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『My Lean In Story』Lean In Tokyo 2代目代表りさこさんにインタビュー!

先日、国際女性デーに合わせて開催したイベント「MY LEAN IN STORY 〜前例のない道を、私らしく進む方法〜」にちなみ、Lean In TokyoメンバーのMY LEAN IN STORYについてインタビューを行いました!

“Lean In”とは、「一歩踏み出すこと・挑戦すること」を意味する言葉。

色々なストーリーを通して、「女性がどのようにしたら野心を忘れずに自分がやりたいことに挑戦することができるのか?」ということを考えるヒントを探っていきましょう🔎


今回お話を伺ったのは、Lean In Tokyoの2代目代表を務められた二宮理沙子さん。

茨城県ご出身で、小学校6年生の途中から高校までハワイに単身留学。帰国し日本の大学を卒業後、教育関連のお仕事に就かれ、現在はスタンフォード教育大学院修士課程にいらっしゃいます。

―本日のテーマはMY LEAN IN STORYということで、色んなご経験をお持ちのりさこさんに早速お伺いしたいのですが、これまでで特に一歩踏み出したな、というエピソードがあれば教えてください。

正直、この時だ!というエピソードはないのですが、今振り返って大きな転換になったと感じるのは、学部時代のアメリカ留学と、就活をした時ですかね。

私の両親は、「女性はエリート男性と結婚して家庭に入ることが幸せ」という価値観を強く持っていて、私自身もいずれは専業主婦になりたいと思い、それを疑っていませんでした。ところが、大学3年生でアメリカに留学した時に『LEAN IN(リーン・イン)』を読んで、「女性も野心を忘れずに自分がやりたいことに挑戦する一歩を踏み出してほしい」という力強いメッセージに感銘を受けるとともに、そこに書かれている内容と自分の周りの現実世界との乖離にはっとさせられました。

その後、教育系の大学院に行きたいと考えながらも、一度就職して教育の現場に身を置いてから研究テーマをみつけたいという思いもあり、就活を始めました。他業界の企業も複数受けて右往左往しましたが、最終的に満足して教育系のお仕事に決めました。ただ、その過程で、働くことに関して自分自身の中にもジェンダーバイアスがあることにも気が付いたんです。

それからというもの、どうなったら自分は満足にやりがいをもって物事に取り組めるか?どうすれば日々をハッピーに過ごせるのか?ということを言語化し、やりたいことに向かって走れるようになりました。

家族会議で修士課程に進む話をした時には、同年代の親戚が結婚したりする中で、私がこれからの6年超を研究に費やすことに大反対されましたが、最終的には押し切りに流されてくれました(笑)

今は日々チャレンジングなカリキュラムに追われていて、確かに甘くない選択肢だったと実感していますが、自分の興味関心に素直になり、とりあえずやってみようの気持ちで前進しています。

シェリル・サンドバーグ氏と

―自分と周りの人たちが抱くジェンダーバイアスに気がつくことで、自分のやりたいことに向かって進めるようになる、というのはまさに『LEAN IN』で書かれている重要な点ですよね。それを大学生の頃に経験されたとのことですが、それよりも前のハワイ留学はどのような理由で行かれたのでしょうか?そこで体験したことが今の自分にどう影響していると感じていますか?

ハワイ留学は、英語教育に熱心だった両親が進めてくれました。というのも、英語を身につけることで、良い学校に行く選択肢を増やせるという考えがあったようです。行った当初の私は英語が話せず、ホームシックになることもありましたが、同じような状況のほかの子供たちや先生たちが親身になって支えてくれました。結果として、言語としての英語が話せるようになったことで自分の中の選択肢が広がったことはもちろんですが、同時にエモーショナルなコミュニケーションがとれるようになったことも、今の自分に良い影響をもたらしてくれているように思います。

私はもともとあまり社交的ではなく、黙々と真面目に勉強するタイプでした。人と話すときも淡々としていて、感情を乗せて話すことに苦手意識をもっていたのですが、異なるバックグラウンドの人たちとの対話を重ねることで、言語を超えたコミュニケーションの大切さを知り、コンプレックスが徐々に克服されていきました。

―現在は修士課程で教育とジェンダーに関する研究をされているとのことですが、この分野にはどのようなきっかけで関心をもたれたのでしょうか?

学部時代に留学した際に、日米の幼児教育の比較をしていました。子供が受けられる教育の質に影響する貧困率をひも解く中で、男女間での賃金格差、雇用状況の違いの実情を知りました。それからというもの、いまだに女性が自分らしく生きられないことがある現状を改善したいと思うようになりました。

今取り組んでいるのは、教育現場でのジェンダー問題についての研究です。大学によるジェンダー平等推進の取り組みが、学生にどのような影響をもたらすか、ということを、日本にフォーカスしながら国際比較してみたいと考えています。

大学院での様子

―学部時代の気づきから、教育分野での就職、そして今の修士課程に至るまで、一貫した軸をもって計画的に進まれているような印象を受けますが、りさこさんがやりたいことに挑戦するにあたり、「次のステップ」というのは毎回どのように決められていますか?

「女子学生が自分らしく学べるインクルーシブな学びの場を作る」というlife missionを掲げ、それを実現するにはどうするか?という考えのもとで取捨選択をしています。具体的な方法では、たとえば、自分の80歳までの計画と、そこに向けた5年後、10年後の自分について、その時々の生活費などの細かい項目にまで落としこんでスプレッドシートに書き出し、定期的に見直して調整しています。先が見えないことが苦手なので、計画立てて考えることで不安な気持ちを補っているのだと思います。その計画を実行する手段は、環境などの外的要因も影響するので、結構その都度決めることが多いですね。基本的に自分自身と向き合って選択肢を検討するのですが、踏み切るための一押しが欲しい時に、信頼する人たちに相談したりもします。

私の性格には目的から逆算して計画立てる方法が合っていますが、プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)※のように、偶然の出来事を意図的に自分のキャリアに活かしていくという考え方も有効だと思います。いずれにせよ、先の選択肢があることが大切であり、制度やバイアスによってそれが限られてしまうようなことはあってはならないと考えています。

※プランド・ハップンスタンス(Planned Happenstance)とは:スタンフォード大学のジョン・D.・クランボルツ教授が提唱したキャリア論。キャリアは偶然の出来事をポジティブな方向に捉えて対応を積み重ねることでキャリアアップにつなげることができるという考え方。

―最後に、今後のご自身のLean Inについて意気込みをお聞かせください。

一歩踏み出して大学院に来たことで、良い意味で自分の中のハードルの度合いも変わり、さらに選択肢が広がったように思います。博士課程後の進路はまだ模索中ですが、これからも可能な限り自分の興味関心に正直にあり続け、心がわくわくしてときめく選択を重ねていきたいです。たまにそのやりたい気持ちに体が追い付かなくなることもあるので、もちろん健康第一で!

Lean Inカンファレンスにて

りさこさん、ありがとうございました!🌸

(聞き手・文:Lean In Tokyo Memberさえこ)


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