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子供の病気の技術を大人に活かす#2売れる音楽を作る2

一般的な音楽療法で使う曲は専用の本がたくさん出版されていたのですが何の効果もありませんでした。そもそも子供が聞きません。嫌がって音楽療法士の先生に反発してALL拒絶!

その代わり子供が好んで聞くような曲は不思議と決まっていました。子供が好む音楽を繰り返し聞いていると、私はある法則を発見しました。

①フレーズの最後の音が母音の「あ(a)」「え(e)」「お(o)」で終わっている曲はよく聞く➡良い音
②フレーズの最後の音が母音の「い(i)」+休符で終わっている曲は嫌がる、歌の途中でも「い」と「休符」が入っていると嫌がる➡悪い音
③「きっと」「ずっと」「もっと」「ちょっと」という促音も好き➡良い音
④同じ歌詞や同じフレーズの繰り返しも好き➡良い音
⑤フレーズの最後の音が母音の「い(i)」で終わっても「い」と「に」の場合は問題がないことが多い(き、し、ち、ひ、み、り、ゐはダメ)➡悪い音の回避
⑥フレーズの最後の音が母音の「い(i)」で終わっても次のフレーズの最初の音が「い(i)」で始まるなら問題がないことが多い。う段も同じだが、い段はい段、う段はう段の場合だけよくて、い段とう段が絡んだ場合はダメ。➡悪い音の回避
⑦母音が「あい(ai)」「いあい(iai)の単語が入ると良い➡良い音
⑧「aiai」と繰り返すものはもっと強い効果がある➡良い音
⑨aiを伸ばす音はさらに強い効果がある➡良い音
⑩aaaのように連続する母音は強い効果がある➡良い音
⑪「ポジティブな意味の単語」の量と「ネガティブな意味の単語」の量が1:1だとネガティブな言葉の威力の方が大きいので「明るい歌詞」と「暗い歌詞」があるなら明るい歌詞の分量を多くしないといけない
⑫「希望の意味の歌詞」で歌を終了させる
⑬暗い意味の歌詞の後には希望の意味の歌詞で否定する
⑭サビの中にある悪い音は被害が大きい
⑮音の数が増えてくると無音ができた瞬間にその場所が悪い無音になる
⑯前奏はないか、サビ同然のメロディがないとダメ
⑰「聞く」という行為に集中できるように音の層が厚い曲が良い

これがもしも脳を癒す手法なのだとしたら、人間はみな心地よいと感じるはずで何度も何度も繰り返し聞こうとするはずです。必ず売れる曲が作れるはず!

前回は脳を癒す音楽の構造の基本的な理論の説明が主でしたが、今回は具体的な例を挙げて音楽を見ていきましょう。


今回は、yamaさんの麻痺という曲を例に見てみます。こちらは完全な「aeo曲」です。yamaさんがもともと人気があるので、視聴数も多いですし私は個人的には大好き。今まで100回以上絶対聞いてる。いい曲!好き!

ただ、私の子供はこの曲を怖がって聞きません。

私はヘビロテ曲かどうかの境目は3日1曲を聞き続けられるかどうかだと思っています。この曲はaeoだけど1日半くらいしか聞けませんでした。ですから良い曲だとは思うけれど、脳に100%いい曲かどうかというとまた別という話になるのです。

「ヘビロテ要素満載だけど、脳に良い曲とはならなかった曲」

これを説明してきましょう。

フレーズの最後の母音がaeoなのは一目瞭然。最初の言葉の母音もことごとくaeoです。

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これに加点などを加えていきます。

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この曲は疾走感があって、同時に焦燥感を表現した曲です。歌詞も当然満たされない思いを描いているので、「ちゃんとそういう曲」として見ればまっとうな作り方をしてあると思います。yamaさんの声も歌唱も素晴らしいので聞いちゃうし、aeoだから脳も自発的に聞きたがるはず。

ただ、aiの加点はあるもののiuの回避技が全くないんです。だから痛みが痛みとして残ったまま。別の場所のaiではiuの痛みは解消されていないんですね。

ネガティブな歌詞に対する希望の否定もない。当然そういうテイストの歌だから否定してもしょうがないし、逆に否定したらこの歌は台無し!なんだろうけど、脳はそれを良しとしないんですよ。

そしてもう一曲。

まずは語尾だけ見てみましょう。赤がaeo、水色は「い」と「に」、青い丸はiuです。この時点で青い丸は驚異的に少ないです。

怪物

フレーズの頭を見てみましょう。

怪物2

あれ~?結構青い。それで青くない部分から子供に聞かせたら聴きながら歌い始めました。もう一度歌の最初から聞かせてみると嫌がりました。

・aeoのヘビロテ要素は強度
・フレーズの頭のiuの減点要素は中程度

ということかな。

なおかつ、aiの加点、促音、i+休符を「ああ~」で回避などの小技がかなり効いている。繰り返しも多いし、暗い内容の歌だけどあくまでも希望で否定しまくっている。語尾鬱音らしきものは稲妻の3個しかない。そこまでひどくはないけれど、ジワリとくる感じ。

怪物4

似たような苦しい状況を歌う歌も、描き方の違いでこんなに違います。怪物の場合は「い」と「に」を単に「iu」の枠でわけて考えているからこそ、「に」には必要のない「ああ~」で回避を入れています。気を配っているのがわかりますね。念には念を入れれている。

aeoの曲は売れるけど、それはただ単に「ヘビロテ要素がある」というだけです。「脳を癒す」という部分はその先にあるのだと思います。鬱音がたくさん入っていると「人の気を引くことができるけど、脳には良くないから聞けば聞くほど聞いた人は疲れる」ということにもなりかねない。

aeoの中の鬱音は気を引くという意味では威力が強い。だからこそaeoベースの作曲を狙うのであれば、iu対策はかなりビッシリ入れていかなければならないんです。

となると、青い丸を大幅に回避技で処理した歌の方が「楽しく聞き続けられるから結果売れる」ということになると思います。もともと少ないに越したことはないけれど。


麻痺:
・aeoに徹しているがそのせいで冒険ができなかった
・鬱音自体は少ないが加点が少ない

怪物:
・ベースはaeoだが回避技でiu対策に徹している
・フレーズの最初の音がノーマークでiu風味の印象を作れているが
 ほぼ未対応で軽めの鬱音の連打が発生
・加点が多いので総合得点は高い感じ
・「い」と「に」の回避はいくら回避できるからといって沢山使いすぎてはならない


こうやって考えてみたら、作詞ってパズルみたいですね。

難しいっ!


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