結婚後の家計運営のヒントがある『逃げるは恥だが役に立つ』
『逃げるは恥だが役に立つ』(海野つなみ氏)
マンガ度 ★★★
リアリティ度 ★★
オカネ・経済がわかる度 ★★★
メガネ度 ★★
【あらすじ】
大学院卒の森山みくり。派遣切りにあって求職中のところ、父親の紹介で独身の会社員、津崎平匡の家で家事代行として働き始める。快適な労使関係を築いていたものの、みくりの実家が引っ越しを決め、あわや退職の危機に。現状を維持したい2人は、就職としての結婚、つまり契約結婚を結ぶことを決める。大人に対し、結婚や愛情とは何かを突きつける一作。
【オカネポイント】
星野源さんと新垣結衣さんの出演、脚本・野木亜紀子さんによってドラマにもなった作品。愛情ではなく契約でつながった2人が、同じ家で生活するなかで徐々に愛情を育てていくという恋愛・結婚マンガとして秀逸です。
同時に、オカネ特に労働の対価としての金銭や家計管理という点でも考えさせられることがつまっています。
ひとつは、みくりが商店街の青空市の企画にかかわったときの対価。「友達のお手伝いだから無償OR割安で」という提案に対し、もやもやするみくり。特に企画という仕事は、目に見えにくく、原価や何をするのかなどがわかりにくい。
結局みくりは割安で引き受けます。「絶対無料ではやらない」「割安ならそれにみあった時間で」と考えるみくりはみならいたいです。
もうひとつはみくりと平匡さんの生活資金について。
暮らし始めたときは「家事代行」としてオカネをもらって仕事として掃除・洗濯・料理をしていました。でも、心が通じ合って入籍するとなったら、「オカネもらわずやるのか」ともやもやし始めます。・・・家事労働の対価というのは永遠の課題です。これにも平匡とみくりは、「お互いできることを少しずつ広げる」「やってもらったら感謝」という方法で解決策を見つけます。
平匡さんは結婚後みくりに対し「共同最高経営責任者です」と告げます。そして家庭内で発生するいろいろなもやもやを、定期的な会議で解決していくーー仕事のようでドライに見えるかもしれませんが、会議のたびにお互いの理解が深まっていく様子は素敵です。ぜひ、結婚後の家庭運営・家計管理の参考に。
参考記事
※過去に別のところで私が書いたコラムです。
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