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紙媒体からWeb編集者になったらなにが起こるのか?

どっぷりとWebの世界につかってますが、以前は紙媒体の編集者でした。

神田明神の近くにある小さな出版社で、スポーツ系の雑誌や書籍を作ってました。あと育児書とかエンタメ本も。

これまでの自分の経歴としては、こんな感じです。

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ずっと一貫して編集者だけど、特に紙媒体→Webの転換がけっこうたいへん。自己紹介がてら、紙媒体からWebの編集者になったときの変化を振り返ってみようと思います。

1.文字数ざっくりでいい

紙媒体だと、文字数がかっちり決まっています。このスペースで何文字なのかが決まっていて、1文字たりともはみ出してはいけない。だから、原稿を削ったり、文字サイズ調整したりする作業が発生していました。
Webメディアだと、文字数制限ないからダラーッと書けるし、短文だって可能。

2.原稿料ざっくりしてる

紙媒体だと、文字単価で計算することが多いかと思います。1文字=10円とか。書いてもらった文字数によって、ライターさんに原稿料を支払っていました。Webメディアだと、原稿料は「3000文字でいくら」とか、かなりざっくりしている。

3.印刷所とやり取りしない

紙媒体だと、校了(すべてOKで印刷できる状態)できるかどうかが大問題。印刷所に夜ギリギリまで待ってもらったり、電車の始発で印刷所に校了紙を届けたこともありました。Webメディアだと、すぐに記事公開できる。

4.写真データ小さくていい

紙媒体だと、写真データが小さいと、もうどうしようもない。ピンぼけも恐怖でした。Webメディアだと、データが小さくていいし、大きすぎると記事を見るとき重くなることもある。

5.どの紙使うのか考えない

紙媒体だと、紙を決める作業があります。紙質や薄さ、値段を考えて、どの紙を使うのかを決めていきます。Webメディアだと、もちろんその作業はありません。

6.ライティング早くなる

紙媒体のときは、それほどライティングをしていませんでした。それがWebメディアになったら、とにかく書きまくっていた。1日で30本もの記事を書いていた時期もあって、おかげでライティングは早くなった。とにかく手を動かす。考えるよりも先に書き出せというマインドでやってましたね。

7.届け方を考える

これが一番大きな変化かもしれない。紙媒体だと流通が決まっているので、僕は読者への届け方をほとんど意識していませんでした(売り方を考えている紙媒体の編集者はたくさんいますが)。
それがWebメディアだと、「記事を作ること」「記事を届けること」、この2つをイヤでも考えないといけない。記事を公開しただけだと、なにも起こりません。びっくりしたよね…。

8.戦略を考える

で、さらに大切なのが、このメディアなんでやってるの?という戦略の部分ですね。メディア単体でのマネタイズは難しくて、理想形にたどり着くには時間もかかるので、迷走しがち。
そのために戦略を立てて、どこに向かっているのか目的を明確にする。いまはどのフェーズにいるのかを常に共有する必要があります。そして、分析をしながらチューニングしていく。

紙だろうがWebだろうが熱量大事

紙媒体とWebを経験している編集者は増えていると思うけれど、みなさんどうなのでしょうか?出版社時代を思い出していたら、なんかまた本作りたい気持ちになってます。

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