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キングオブコント2020ファイナリスト決定!

キングオブコント2020のファイナリスト10組が発表されたので、決勝に駒を進めたコンビ・トリオについてや決勝当日の内容について書いていきたいと思います。

今年の大きな変更点としては、「お笑いの日」と題した8時間の特番の中にキングオブコントが組み込まれる形式になるということ。KOCはこれまでも視聴率対策としてのテコ入れを何度か行ってきましたが、今回のはなかなか良いんじゃないかと思います。

2013年までのKOCは「審査員が準決勝敗退の芸人100名」「ファイナリスト8組」「全組2ネタ披露」という形式で定着していましたが、徐々に視聴率が下降し、2014年にテコ入れとして採用されたのがトーナメント形式でした。ファイナリストの数も10組に増え、1回戦は2組ずつネタをやり、面白かった方に投票。勝ち上がった5組が最終決戦に進み、今度は一騎打ち形式で最後まで勝ち残った組が優勝。この年は個人的にめちゃめちゃ面白くてDVD購入したほどだったんですが、視聴率は1桁に沈んでしまいました。

そして翌年の2015年には更なるテコ入れとして準決勝敗退芸人による審査形式を廃止、松本人志、さまぁ〜ず、バナナマンの5人を審査員に起用、最終決戦に進んだ5組の中から優勝者が決まる形式でした。イッテQの裏での放送にも関わらず視聴率的には15%という大成功。しかし大幅なルール変更によりそれまでのKOCの空気感が好きだったお笑いファンからは反発を受けます。

しかしそれでも視聴率を維持することは難しく、2017年大会はかまいたち優勝、にゃんこスター爆発、さらば青春の光カムバック、アンガールズ参戦など充実の内容だったにも関わらず再び視聴率1桁に。

そこで採用されたのが決勝当日まで誰がファイナリストかわからないシークレット制度。これに関してはファンのみならず芸人からも不満の声が漏れ伝わってきました。ファイナリスト発表の時点で仕事が増えることもあるのに当日発表では優勝者以外ファイナリストの恩恵が受けられない、というのがメインの理由のようです。しかし彼らの声に反して視聴率は2桁に回復。翌年もシークレット制度は採用されましたが、結局視聴率は1桁に。

KOCがなぜこんなにテコ入れを繰り返すのかと言えば、賞レーステコ入れの一番の有効手段である「敗者復活」が使えないからだと思います。事前に発表されてるファイナリスト以外が決勝に上がってくる敗者復活枠は番組の盛り上がりに貢献した実績があり、サンドウィッチマンやトレンディエンジェルはこの枠から優勝、オードリーは優勝は逃したものの敗者復活の勢いで大ブレイクしました。

R-1も一時期KOC並みにテコ入れを繰り返していましたが、敗者復活枠3つという制度を採用してからは安定しています。

ではなぜKOCは敗者復活制度を採用しないのか。コントは漫才と比べて事前準備がかなり大変です。衣装、メイク、照明、音響、カメラ割。かなりの要素がネタの出来に関わってきます。漫才だったら急に出番になってもなんとか対応出来ますし、最近のM-1に至ってはネタ順を本番中にくじで決めるというストロングにも程があるスタイルを採用してます。

こういった理由からコントは賞レースでやる上で不利な点が多い。本来なら2013年までの旧ルールで行けたら一番良かったんですが、テレビで放送してる以上、視聴率重視になってしまうのは仕方ない。それにより最終的にシークレット制度というモンスターを生み出してしまったわけですが、今年は廃止されたので良かったです。

“「お笑いの日」という大型特番のトリを飾る”と言えば聞こえは良いですし、今年は視聴率もそこそこ獲るのでは。あと「KOC、M-1と比べて盛り上がらない問題」ですが、これは大阪のABCと東京のTBSだったらお笑いに対するスタッフの熱量もそりゃ違う訳で。ABC及びテレ朝にはたくさん芸人の出る番組がありますが、TBSはドラマに強い局であり、お笑いはどちらかというと苦手(あらびき団、水曜日のダウンタウン、有田ジェネレーションみたいな異様に尖ったセンスの番組も生み出してはいますが)なのでファイナリストの出る番組が少ないというのも原因の一つかなと思います。何はともあれ今年は例年より盛り上がりそうで楽しみです。

最後にファイナリストについて。

ザ・ギース

→2004年結成
→2008、2015、2018決勝進出
→準決勝進出回数11回

今回の中で最年長でありKOC決勝経験も豊富なコンビ。初めてオンバトで見たときはポストラーメンズを思わせるオシャレコント師のイメージでしたが、尾関さんがアメトーークに広島カープ芸人として雛壇出演したり、高佐さんがキャラを付けるためにハープを習得したりと意外と泥臭く笑いを取りに行くコンビでもあります。凝った設定のネタをするので、わかりやすさ、爆発力を重視する近年の決勝審査との相性は良くない気がしますが、今年は衝撃的なネタがある様子。でもゴールデンで出来るのか?w

ジャルジャル

→2003年結成
→2009、2010、2019決勝進出
→準決勝進出回数13回

YouTubeに毎日コントを上げ続ける言わずと知れたコントの申し子。実力から言えば毎年決勝に上がっててもおかしくないですが、一時期はM-1に力を入れていたのもあってKOC決勝からは遠のいていました。去年久々の決勝でしたが福徳さんが足の指を負傷したため本来やるはずだったネタが出来ないという悲運に見舞われます。これだけ有名で未だに優勝レベルの新ネタを用意出来るのは本当に凄い。個人的には2010年決勝で披露した「おばはん」ばりかそれ以上のインパクトのコントを期待します。

ジャングルポケット

→2006年結成
→2015、2016、2017決勝進出
→準決勝進出回数11回

ここもこれだけテレビ出ててまだ勝負ネタが作れるのか!という事実に驚く。チョコプラですら今年は出場しなかったのに。このトリオはテレビ映えするのが強みなので、決勝当日に一番力を発揮すると思います。

GAG

→2006年結成
→2017、2018、2019決勝進出
→準決勝進出回数12回

準決勝イチウケでも決勝に上がれないという苦しい時期を乗り越え今ではすっかり決勝常連トリオ。トリオというとじゃない方みたいな人が1〜2人いるものですが、GAGは3人とも個性的。宮戸さんが女性役を演じる恋愛コントを近年は十八番にしていますが、今年の2ネタは恋愛が絡まないネタみたいです(自分はそっちの方が好き)。KOC常連組は年々成績が下がってしまう組が多いですが、GAGは出るたびに順位を上げていて、去年はジャルジャルと同点になった結果投票で負けるという悔しい思いをしてるので、今年こそは3位以内に入って願わくば優勝して欲しいです。

うるとらブギーズ

→2009年結成
→2019決勝進出
→準決勝進出回数5回

オリラジ、はんにゃなどの華やかな同期を横目に粛々とコントを作り続けてきたザ・職人。去年はトップバッターにして準優勝。周りに勢いのある若手や知名度のあるベテランもいる中での2年連続決勝進出は確固たる実力の証明。ジャルジャルGAGと並んで優勝候補だと思います。

空気階段

→2012年結成
→2019決勝進出
→準決勝進出回数4回

空気階段とKOCといえば、2018年に「クローゼット」「電車」の強ネタ2本で準決勝敗退の事実がお笑いファンの間で語り継がれています。去年決勝最下位になったこともあって、「あの時決勝に上がっていれば...」と感じているファンは多いことでしょう。水曜日のダウンタウンの企画「キングオブすれ違いコント」でも素晴らしいネタを披露していたので期待。去年の「コントのある世界に生まれてきて良かったです」に続くかたまりさんの名言が出るかにも注目w

ニューヨーク

→2010年結成
→初決勝
→準決勝進出回数4回

昔からこのコンビを知っている人は「やっと来たか」と思ったはず。漫才もコントもこなす両刀使いでMC、大喜利、演技どれも高水準、ルックスも良く、出始めの頃はお笑いファンの誰もが将来を期待しましたが、賞レースの結果には恵まれず、ブレイクのきっかけが掴めないまま霜降り明星などの下の世代が台頭し始め最早これまでか...と思った矢先のM-1決勝進出。再び息を吹き返した姿に安堵しました。本来はコントの方が得意なので、M-1のリベンジを果たして欲しいです。とりあえず最下位は無いはず!w

ロングコートダディ

→2009年結成、2013年再結成
→初決勝
→準決勝進出回数2回

初めて見たのはTHE MANZAI2014認定漫才師お披露目スペシャル。凄く独特で面白いネタするコンビだなーと印象に残っていました。大阪のよしもと漫才劇場に所属するコント師という厳しい環境の中気を吐く貴重なコンビなので、応援したくなっちゃいます。他のファイナリストが濃いメンツなので埋もれちゃわないか心配ですが、これを機に東京のネタ番組にもバンバン出て欲しいです。

ニッポンの社長

→2013年結成
→初決勝
→準決勝進出回数3回

ロングコートダディ同様よしもと漫才劇場に所属するコント師(初めて見たのはM-1の予選だったけど)好みは分かれるけどインパクトのあるネタをするイメージです。ここは「決勝でやったら絶対爪痕残す」と言われている〇〇〇〇〇〇のネタを見れることを期待しています。

滝音

→2016年結成
→初決勝
→準決勝進出回数2回

今年のダークホース枠。つい先日ABCお笑いグランプリで初めて見たと思ったら(しかも漫才)もうKOC決勝とは本人達が一番驚いているのでは?wこちらも漫才劇場所属ですが、前2組と違ってコントのイメージが無いので未知数で楽しみです。

今年は常連組(しかも微妙に出場年が違う)強し、吉本強し、漫才劇場がんばれな選出。見た後に「今年面白かったー!!」となる大会になって欲しいです。

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