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おうち時間と煮物

コロナ禍で在宅勤務となり一番変わったのが、毎日の食事である。
オフィスに通っていたときは、朝はパン、昼は社員食堂、夜は買ってきたりどこかで食べてきたりとまちまちで、平日のほとんどが外食だった。それが在宅勤務となり、家にずっといると、昼と夜の食事の支度をせざるをえなくなってしまった。
元々、休日に自炊をしていたので料理自体は苦ではなかった。始まって一週間程度は、毎日作りたいものを作って食べるという、休日の延長のように気軽に捉えていた。

しかし、一週間がすぎたころ、ある変化に気づいた。日中の仕事の合間、次のご飯(昼食・夕食)のメニューは何にしようと、そればかり考えるようになっていたのである。それに、一人暮らしだと一人分でもまとまった材料を買わなければならず、コストパフォーマンスも良くないのではと思い始めた。

時間とお金の双方で、このままではいけないと思った私は、久しぶりに本棚のレシピ本をめくった。「ひとり暮らしの作り置きメニュー」の題に目が止まった。そういえば、一人暮らしをして数年が経つが、作り置きなどしたことがない。
レシピ本を良く読むと、いくつかの作り置きに向いた煮物が載っていた。いずれも、冷蔵庫に入れておけば1週間は日持ちするらしく、平日の食事に丁度良い。

筑前煮をつくるために、にんじん、こんにゃく、ごぼう、れんこん、という煮物界のスター野菜を買ってくる。ごぼうは初めて買った。
食べやすい大きさに切って煮込んだあと、醤油、砂糖、みりんを加える。そしておばあちゃん家でもらった、大師門前の七味唐辛子を振りかける。
初めて作った煮物は、我ながら上出来の味だった。何よりも、普段そばやうどんにしか出番が無かった、七味唐辛子を使えたのが新たな発見だった。

煮物は冷蔵しておいて、レンチンするだけなのでとても手早くできる。平日に自炊する時間が減って、とても楽になった。
気を良くした私は、いろいろな煮物を作っては冷蔵し、在宅勤務時間を過ごすようになった。現在はオフィス通勤に戻ったので、平日の煮物作りは一時休みになっているが、煮物と作り置きに挑戦できたことで、自炊の励みになったし、自信がついた。

毎日食べても飽きにくく、日持ちし栄養価の高い煮物が、家庭の味になっているのは、忙しい主婦(夫)の時短に多大に貢献しているからであろう。煮物のありがたさを身を以て体感した、おうち時間であった。

(写真:自作の筑前煮)

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