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【市役所の仕事】選挙事務編∶国の選挙もね

菅さん、総理大臣、辞めるみたいですね。一気に自民党総裁選挙で人気投票してから、衆議院議員総選挙になだれこみそうな気配です。

選挙といえば、次の総理大臣は誰か~、次の衆議院議員は誰か~、という話題が注目されていますが、市役所職員にとっての関心は、少し違います。


市役所の職員、いわゆる地方公務員は、普段の仕事は市議会がある以上、政治っぽい活動には巻き込まれてしまいますが、選挙運動に加わることはできません。

日頃お会いすることの多い、お付き合いのある議員さんでも、選挙応援はできません。


誰が総理大臣になるのか、衆議院はどうなるのか、という話題も一国民として多少は気になりますが、それよりも職員が気になるのは、

いつが投票日なのか?」です。


地方の議会選挙や市町村長選挙は、任期満了時に行われるので、だいたい半年前くらいには日程はわかりますが、直前までわからないのが、衆議院。

衆議院解散ーーーー総選挙やるでーーーーー!となれば、1ヶ月ちょい先の投票日が決められます。それくらいギリギリじゃないと決まりません。


選挙の事務をするのは市役所の職員で、投票日が決まればその週末の土日は出勤確定です。

だいたい投票日の2週間前から期日前投票が始まります。

その事務も私たち市役所職員の仕事です。期日前投票所に毎日交代で朝から晩まではりつきます。

投票当日の日曜日は、
朝6時半集合、
夜8時までの投票事務、
夜8時きっかりに投票所を片付けて、
投票箱を開票所まで運んで、
開票所で開票して、
夜中に開票所をお片付けして終了という仕事でつぶれます。


選挙管理委員会事務局に配属されようものなら、その前から選挙お知らせ券を印刷したり、立会人を選んだり、マニュアル作ったり、選挙ポスター掲示板を設置したり、候補者に説明したり、職員の動員を手配したり、経過や結果を報告したり公表したり、選挙啓発ティッシュ配りしたり、数え上げれば止まりません。


なので、選挙があるとなれば、市役所は選挙管理委員会事務局を中心に、投票日の数週間前から修羅場と化します。


投票に行ってみるとあっけないほど簡単にすぐ終わる、シンプルで原始的な投票だと感じられることでしょう…

ネットでアンケートになれているデジタル世代には、わざわざ投票所にでかけるって、やっぱり面倒でしょう。マイナンバーがスマホに搭載されればネット選挙も実現可能です。

とはいえ、デジタルリテラシーの低い高齢者が世の中の投票の主流であるうちは、日本ではまだまだ先、未来の制度かな~?


投票所では、市役所職員が、中3の公民で習ったような、「一人一票」「投票の秘密」「本人の意思」を、本気で真剣に実行しています。


私は投票所の責任者になることが多いのですが、そこで投票事務に従事するみんなにしっかり伝えることは…


何かあったらすぐ止まる。
目はよく働かせる。
速くなくていい、待たせたっていい、名前のフリガナを読み間違えたっていい、そんなことで怒る人がいたら、私が謝る、気にしない。
絶対に正確な選挙、しよう。

一人でも間違いがあったら不祥事、新聞記事、謝罪の記者会見、一生言われるで。(真顔)


市役所職員は、普段は仕事が少ない方が嬉しいのですが、投票率は高い方が嬉しいです。選挙にはぜひ足をはこんで投票して参加して欲しいと思います。

投票率が高いと言うことは、それだけ議論があった結果ということで、世間の気持ちがよくわかります。

勝てば官軍、そもそも私たちが官軍(笑)

ならば、支持率が高い方が安心して行政運営できるというものです。


選挙事務に関する、あるあるエピソードを一つ。

投票日の夜8時。投票箱にカギをかけて、投票箱と一緒に開票所に向かう車の中。「○○○さん、当確です!」というニュース速報が聞こえてくると、なんだか変な気持ちです。

私の投票区の投票用紙、ここにあるのにねー。

1票も開票してないのに、当確かあ。

・・・

思うけど、とにかく汗だくで、戦場と化した開票所に投票箱を持って駆け込みます。

開票終了時刻という速さや不祥事件数という正確さ、各市町村で競争させられてるんです。

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