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My-Mythology〜新しく綴りあげる神話の世界〜

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2020年6月の記事一覧

七夕 一書日

七夕 一書日

ひとつ、伝わりそこねたお話をこのおばばがさせていただきましょう。

昔々、遙かに遠い霞むような昔のことにございます。

牛頭天王を本地とする、素戔男尊と申します荒々しき御仁が天の国にやってまいりました。

遠方へ赴く前に姉の大日女尊にお会いになりたかったそうにございます。
田畑の安寧を司り、また神々の衣を作り上げる幡織り所をも管理しておったのが女尊にございます。

「そろそろ衣替えだわ、大変!」

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泰山に北辰尊星の桜吹雪を~note版~

泰山に北辰尊星の桜吹雪を~note版~

岱宗《たいそう》 夫《そ》れ如何《いかん》、
齊魯《せいろ》  靑《せい》 未《いま》だ了《をは》らず。
造化《ぞうか》は 神秀《しんしゅう》を鐘《あつ》め、
陰陽は 昏曉《こんぎょう》を割《わか》つ。
胸を盪《とどろ》かせば 曾雲《そううん》 生じ、
眥《まなじり》を決すれば 帰鳥《きちょう》 入《い》る。
會《かなら》ず當《まさ》に 絶頂を凌《しの》ぎて、
一覽すべし 衆山《しゅうざん》の小な

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無題

無題

暗行路は繁みし重葉
飛蚊はゆりかごの如し
森の者、日光掴みし月光の下
絶えざる美は燃える

創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」2話 200年後は孤独じゃなかった

創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」2話 200年後は孤独じゃなかった

1話のあらすじ

23世紀。火星自然創生コロニーを作った人類は、そこで生活を始めていた。ガーディアン・フィーリングという技術が発達し、さまざまな「意識」とコミュニケーションが取れる「コミュニ・クリスタル」という通信アイテムを使って、火星に滞在するひとびとはコミュニケーションを保つ。2話は、前回の記録者、16才の少女絵美に続き、そのボーイフレンドであるジョニーの記録。

2話

日時: 2222年2

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「星にまつわる作品」募集中 & 週報-vol.28-

「星にまつわる作品」募集中 & 週報-vol.28-

【お題企画】note神話部は七夕に向けて「星にまつわる神話・伝説・民話にインスパイアされた作品」を募集しています。締め切りは2020年7月8日24時。コンテストではなく、皆で作品をシェアして楽しむ企画です。奮ってご応募下さい!!

↓詳細はコチラをご覧ください↓

現時点でご投稿は2作品。僕も執筆中です。
ジャンジャンお寄せ下さい(о´∀`о)
お題企画の作品はいつもの週報ではシェアせず、応募期間

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〘異聞・阿修羅王6〙予見

〘異聞・阿修羅王6〙予見

 
 
 
 どれほど素気(すげ)なくされても、摩伽(まか)は須羅(しゅり)の元を足しげく訪れていた。

 懐いた犬のように纏わりつく摩伽を、これ以上ないほど冷たく須羅があしらい、懲りも諦めもせずにまた摩伽が纏わりつく──その繰り返しである。

 どうあっても変わらぬ摩伽のしつこさに痺れを切らし、終いには完全に無反応を決め込む方向へと転換した。だが、それでも摩伽は諦めようとしない。

 さすがの須

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〘新話de神話〙ポーラースターに届かない

〘新話de神話〙ポーラースターに届かない

 
 
 
 ポーラースター。

 それは、現在、主に北極星のことをいう。

 だが、本来は北極星のことだけを指しているわけではない。

 今現在、南極星として位置づけるに相応しい星がないから、主に北極星のことをいう、だけなのだ。

 ポーラースター。

 いつかまた、新たに南の宙にも現れるかも知れない。

 ポーラースター。

 それは、北の極星を指すと同時に、南の極星をも指すのだから。


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創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」1話 200年後は孤独じゃなかった

創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」1話 200年後は孤独じゃなかった

おはようございます。今日はいい天気になりそうです。

前置き

さて、新たに始まる未来日記によるこの一人称小説「ガーディアン・フィーリング **年後は孤独じゃなかった」は、今週の土曜から週一連載を予定していましたが。すでに2話までストーリーが完成し、早くお披露目したいのと、火星にちなんで、今日から毎週火曜に連載を始めることにしました。どうぞ、ご了承を。

それでは、サイエンスファンタジー風味な創作

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「星にまつわる作品」募集中 & 週報-vol.27-

「星にまつわる作品」募集中 & 週報-vol.27-

【お題企画】note神話部は七夕に向けて「星にまつわる神話・伝説・民話にインスパイアされた作品」を募集しています。締め切りは2020年7月8日24時。コンテストではなく、皆で作品をシェアして楽しむ企画です。奮ってご応募下さい!!

↓詳細はコチラをご覧ください↓

すでに作品を投稿してくださっている方もおりますが週報ではシェアせず、応募期間終了後にまとめ記事を出させて頂きます。



【今週の神

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〘異聞・阿修羅王5〙須羅と摩伽

〘異聞・阿修羅王5〙須羅と摩伽

 
 
 
 咲き誇る花の盛りも過ぎ、香る花の季節が訪れる頃。

「さっきから人の傍をうろうろと……一体、何用だ?」

 烟るように香る花の中、いつものように見回っていた須羅(しゅり)が足を止め、背後に問いかけた。

「……この距離で気づかれるとは思わなかったが……」

 頭をかきながら姿を現したのは摩伽(まか)であった。容易く気づかれるはずなどない、と確信出来る程度には距離がある。

「どれほど

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~神話・民話の世界からコンニチハ~ 13 世界の蛇エインガナさま

~神話・民話の世界からコンニチハ~ 13 世界の蛇エインガナさま

おはようございます。今日は梅雨の季節の貴重な青空になりそうです。

第十三回は、オーストラリアの先住民族、アボリジニの数ある部族のうちの一部に伝わる神話から。虹の蛇、世界の始祖の蛇と言われ、あらゆるものを飲み込み、そして体から出すことで世界の死と再生を司る女神の蛇エインガナさまのお話&エインガナさまの出産を助けた老人の精霊、バルライヤさんとのインタビューです。

今回のお話

それは世界の始まりの

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恒星シリウス、それはひとの道しるべ(詩歌)

恒星シリウス、それはひとの道しるべ(詩歌)

それはそれは昔のこと

古代エジプトではナイルの星と呼ばれていました

夏至のころに、かの星が姿を現すと

ナイルの川が氾濫し、土地に恵みをもたらしたからです

それはそれは昔のこと

フィジー諸島をはじめとしたポリネシアのひとびとは

大きな鳥を表す「マヌ」という星座のひとつの星として

かの星を方位を知るコンパスにして

小さなカヌーで島々を旅していったと言います

それはそれは昔のこと

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星にまつわる作品募集【note神話部お題企画】

星にまつわる作品募集【note神話部お題企画】

おはようございます、こんにちは、こんばんは!

note神話部を主催しております矢口れんとです。作品を投稿して下さるクリエイターの皆さま、そしてご愛顧頂いてる読者の皆さま、いつもありがとうございますm(_ _)m

note神話部は神話・伝説・民話などをもとにした創作を楽しむ自由参加型文芸部です。
2019年12月16日の呼びかけに端を発し、これまでたくさんの方が魅力的な作品の数々を創って下さいま

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