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完結済みの2作品を有料マガジンに生まれ変わらせてみた

 いやまあ普通に考えて、元々は書店やら電書ストアやらで有償販売してた作品をタダで何年も公開し続けてたってのは頭おかしいんちゃうかと言われても仕方がない蛮行なんですけどね。しかも文庫本換算で6~8冊もの分量をだよ。
 ここまで来ると大安売りとかのレベルじゃない。狂気の沙汰だよ。自分で言うのも何だけど曲がりなりにも商業作家の経験がある者としてあるまじき態度としか言い様がないよな。
 
 まあ、やっちまったもんは仕方がない。正気に戻っただけ良いとします。そもそもざっくり四年間どこからも怒られなかったのが問題なんだ。この状況を放置していた皆様方にも責任があるということでひとつご勘弁下さい。責任転嫁とか言うのは禁止です。
 

 
 さて。
 
 no+eのシステム上、この記事を見てはじめて〔コヲロコヲロ〕と〔サイズミック・エモーション〕のことを知ったという方もいらっしゃるかと。すなわち貴方様は両マガジンをご購入いただけるかもしれないお客様候補です。
 僭越ながら、それぞれの作品について、作者であるワタクシめから簡単に説明をさせていただきますね。
 
 
 まずは〔コヲロコヲロ〕から。

 企画立案は2010年。某大手出版社の某ライトノベルレーベルから刊行される予定だったんですが、作品の方向性について担当編集氏とモメた上に見放されてしまったために、2015年、自前でリリースすることになりました。
 当時はちょうど電子書籍の黎明期で、出版社を介することなく著者が読者へ作品を直接届けられる時代が来たとか、今後は従来型の出版スタイルが駆逐されてこれがデフォになっていくんだとか、いろいろと威勢のいい謳い文句が飛び交ってたんです。なのでその可能性に賭けてみたんですが、実際には電子書籍による個人出版からヒットを飛ばすなんて地下アイドルがドームに上り詰めるのと同レベルでほぼ無理ゲーだということが判明しただけでした。とはいえインディーズ出版という括りで見ると本作は確実に成功した部類に入るので、著者としてはそれなりに満足しております。
 ジャンルとしては〔伝奇バトル〕とか〔ガンアクション〕とか〔押しかけ女房もの〕とか〔男女バディもの〕とか、そういう感じになりますかね。これらのワードに心惹かれた方は無償で公開されているお試し分に目を通していただいて、興味があったらマガジンの購入をお願いします。
 
 
 次に〔サイズミック・エモーション〕。

 こちらは企画原案レベルで2003年、もうずいぶん古い作品になりますね。角川書店(当時)のスニーカー文庫編集部とやりとりしながら生まれた作品なんですが、そこでは結局リリースに至りませんで。下って2006年、リーフ出版のジグザグノベルズという新興レーベルで書籍化することになりました。ここでは当時まだ珍しかった「作品をWebで公開して、人気投票の結果によって書籍化を決める」という企画が動いてたんですよ。懐かしい。

 著者名の〔こちふかば〕は、ワタクシこと永元千尋と同一人物なのでご安心ください。なにぶん20年近く前のこと、ペンネームのひとつやふたつ変わって当然というものです。
 ご覧のとおり、当時刊行された書籍版がめっちゃ安い。no+eのマガジンを購入するより古本でゲットしたほうがお得だという考え方もございましょうが、この書籍版、新書サイズの二段組なので大層読みにくいんですよ。いっぽうno+e版は2020年の僕がそこそこ手を入れた改訂版であるうえ、書籍化された物語の続きになる読み切り短編までマガジンに同梱されているので、今読むならもうno+e版の一択でしょう。つうか中古本がいくら売れても著者たる僕の懐には一銭も入ってこないのでゲフンゲフン。
 ジャンルとしては、書籍版の裏表紙に「ハートフルサイキックアクション」とか書かれてたような記憶があるんですけど……これは正直よくわかりませんね。現代でも通じるように言い直すと〔超能力をめぐる超国家的陰謀〕とか〔女の子同士の友情もの(ほんのり百合味)〕とか〔中央官庁を舞台にしたお仕事もの〕なんて感じになるんでしょうか?
 まあ、基本的にはキャラがツボに入るかどうかが勝負の作品なので、まずは登場人物紹介を見ていただいて「わりと好みっぽいな」と思ったら買ってみてください。マガジン代の300円は決して高くはないと思います。
 

 
 というわけで、有料マガジンを作ってみた話、おしまい。
 どちらの作品もいまさら売れるかどうか果てしなく謎ですが、広い世界には興味をもって下さる方がきっといると信じています。
 
 あと、新作の用意も頑張って進めます。
 もうちょっと、もうちょっとでスタート切れそうなんや……!

2024/08/14

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