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TUIでインストールできるArch Linux、ArchLabs Linux

Manjaro Linuxを開発環境としてからもう半年経ちましてArch Linuxの良さを享受している日々です。ただManjaroは系統としてはリポジトリは独自なので(もちろんAURパッケージは使えます)、真の意味での最新バージョンの体験は享受できないんです。私としましては別に最新である必要はそこまで重要ではないので、インストールがはるかに楽という理由でManjaroを選択していますが、ManjaroにはArchitectというTUIベースのインストーラーも用意されており、適宜カスタマイズしながらインストールすることができますが、TUIといえどもArch LInuxを普通にインストールするよりもかなり楽なので、本家Arch Linuxのリポジトリを使って同じようなディストリビューションって無いのかなと探したところ発見しました。それが今回紹介するArchLabs Linuxです。


ArchLabsとは

公式ページWikipediaによると、

ArchLabs Linux is an Arch Linux based distribution, influenced and inspired by the look and feel of BunsenLabs with the intermediate to advanced user in mind.

ArchLabsは前述の通りArch Linuxベースのディストリビューションで、BunsenLabsのルック&フィールにインスパイアされたとの記述があります。リリース履歴を見る限り構想としては2017年の1月なので、比較的新しいディストリビューションであることがわかります。今でこそTUIでのインストーラーを使う形ではありますが、リリース当初はCalamares(Ubuntuとかでよく見るインストーラー)を使っていたそうなのですが、おそらく不必要なアプリケーションなどが入ってしまうこと、ISOファイルの肥大化を招くなどの理由ですぐに今のインストーラーに変わったと思われます。

インストール自体はArch Wikiなどを参考にしていただければ比較的に楽に行うことができます。パーティションの分け方さえわかっていればあとはほぼ流れで設定するだけです。

環境

今回インストールしていくPCは前にショップインバースで購入したSONY VAIOです。以下にスペック詳細です。

Model: SONY VAIO VPCSB48GJ
CPU: Intel Core i5-2450M 2Core 4Thread
GPU: Intel HD Graphics 3000/AMD Radeon HD 6470M Graphics(VRAM:512MB)
Storage: SSD 256GB(たしか東芝のもの)
Memory:8GB(4GB*2枚)

特徴としてはパフォーマンススイッチという、GPUの切り替えが行えるスイッチがあり、SPEEDモードにした際にはRadeonが、STAMINAモードにした際にはIntel HDに切り替わるようになっています。まあWIndows使用時のみだけの機能だとは思いますが…

インストール

といっても仮想マシンに入れてるわけではないので、スクショは無いため文字だけの説明になります。

1.ネットワーク接続

ブートディスクを起動して、しばらく待つとArch Linuxでさんざん見たコマンドラインが。しかし、installerとコマンドを入力するとArch Labs Installerが立ち上がってTUIでインストールを進めていくことになります。
まず最初にフォントサイズとキーマップを選択してからネットワークに接続します。接続したいネットワーク(無線ならSSIDを選択してパスワード入力)を選択してBackを押します。

2.Prepare(パーティション関連)

基本的に1-7までの項目を設定します。最初にStorage managementからパーティションを設定するのですが、Arch Wikiの記事を参考にするのが良いでしょう。UFEI環境では最低限EFIファイルパーティションとbootパーティションとrootパーティションがあれば起動はしますので、変にパーティション分けに迷うぐらいならば、私としてはEFIパーティション用として512MB、boot用パーティションとして300MB、あとの残りは/rootパーティションとしてパーティショニングを済ませています。システムとしてはこれで動くので…

Mount Partitionsでは指示に従って、マウントを行っていきます。フォーマットはお好みに。私はext4を使用しています。また、今回はスワップファイルおよびパーティションは設定しないことにします。おそらく私の使用用途じゃスワップが必要になることはおそらく無いと思われるため。Arch Wikiでもメモリをちゃんと積んでいるならスワップは作らなくても良いと書かれているためその文言を信じることにします。

3.Prepare(その他)

Select bootloaderは指示に従ってどちらか選んでください。今回はGRUBを選択します。

あとは流れでインストールできる部分なので説明は割愛。私の環境ではWM/DEではCinnamonを選択し、Additional Packageでbuleman(BluetoothのGUIマネージャー),base-devel,git,noto-font,noto-font-cjk(これを入れておくと日本語が文字化けしなくなるはず),vim(私がなれているため。nanoもあります)を選択してインストールしました。
インストールが成功すると、設定した結果が出てくるので問題なければ再起動をします。

日本語入力とAURヘルパーの設定

インストール直後では使えないため、日本語が打てるように設定していきます。また、Manjaroとは違いAURヘルパーもArch WIkiの方法からインストールする必要があります。今回はmozcを導入します。

sudo pacman -S fcitx-mozc fcitx-configtool​

これで日本語入力に必要なパッケージを揃えます。

次に~/.xprofileに以下の文言を追記します。

export XMODIFIERS="@im=fcitx"
export XMODIFIER="@im=fcitx"
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export DefaultIMModule=fcitx

fcitxを起動してfcitx-configtoolを入力すると設定画面が開きます。そこから全体の設定タブに移動して、下部にある「Show Advanced Options」のチェックをオンにして、ホットキーの項目の中に「入力メソッドをオンに」の項目があるので、そこからホットキーを設定します。あとはシステムを再起動すると日本語入力ができるようになります。

次にAURヘルパーを導入します。今回ではyayをインストールします。manjaroではyayはcommunityリポジトリにパッケージに追加されているため、pacmanコマンドからインストールすることができますが、通常のArch LinuxリポジトリにAURヘルパーのパッケージが追加されることはありません。なので今回はmakepkg経由でインストールする方法を記述します。予めgitとbase-develが導入されていることを前提に話を進めていきます。

git clone https://aur.archlinux.org/yay.git

これでPKGBUILDファイルを入手できますが、カレントディレクトリ直下に作成されるため、作業用のディレクトリを作ってそこで以上のコマンドを打つことを推奨します。
クローンが成功すると、yayディレクトリが作成されているため、cd yayで移動してターミナルでmakepkg -siと入力すると自動的にyayをインストールしてくれます。

使用感

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使ってみた感じはCinammonって感じです。いやそれ以上の感想が思いつかない…

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neofetchで見たメモリ消費量。アイドル時では大体700MB前後でした。

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ちょっとYouTubeを流してからneofetchで見たときのメモリ使用量。あんまり時間が経ってないっていうのと他のブラウザなどを開いていないので思ったよりもメモリは使われていないと思うのですが、それよりもPCの発熱がひどかったなーっていう感想。諸事情でCPU周りの清掃ができなかったので…

あと細かいところではあるのですが、Cinnamonはデフォルトでスクリーンショット機能が無いため、gnome-screenshotパッケージをインストールする必要があります。あとは現在調査中なんですが、さっきYouTube流した際に音声が流れなかったので、これが端末固有の問題だとするとどの機種でもおすすめとは言えないかなあ。

最後に

正直Arch初心者にこれをインストールするぐらいならManjaroやEndeavourOSあたりを選択したほうが早いかもしれないと思ってしまいました。公式サイトでは中級者〜上級者に視野を絞っているのでまあ初心者におすすめすること自体がナンセンスなんだろうということなんでしょうか。
インストール自体は本当に簡単にできるのですが、その後使いやすいようにもっていくのが鬼門だと思います。どのディストリビューションでも言えますが…

ちなみに見出し画像はDEにDeepinを選択した際のデフォルトのデスクトップの画像です。Arch LinuxではDeepinは非推奨となってしまった(同じようにManjaroでも選択できないようになっている)今、ArchベースシステムのDE環境としてDeepinを簡単にインストールできるツールとして考えるとまあユニークと言えそうな気がします。別に私自身はDeepinを強く勧めようと思っている人間じゃないので適当なこと言ってます。

かなりの長文になりましたが以上です。久しぶりに長文&PCの記事書いたから書き上げるのに4時間ぐらいかかりました。あと実はネタ自体は去年の12月から書いてはいましたが、ネタがなくて今に至る…といった経緯です。

追記(2023/12/18)

久しぶりに調べてみたら2023/06/07のリリースで終了とのアナウンスがされていました

お疲れさまでした。


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