはめてもいいものです。

財産を資産と負債に分けるというのは、企業会計の分野でバランスシートと呼ばれるものを作ること。よく「家計の考え方を企業経営や国家の財務管理に当てはめるのはよくない」とはいわれますが、企業会計の考え方をわかる範囲で家計に取り入れるのはありでしょう。どちらも、オカネの入りと出を管理し、出て行ったオカネは何になったのかを記録しておくのですから。

また作中で著者は、資産と負債のイメージを紙で書いたり、支出管理をペットボトルに目的別にレシートを入れたりするなど、アナログでやっていました。もちろん手を動かすことでより意識できるというメリットがあります。

でも今、これらの管理はすべてアプリひとつでできます。しかもクレジットカードなどと連携させれば、支出項目を入力する必要もない。(私はマネーフォワードを使い、すべてをカード払いにして自動連係しています)なんとも便利になったものです。

なお監修の泉正人さんは、日本フィナンシャルアカデミーという「お金の教養を学ぶ」学校を経営されています。その点で、解説は信頼が置けるものとなっています。

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