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ガイアの夜明け『ニッポンの食 負けられない戦い!』を見た感想

■エンジニアの世界は月の法善寺横丁なのか

私はITのエンジニアを生業としている。
昔、プログラマという看板があれば、どんな業界・どんな業種をクライアントに持っても、どこでも通用するという幻想を抱いていた。
バックグラウンドミュージックとしては、”包丁一本さらしに巻いて”というテーマ(月の法善寺横丁)である。

実際に古い世代のエンジニアの方の中には、管理職になるまで(エンジニアとして独り立ちするまで)、結婚を認められないような世界観の中で、必死に腕を磨いた方もいらっしゃるのではないだろうか。
※実際に私は22歳の頃に、当時の交際相手と結婚をする話を職場の上司にしたところ、『リーダー(最低限チーフ)に昇格するまで結婚は認められない。なぜなら、ここではそういうルールだからだ。』と言われ、結婚を諦めた過去がある。

コンピュータが登場して以来、100年すら経過していないのだが、爆発的な進歩を遂げたが故に、生み出された技術や、それを支える人の営み(文化)が、無数に量産されたのが、この数十年の出来事である。

単にITのエンジニアと言っても、現代では様々な職種が存在する。よってさまざまなスキルを多彩に操る事が求められ、今の時代は”包丁一本さらしに巻いて(月の法善寺横丁)”が通用しない時代になっている。

■料理人を引き合いに出して説明するシーンは割と多い気がする

私は時々、ITのエンジニアを、料理人と対比的にとらえる事がある。
どんな時かというと、料理人の世界をたとえに、エンジニアの世界を説明する事で、抽象度を高め、万人向け(特に経営者に対してわかりやすく)に説明するシチュエーションである。

一番わかりやすい所で言うと、

(問)インフラエンジニアと、アプリケーションエンジニアの違いは何か?

である。

回答から先に言うと、

・インフラエンジニア:
  [ミドルウェア][OS][ハードウェア]が守備範囲である。
・アプリケーションエンジニア:
  [アプリ]が守備範囲である。

(注)実際には、アプリケーションエンジニアであっても、ミドルウェアやOSに詳しいエンジニアがいたり、インフラエンジニアでもアプリも対応できるエンジニア(通称:フルスタックエンジニア)もいたりするので、明確に区別できるものではない。

ちなみに、コンピュータシステムとは、以下の4つの領域で構成されていて、上に行くほど高レイヤ、下に行く程低レイヤと呼ばれたりもする。
つまり高レイヤを担当するのがアプリケーションエンジニアで、低レイヤを担当するのがインフラエンジニアという事になる。

①[アプリ]
②[ミドルウェア]
③[OS]
④[ハードウェア]

しかし、この違いの説明は、非エンジニアには全く通用しない。
何故なら①~④を区別できないのが、非エンジニアである為だ。

ではそのような場合に、それがわからない人に対して説明する為に利用するのが、みんな大好き”抽象化”である。

たとえば、

A.中華料理の職人 B.日本料理の職人

という、A or Bを引き合いに出して説明する。

  『中華料理の職人と、日本料理の職人は、得意分野が違う。 確かにお互いに料理には精通しているから、基本は体得していると思う。 なので、中華の職人だって、寿司を握ろうとすれば握れるだろう。 だけど、日本料理の職人程うまくはいかない。 何故なら、中華料理の職人は日本料理の職人と違って、日本料理の専門家ではないからだ。 だから、同じことをしたとしても、全くアウトプットが違ってくる。よって結果(売上)も全然違ってくるだろう。』

のような説明をした上で、

 『で、エンジニアの世界にも同じことが言えると思う。 中華料理の職人を、インフラエンジニア、 日本料理の職人を、アプリケーションエンジニア それぞれを置き換えて考えてみるといい。これでなんとなく違いわかるかな?』

のような、具体と抽象を行き来する感じで説明すると、なんとなくわかってもらえる。(わかってくれていると思いたい)

■本題:この説明で本当に良いのだろうか

さてさて、本題はここからなのだが、

 『本当にそうだろうか?(本当にこの説明で良いのだろうか)』

という話である。(これまでの話を全部覆すようで恐縮だが・・・)

うまく言語化できていないのだけど、なんで急にこんな話をしているかというと、ガイアの夜明けで「ニッポンの食 負けられない戦い!」を見たからだと思う。

わかりやすい説明方法だと感じてやっていたこれまでの説明に、無理があるような気がするんだよな。そもそも料理人に対するリスペクトが感じられない。なんか色々問題があるような気がしている。

インフラエンジニアと、アプリケーションエンジニアの違い。
非エンジニアに対して、皆さんならどのように説明しますか?



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