ダニング=クルーガー効果(優越感の錯覚)と行動経済学の魅力_つむGノミクス_vol.1
「お前より俺の方が知ってるぞ」
こんな風についつい人を下に見て優越感に浸ってしまう時があります。
これが事実ならまだ良いのですが、そうでない場合にも勘違いしてしまうことが多いそうです。
今回は、そんな勘違いによる優越感を生み出す認知バイアスである「ダニング=クルーガー効果」についてまとめてみます。
ダニング=クルーガー効果:2パターンの優越感
優越感に浸って気持ち良くなった経験は誰しもあると思います(特に私は多かったかも笑)。
そもそも優越感とは、比較対象に対した時の過剰な自信・傲慢だと私は考えています。(ただし、勘違いでない真っ当な優越感はポジティブな感情だと考えています。)
心理学者のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーによると、優越感には以下の2パターンあるそうです。
①能力の低い人物が、内部(=自身)を過大評価するパターン
②能力の高い人物が、外部(=他人)を過小評価するパターン
これが、「ダニング=クルーガー効果」の真髄です。そして、これは自信と能力の2軸で下図のように上手く説明されています。
①は勘違いによる優越感なので、このパターンに陥っている人は「愚か者」と説明されているそうです(笑)なので、「愚か者」にならないにはどうすればいいか考えてみました。
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ダニングとクルーガーによると、①の原因(=愚か者の特徴)は以下の3つとのことです。
・自身の能力が不足していることを認識できない
・自身の能力の不十分さの程度を認識できない
・他者の能力を正確に推定できない
では、それぞれの対策を考えていきます。
対策①:ダニング=クルーガー効果を知る
これが、1つ目の原因の対策です。笑
行動経済学を学ぼうとしている者としてはどうしようもない対策案ですが、ダニング=クルーガー効果というものがあるということを知ることが「愚か者」と言われないために大事なことだと思います。
自分があのグラフ上のどこにいるのかをメタ認知することで、勘違いしてしまう愚か者にならないで済むと思います。
対策②:他人ではなく、過去の自分と比較する
2,3つ目の原因の対策としては、比較対象を過去の自分にすることが考えられます。
”現在の”他人の能力・自分の能力を正確に判断できなくても、さすがに”過去の”自分と現在の自分を比較することはできると思います。
過去の自分に比べると、現在の自分は能力が高いというのは大抵の場合勘違いではないので、真っ当な優越感を味わうことができます。
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では次に、「ダニング=クルーガー効果」の応用として、優越感を上手く利用することで生活を豊にする方法を考えていきます。
応用①:絶妙な「わからないこと」を提供する
対策②で言ったように、過去の自分と比べて能力が高まったことを実感するとでも優越感を味わえます。それを外発的に引き起こすためには、「過去の自分がわからなかったこと」を「現在の自分はわかっている」ということを認識させる必要があります。
そこで考えられるのが、
わかりたくなるような「わからないこと」を見せることで、内発的に学習してもらいわかってもらう。そしてその体験を繰り返す
という循環を作ることです。
「わかりたくなるような 『わからないこと』」は人それぞれ違いますし、自分でも何に興味があるのかわかってないことが多いので、実現は難しいかもしれませんが、逆に実現できたら大きなビジネスになるのではないかと思ったり思わなかったり。
(その他応用の仕方は思いつき次第順次追加していきます〜)
行動経済学は優越感に浸りまくれる学問
最後に、vol.0の冒頭で予告していた私が思う行動経済学の最大の魅力(=行動経済学は優越感に浸りまくれる学問)を伝えて終わりにします。
どういうことかというと、行動経済学の功績である様々な心理的効果は、多くの人にとって「わかりたくなるような 『わからないこと』」であるからです。
行動経済学では、自分が今までおこなってきた”非合理”な行動の原因を解明しているわけであり、専門家でなくてもわかる内容が多いので、とっつきやすいのです。
図にすると、以下のような感じでいろいろな学問を分類できるのではないかと考えています。
自分の内側には興味が持ちやすく、かつ断片的に理解を進めていくことができるので、優越感を連続するのが行動経済学なのです。
ということで、今後も優越感に浸りながらnote書いていきます!笑
vol.2は「おとり効果」について書いています。是非こちらも!
▼参考
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