ケモノ世界に転生した俺がブサイクキャラなんですが

 名門・ウルフクラウン家それも本家の御曹司。
 祝福された生まれの子供は両親はじめ一族から領民まであらゆる人々から惜しみない愛情と最高の教育を受け、生まれつきの頭脳と恵まれた身体能力はそれらを余すところなく吸収した。
 まさにチート。神の約束通りだ。
 
 ただ一瞬、小さな苦痛に耐えなければならないのは想定外だった。
 初対面では誰もが好意ではない表情を浮かべる。
 戸惑い・失笑・恐怖・嫌悪。すぐに打ち消されるとわかっていても。

 血縁であるはずの狼族とは似ても似つかない容姿。サル族のなりそこないと陰で言われていること。
「普通の人間の顔と姿」がこの獣人たちの世界ではとんでもない異形なのだ。

【続く】