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国際女性デーに考える日本のジェンダーギャップ ーアクセルを踏み続けようー

● 国際女性デーで注目すべきジェンダーギャップ指数は?
● Lean In が注目する経済分野のギャップ
● 管理職ポジションに多くの女性が到達するために

今年ももうすぐ国際女性デー(3月8日)です。
国際女性デーは、女性の社会参加と地位向上を目指して1975年に国連で制定されたものです。
ジェンダー平等は古くて新しい問題ともいえますが、近年、ジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index,”GGI”) に関する報道をよく目にするようになりました。
GGIは、2006年から世界経済フォーラムが発表している指数で、「経済」「政治」「教育」「健康」の4分野のデータから世界各国のジェンダー間の格差を比較しています。
2022年版はまだ発表されていませんが、21年版では日本が「156か国中120位で先進国では最低レベル」といった点が多く取り上げられていました。
(例えば https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6062cdc4c5b65d1c2818ac86

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(男女共同参画局ウェブサイトより引用 https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2021/202105/202105_05.html
日本、たしかに低い順位が続いています。「教育」と「健康」の2分野では日本は高い数値となっていますが、「政治」と「経済」の指標の低さが顕著となっています。


Lean Inとジェンダーギャップ指数

Lean In Networkは、Facebook社COOのシェリル・サンドバーグ氏が2013年に著書「Lean In」を出版したことを契機に生まれ、女性が「一歩踏み出す」きっかけをつくる活動をしています。Lean In Tokyoは日本地域代表として2016年に始動しました。
ジェンダーギャップ指数のなかで、Lean In の活動に関連して注目すべきは経済分野でしょう。シェリルが同書で伝えているメッセージ(ここにまとめています→ https://leanintokyo.org/leanintips-11/ )の多くは女性が働くことに関する内容で、経済分野の指標(「労働参加率」、「同一労働での賃金」、「収入」、「管理職ポジション」、「専門職や技術職の数」)に関連しています。

実は「Lean In」のなかでも日本に関するデータが数多く言及されています。
例えば、「管理職ポジション」に関しては、「日本では、経営執行委員会の女性の割合は1.1%にすぎず、・・・女性の経営参加率は先進国の中で最低の数字」(P12) と書かれています。賃金格差についても「日本の場合、正社員で比較すると女性の賃金は男性より29%も低く、OECD加盟国の中では男女格差がきわめて大きい国のひとつとなっている」(P13)で言及されています。家庭内の役割分担についても、「日本では、育児・家事ともに女性が男性の5倍こなしているという調査結果が出ている」P151)などなど。シェリルの問題意識は、日本の女性が直面している課題にも深く関係していると言えるでしょう。


「Lean In」が発刊されてから約10年が経とうとしていますが、この10年で日本の状況はどのように変化したでしょうか?GGIのランキングで日本の立ち位置を知ることも大切ですが、日本人にとっては、日本の状況が過去と比べてどう変化しているのか、もしくは変化していないのかという点の方が重要なのではないでしょうか。

管理職ポジションについて

まず「管理職ポジション」を見てみましょう。2012年から2021年の9年間で、上場企業の女性役員数は約4.8倍に増えていると示されています。4.8倍ですからかなり増えてきたとも言えますが、その割合は外国の女性役員割合と比較すると低い水準といえます。”Better, but not enough (よくはなったけど、まだ不十分)” といえるかもしれませんね。

https://www.gender.go.jp/policy/mieruka/company/yakuin.html

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男女問わず、管理職になるためには一定程度の経験やスキルが必要となり、キャリアを積み上げていかないと管理職のレベルには到達できないですよね。

近年、日本でも女性の就業率は上昇を続けていますが、不十分な保育サービスなど、やるべきことはまだ山積しており、政府や企業による努力は不可欠です。しかしながら、働き続けたい女性がいるからこそ、環境が整えられていきます。「女性を管理職にしたいけど、適任者がいない」なんて言わせたらいけません。適任者がいないのではなく、適任者となるまで女性が働き続けられるような社会となることが求められているのです。


女性が先行きを不安視して自らキャリアに歯止めをかけてしまうことに対し、シェリルはこう書いています。「・・・仕事を始めるときから出口を探さないでほしい。ブレーキに足を載せてはいけない、アクセルを踏もう。どうしても決断しなければならないときまで、アクセルを踏み続けよう」

今回のLean In Tokyoによる国際女性デー記念イベントのテーマは My Lean In Story です。この日本で、女性にとっては「いばらの道」でアクセルを踏み続けた女性たちが登壇し、ご自身のチャレンジや問題意識を伝えてくれます。これからキャリアを積んでいく多くの人にヒントを与えてくれるはずです。

【2022年 国際女性デー記念イベント】 MY LEAN IN STORY 〜前例のない道を、私らしく進む方法〜


■日時:2022年3月6日(日)10:00-11:30
■参加費 :無料(Zoom開催)
■定員:100名
■申し込み〆切:3/5(土)正午
■申し込み方法:上部Peatixリンクよりお申し込みください
※必ずPeatixからお申込みをお願い致します。
※お申し込みいただいた方へ、Peatix経由で参加用アドレス(Zoom)をお送りします。(開催日前日予定)

Written by つるさん(Lean In Tokyo member)



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