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アミュレット【詩】


  歌は吹かれて湿度と化した

  肥料は砕けたレリーフだった

  蔦の這う古びた家屋で

  分度器と糸車を磨く坑夫と

  共に思い巡らす誰かの祖先のこと

  誰の子孫でもない二人なら

  いっそ未開の海を渡ろう

  対を成さない二つの言葉を

  リースみたいに縒って腕輪に

  風化してもまた

  風化してもなお

  優しかった空の淡い飛跡を

  斜めがけの紐帯にして


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