2020年1月の記事一覧
〘新話de神話〙異聞でも何でもないやつ2
私もほんの少々足の爪先を掠めた程度の神話オタクなので詳細を突っ込まれるとググった方が良いくらいの答えしか出ないのですが、基本、北欧神話と言えば Edda (エッダ)だと思うワケです。
だがしかし。
どうやら、本来、Edda は神々の話、つまり『神話』のことで、それを元に作られた『英雄譚』──つまり主人公は人、もしくは人に近い位置付けになると Sögur (サーガ)に分類されてい
さいはてキッチン3【紅茶】
プロローグ
1【シチュー】
2【実】
***
3【紅茶】「この枯葉の入った缶はなに?」
珍しく僕の家事を手伝っているアオが、掃除の際に見つけたのは小ぶりの茶筒だった。戸棚がわりに使っている、かつて書類を仕舞っていたキャビネットの中にあったため、ほこりをかぶらないでいたようだ。
アオがふたをあけると、中にはルフナの茶葉がひとすくいほど入っていた。
「それは、枯葉じゃないよ。お湯を注ぐと美味し
〘新話de神話〙異聞でも何でもないやつ1(つまり雑記)
一度、この世を去った者を、再びあの世から連れ戻そうとする話、それほど珍しくありませんよね?
そんで、例外がないとは言わないけど(北欧神話とか)、大体が、
『ちがーだろー! 何、見てやがる、おめーちがーだろー! 何で覗きやがった、このボケー!!!』
と、まあ、ここまでは言ってないけど(と思うけど)、
「たぶん、きっと、恐らく、メイビー、心の中でこう思ってんだろうなぁ、女の方
The Latest Mythology -vol.6-
【今週の神話部活動報告】この1週間で #note神話部 に投稿された作品をシェアします。今回は「物語祭り」です。吉田翠さんの詩もまた、物語色の強い作品になっています。現実世界をいったん横に置いて、一緒に神話の世界に浸りませんか?
皆さまにご覧いただけたら、きっと神様たちもお喜びになることでしょう。
投稿期間:2020/1/19〜2020/1/25
今週の作品:7点
(ストーリー6、詩歌1)
今
〘異聞・グリース3〙流す涙が星となり
この妄想像は、kusabueさんのこちらの一句を元に書かせて戴きました。いや、ストーリー的には全く脈絡はなく、単に『白鳥座』つながりってだけですwww
飛び立ったいち羽そのまま白鳥座
( https://note.com/kusabue/n/nf698b4a8c10f )
北十字星(ノーザンクロス)と呼ばれ、天の川の上を飛んでいるかのように見える白鳥座。
不思議なもので、『白鳥座
さいはてキッチン 2【実】
1【シチュー】はこちら
季節、という概念が消え去ってどのくらい経っただろう。困ることといえば、その日の気候や温度の振れ幅非常に広いため、着る服に毎日注意を払わなければならないことだ。
かつては気象を予測可能な情報、つまり予報として伝える職業もあったが、今この世界においてそれは不可能だし意味のないことでもあった。
その日の昼、ノイが瑠璃色のくちばしにそれの一部と見紛うほど美しい蒼色の小さな
1. 鸚鵡の従者【花の矢をくれたひと/連載小説】
前話・prologueはコチラから
*
1. 鸚鵡の従者
愛神カーマ(またの名を悪魔マーラ)は気がつくと大空の高きところを駆けていた。
下を覗くと雲の波が随分と遠くに見える。雲のなきところもまた霞んでいて、その先に海があるのか大地があるのかよく分からなかった。一方で彼と太陽との間に邪魔するものは何もない。遮られない陽の光はカーマの緑色の肌を直に焦がしてくるようだった。
釈迦族の王子の解脱
さいはてキッチン1 【シチュー】
プロローグはこちら
<1 シチュー>
少女はやや乱暴な所作で僕の作ったシチューをあっという間に平らげた。
「おなか空いてたの?」
僕がそう問いかけると、少女はスプーンを半ば叩きつけるように器に戻した。
「別に。出されたから食べただけ」
「そう」
アオがスプーンでにんじんをつつきながら、少女に向かって
「がさつ」
と言い放ったが、少女はその言葉を無視して、食卓テーブルに組んだ足を載
The Latest Mythology -vol.5-
【今週のnote神話部活動報告】この1週間で #note神話部 に投稿された作品をシェアします。今回は、掌編連載の第2弾あり、幻想小説のプロローグあり。神話の続きや繋がりを主宰もたいへん楽しみにしています。
皆さまにご覧いただけたら、きっと神様たちもお喜びになることでしょう。
投稿期間:2020/1/12〜2020/1/18
今週の作品:4点
(ストーリー3、詩歌1)
今週の部員:笹塚心琴
〘異聞・グリース2〙デメテルの後悔
わかっていながら
頑なに
気づかぬふりをしていた貴方
知っているから
決して
こちらを向こうとしなかった貴方
貴方はいつも
一体
何を見ていたのだろう
*
冬の訪れ。
それは豊穣の女神デメテルにとって、愛しい娘とのしばしの別れの時。
(……また、行ってしまった。しかも、あのように軽やかに……)
ため息が洩れる。
ふと、背後に気配を感じて振り返ると、デスフォイ
さいはてキッチン(prologue)
矢口れんとさん主催の『My-Mythology』に参加します(^^♪
なお、こちらは「さいはてキッチン」(仮題)という小説のプロローグも兼ねています。もう一度小説の筆を執ることに向き合うための、新しいチャレンジとして位置づけたいと思います。
以前、「一駅ぶんのおどろき」に「はじまりのレストラン」として投稿した作品を発展させたいと考えています。いつお披露目できるかはわかりませんが、気ままに、