
家族が見てきた地元・横須賀での顔と挑戦と覚悟を持って立つ仕事の場所・東京の顔。両面を見せる八村倫太郎にとって初の写真集『record』が完成
2019年、大学2年生で飛び込んだ芸能界。大学を卒業し、音楽活動と役者としての活動に全てを傾けてきた2022年から大きく飛躍を見せてきた八村倫太郎が、自身初めての写真集『record』を発売する。自身を育くんできた地元・横須賀と東京での表情で彼のオンとオフの二面に迫る一冊について、そして声出しOKとなりますます盛り上がる音楽活動についても聞く。

■2023年後半は熱い音楽活動が待っている!


——昨年はダンスボーカルユニットWATWINGだけではなく、ドラマ「君の花になる」から誕生したユニット8LOOMとしての活動もありました。ご自身が演じる一ノ瀬栄治としての音楽活動はいかがでしたか?
八村 歌に関しては「お芝居」として向き合ってはいなかったので、それぞれの楽曲を「歌」として届けているという意識で臨んでいましたし、やはりステージでパフォーマンスについては自分自身の戦場でもありますから、お芝居に囚われずに8LOOMの曲をしっかり届けようと思って歌っていました。それにWATWINGでは出会えない楽曲でしたから、僕自身の表現を広げてもらえた機会となりました。
——そのWATWINGは今年8月にメジャー1stアルバム『Where』をリリースされます。今のお気持ちをお聞かせください。
八村 アルバムはシングルとは違って収録できる楽曲も多いですし、アルバムだからこそ挑戦できる曲もあるんですよね。「WATWINGの音楽」の幅を広げるものですし、いろいろな引き出しを見せられるからこそWATWINGの新たな可能性を感じてもらえると思います。今、アルバムを準備している真っ最中なので、とにかく制作が楽しいです。いろいろなタイプの楽曲でさまざまに表情を出せますから、制作作業を通して自分でもまだ気づいていなかった自分に出会っている感覚です。
——今年の下半期は音楽活動で大忙しの予感の八村さん。8月にはパシフィコ横浜でのワンマンライブ!
八村 僕らはコロナ禍の最中にデビューをしているので、お客さんの声を聞いたことがなかったのですが、春にファンクラブツアーをやらせてもらったときに初めて声出しが解禁されたことでの感動はひとしおに強かっです。会場が大きくなるので、自分たちのパフォーマンスももっと大きくしていかなければいけないと思いますし、秋にはツアーもあるので、ライブハウスでの熱いライブもすごく楽しみです。

■テーマは無意識的に存在していた八村倫太郎の“二面性”


——音楽活動も盛んですが、役者としても成長著しい八村さんが写真集『record』を発売します。制作が決まったときにはどのようなことを考えましたか?
八村 出せるのか!という驚きが最初にありました。俺で出せるのか、と。写真集を出せるなんて夢にも思っていなかったので、ありがたい気持ちはあったものの、大丈夫だろうかと不安な気持ちの方が勝っていました。ただお話をいただいたときに、地元・横須賀と東京との二面性をテーマにしたい、という言葉に共感を覚えました。もともと私生活でも感じていたことだったので、テーマと自分自身とがすごく繋がりましたし、そのことにびっくりもしました。それもあってイメージもしやすく、形にもなりやすかったように思いますし、打合せはワクワクしました。いろんな写真を持ってきてくださって、「こんな感じにしたい」とか「おしゃれでいいですね」「自分がやるならこういうテイストがいいですね」と意見を交わし合って、僕の要望やアイディアも聞いてくださいましたし、どんどんイメージが実体になっていくのは楽しかったです。
——「東京と横須賀とでの二面性をそもそも感じていた」とのこと。どういった意味で感じていたのですか?
八村 僕が感じていたということではなく、家族からよく言われていた言葉です。家に帰ると気が抜けた顔をしていたのか、よく「その顔で大丈夫だったの?」って言われたんです。地元に帰るとそれだけでリラックスするみたいで、僕は全然意識はしていなかったんですね。でも東京に戻るとひとつまた違う自分になっているみたいで。どういう顔なのだろうか、と自分でも疑問に思っていたことが今回の写真集で結びつきました。そのおかげでより一層、表情の違いを意識して撮影に臨むことができました。
——その写真集の撮影での面白かったことを教えてください。
八村 横須賀での写真に実家で飼っているわんこがゲスト出演しているのですが、うちのかあちゃんがいないとダメな子なんです。母がいるのに僕が抱っこしているという状況さえ我慢できないくらい母大好きで撮影にならなくなっちゃって(笑)。撮影現場に連れてくるためには母がいないとダメだけど、撮るためには姿が見えていたらダメ。だから撮影では母には隠れてもらったのですが、しばらくは僕に抱かれているのにこの世の終わりみたいな顔をして母を探すんですよ。不安すぎて震えているので「いやいや、俺もいるけど?」って気持ちになっちゃいました。10分ほど過ぎてやっと諦めたのか「もうわたしにはあなたしかいません」みたいなテンションでやっと懐いてくれて撮影をしたんです。撮影が終わって母が顔を見せた瞬間、ボーン!って猛烈ダッシュする姿を見たとき、撮影は楽しかったのに心が折れました(笑)。


■これが横須賀での顔。そして東京での顔。初めて目の当たりにした思い。


——そうして様々な場所で撮影をされた一冊の中でのお気に入りショットを教えてください。
八村 皮肉なことに、そのわんことのショットです(笑)。撮影前と撮影後の寂しさはあったけれど、一緒にいる瞬間を収められたことが嬉しかったです。たぶん家族が見ている僕はこのわんことの写真のような顔だと思うんです。作品を通して出てくることのない表情ですし、それを写真集という大切なもので出せたことが嬉しいです。この撮影以降、より自分の表情について考えるようになりました。そういった意味での成長のきっかけとなった写真だと思っています。
——写真になるまで気づかなかったご自身はいましたか?
八村 今回限定版と通常版として表紙を2パターン出すのですが、どちらも無表情を撮ったんです。横須賀と東京。それぞれの場所でのなんの変哲もない表情だけど、立っている場所、意識が違うから、全然違う顔になっている。実際に写真で見て自分でも驚きました。
——ではこの『record』を購入するみなさんへメッセージをお願いします。
八村 「僕は八村倫太郎です」と名刺がわりに出したい、と思いながらこだわって作りましたし、そう言い切れる作品になりました。写真集を出せるのはみなさんの応援のおかげですし、みんながいてくれるからこそ出来ることだと思っています。本当にありがとうございます。ここには今までの僕のすべてが入っているので、『record』を通じて僕の人間的な部分に興味を持ってくれたら嬉しいですし、「八村倫太郎ってこういう人なのか」と知ってもらいたいです。ぜひ手に取ってみてください。満足以上の想いを感じていただける一冊です。
【リーズンルッカ’s EYE】八村倫太郎を深く知るためのQ&A
Q.この夏楽しみにしていることは?
A.車の免許を取ったので、遠出がしたいです。道中、好きな音楽を流しながら運転をして、窓も全開にして「うわぁ~!」と風を感じながら車を走らせたいです。せっかくなのでいろいろな場所に行ってみたいですが、目下の目的地としてはできれば貸し切りサウナに行きたいです。湖にダイブするようなところがいいなぁ。そういうサウナに憧れでいます。夏のサウナがどんな感じなのかまだ体感したことがないので、今年はドライブしながらサウナに行きたいですね。
Q.英語が得意な八村倫太郎さん。英語が上達する方法を教えて!
A.僕は英語が好きなので、勉強をすることを続けられたと思います。そもそもは海外の文化に憧れがありましたし、洋楽が好きなので、歌詞を翻訳したくて英語を勉強しようと思ったことが英語を勉強するきっかけでした。その後に海外の人と英語でしゃべりたくなって、英語がしゃべれる人に憧れてまたさらに勉強しましたね。だから英語上達のスタートは「英語を好きになること」だと思います。


<編集後記>
横須賀といえばスカジャン!写真集で着用する衣装にはこだわったという八村さんはやはり横須賀でスカジャンを羽織りたいという想いは強かったのだとか。ストリートファッションや東京でのスタイリッシュもさることながら、スカジャン姿は横須賀を象徴しているな、と感じました。そして愛犬との撮影のお話がこの取材で一番の盛り上がりでした!
<マネージャー談>
WATWINGで一番のしっかり者。何事にも熱くて真っ直ぐで。そして愛に溢れている人。あと涙脆い笑
常に将来のこと、WATWINGのことを考えていて、毎日会うたびにずっと一緒に頑張っていきたいなって気持ちが高まります。笑
それはWATWING全員そうなんですけどね笑
裏話を話してください!とのオーダーだったのですが、マネージャーのWATWING、八村倫太郎への愛を語る場みたいになっちゃいましたね笑
裏話はなんだろうなぁ……
自分はコーヒーが好きなのですが、収録とかで演者用のコーヒーを用意していただけることがあって。
飲みたいなーという気持ちを押し殺して、そのまま帰ろうとすると、倫太郎が「あ、俺これ欲しかったんですよ〜」って言ってコーヒーを手に取り、帰り道に「欲しそうな顔してましたね笑」ってコーヒーをくれます笑
優しくて人の気持ちがわかる良い子です。

<撮影の様子はこちら!>
<写真集詳細>
八村倫太郎 1st写真集『record』
発売日:2023年7月28日(金)
価 格:3,080円(税込)
仕 様:B5判128ページ
撮 影:中野修也
発売元:株式会社ワニブックス
【プロフィール】
八村 倫太郎(はちむら りんたろう)
1999年7月28日生まれ。神奈川県出身。2019年、大学2年生のときにホリプロ主催の「Star Boys Audition」でダンスボーカルグループ・WATWINGのメンバーに選抜される。2020年1月デジタルシングル「Only One Life」でデビュー。以降勢力的に楽曲制作、リリースを重ねる。2021年ドラマ「ホメられたい僕の妄想ごはん」で俳優デビュー。2022年ドラマ「君の花になる」に一ノ瀬栄治役で出演。ドラマに登場する7人組ボーイズグループ8LOOMとして2022年9月から期間限定で音楽活動を展開した。現在FlowBackのREIJIと共にDJを務めるFm yokohama「ZERO-8」が放送中。WATWINGとしては8月22日にパシフィコ横浜にてワンマンライブを予定。更に8月30日にはメジャー1stアルバム「Where」リリーズ。そして11月11日から全国9ヵ所でライブツアーがスタート。

取材・文/えびさわなち
写真/松井綾音