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英語の現実⑦英語がわかれば正しい情報が手に入る?

Q. 英語でニュースが見れれば正しい情報が手に入る?

A.英語かどうかは関係ありません。

「英語で世界中のメディアに触れれば正しい情報がわかる」これは一見正しそうに聞こえるかもしれません。なぜなら日本のマスコミが隠していることを海外のメディアが報道する場合があるからです。

例えばジャニーズ事務所の元社長が子供に淫行行為を働いていたことは日本のマスコミは頑として報道しません。一方で海外のマスメディアを見ると、裁判で事実と認められたことを記事に書いています。このように海外のメディアを見れれば、日本のマスコミで抹殺される情報を知る手がかりになる例は確かにあります。特に日本のマスメディアは記者クラブや電通がとても強く、この状態はこれから先も変わる予定はありません。

しかし、「海外メディアを見れれば正しい情報を知れる」というのは間違いです。英語が母国語の人たちを見てみてください。嘘の情報に踊らされる人たちで溢れかえっています。マスクをつけることを拒絶する人たちや、5Gがウイルスの原因だと言って電波塔を破壊する人たちは英語話者たちです。農薬は全て体に悪いとか、エッセンシャルオイルが体に良いとか、地球が平らだとか言う人達も英語を話しています。

「英語がわかれば賢い」が間違いであるのと同じように、「英語で情報収集ができれば正しい情報が集まる」と考えるのもまた間違いです。正しい情報を見分けるのに必要なのは英語ではなく、知識と思考力です。英語か日本語かどうかは関係ありません。海外ニュースを1万時間見ても、地政学や金融や歴史などの知識がなければ何も理解できません。ニュースはどこまで行っても断片的な情報に過ぎず、教材にはなりません。BBCを見ようがCNNを見ようが、たくさんの情報に溺れるだけです(そもそも海外大手メディアは日本語版を出していますから、それを読めば同じです)。

日本語では正しい情報がわからないというのは過剰で、嘘を書くのはBBCでも同じです。マスコミだって企業ですから、利益関係に応じて忖度をします。これはどうしようもできません。どの国のマスコミも嘘を書いたり、間違えたりすることがあります。英語でニュースを読めば大丈夫なんだと思うその安易な考え方こそが危険なのです。

正しい情報を見分ける力が欲しかったら、必要なのは世界について学ぶことと、自分で考えることです。英語を学ぶことに時間を無駄にする必要はありません。どうしても外国語記事で読む必要があるときには、翻訳ツールを適宜使うぐらいで事足りるでしょう。


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