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いつかの憧れは、越えるべき存在に。命運を左右したのは、シンプルな準備と覚悟。/2021年第101回天皇杯準々決勝 川崎F vs 鹿島

どうも私です。
平日真っただ中でしたが仕事を午前中に詰め込み半休をもぎ取って試合に向かいました。自宅から直行できるテレワーク万歳。
しばらく試合のない期間があったからか、ミッドウィークに試合があるってワクワクしちゃいますよね。しかもそれがホームとなると尚更。

さて、天皇杯もいよいよベスト8まで来ました。ここまでなかなか厳しい道のりでしたね。このタイミングで当たるのはトーナメントにめっぽう強い鹿島。どこと当たってももちろん勝つしかないのですけれど、蓋を開けてみれば3-1と久々にノルマ達成して勝利し、準決勝へ駒を進めることができました。前半結構苦戦しただけに、後半の追加点で追い詰めることができたのは大きかったですね。

内容を三行でまとめると
・やるべきことをお互いに整理してきた試合
・間違っていなくても答えが出ないこともある
・背番号14の後継者

もっと詳しく見たいなって方は続きをどうぞ。

ちなみに選手のことは基本愛称で書いているので、気になる方はバックでお願いします。

1.スタメンとメンバーへの所感

我が軍のスタメンはこちら。
※現地観戦の際は試合後に書いています。

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メンバーほぼ変わらず。そう来たか。

変わったのはベンチの天くん→大弥くんだけ。大弥くんは久々のメンバー入りですね。これは戦術的な構想があってのことなんだろう。

試合後にオニさんも触れていましたけれど、中2日という日程のキツさよりも、試合間隔が空いたことで鈍っていた試合勘を取り戻させることにより比重を置いた選び方だったのかなと思いました。
正直、中2日じゃ戦術も何もないしね。リカバリーして実戦形式1日やって終わりだ。しかもこのあと1週間空くとなれば、そこまで意外ではなかったですね。むしろ天くんを外して大弥くんを入れたのがちょっと意外に思ったくらい。

そして鹿島は、スタメンコールで読み上げられる名前が怖い選手ばっかり。なんと言っても絢世が怖い。リーグ戦ではゴールを重ねているし、A代表で大迫が怪我で招集を見送られそうな中、呼ばれるべきは絶対絢世だと思っているくらいには自分の中でいい選手の位置づけです。抜け出しが巧いんだよなあ。代表は絶対絢世を育てるべきだと思うんだ……

2.試合内容

当たり前ですが試合前の雰囲気がリーグ戦とは違うので、独特な緊張感がありますね。選手紹介もですが入場の時の曲が違うのがこう、気持ちが盛り上がるというか。いいですよね。ルヴァンやクラシコのアンセムなんかもそうなんですけど、ああいう演出とても好きです。

中2日という日程ではありましたが、身体が重そうでもなく、試合に入ることに苦労しているようでもありませんでした。この辺りはマネジメントがさすがというか、連戦でメンバーを変えなかったことがいい方向に出たなと思います。あと、単純に相性として鹿島は噛み合ってくれるサッカーなので、そこも幸運でしたね。

観ていて気になったのは、前半アキさんがあまり逆サイドに出張してこないなあということ。いつもなら出て来てるのにというシーンでも出てこなかったので、ああこれはそういう戦術なんだろうなと思いました。出張するとその分空けたところをカバーしなくてはいけなくなりますし、鹿島は球際の強度を上げて対抗する戦略だったようなので、数的不利になることもサイドに寄せて人数が増えてスペースがなくなることも逆効果になります。なるべく自分たちが気持ちよくプレーできるように、時間のない中でシンプルな準備をしてきたんだなと感じました。

前半は相手を捕まえてボールを奪いたい鹿島と、躱しながらゴール前に迫りたい川崎Fとの攻防でバチバチしていました。中盤で健人くん、ヤスくん、レオくんが鹿島の中盤を逃がさずやりたいことをやらせなかったので、最終ライン付近から絢世を狙ったロングボールが多かったように思います。そのロングボールで抜け出せてしまう絢世がそもそもすごいのですが、それを抑えてみせた彰悟さんが見事でした。ほとんど競り合いに勝てていたんじゃないかな。
リーグ戦で苦戦させられたピトゥカや気の利くプレーができる土井にいい形でボールを持たせなかったことも相手のペースにならなかった大きな要因だと思います。中盤を制する者はサッカーを制す。川崎Fの中盤トライアングルはコンディションがいいことも重なり、見事に機能していました。3人ともすごかった。

一方、マルちゃんが何度もオフサイドにかかっていましたが、こちらもまた鹿島が準備してきたところのひとつだろうなと思いました。前節と同じスタメンでしたし、マルちゃんがスタメンであれば左ウィングを狙って突破させたいこちらの意図も想像に難くありません。鹿島の最終ラインは常本・関川・町田・安西と、若いけれど才能溢れるJ屈指のディフェンスラインです。自分たちのやりたいことはできなくても、最後のところで守り抜くためによく対応していたなと思います。

ゲームが動いたのは32分。コーナーキックのチャンスを得た我が軍、キッカーはヤスくんです。ここ最近のヤスくんのプレースキックの精度は目を見張るものがありますが、今回も素晴らしかったですね。内側に入っていくキック、ベストポジションに入り込んでいたのはマルちゃん!マルちゃんのゴールとアナウンスされましたが、後にオウンゴールと訂正されました。ハイライトで見たら確かに相手の頭に当たってましたね。けれどあそこにポジショニングしていたからこそ誘発できたゴールなのは間違いありません。ナイスプレー。

しかし、1点リードでは安心できないのが我が軍、そして鹿島という対戦相手です。全員が集中を切らさず対応できていたように思います。
凌ぎ切る、というよりは自分たちでボールを握りながらゲームを支配しつつ前半は1点リードで折り返し。リードしてからはアキさんが逆サイトにちらほら出張も増えてきましたね。ちょっとの隙も逃さないアキさんはさすがである。

後半からはどちらもメンバー変更なし。鹿島もすごく悪かった訳ではなかったので様子を見たかったのかなと思います。
出足からコーナーキックを取られピンチを招きますが、ピンチの後にチャンスあり。48分、凌いだ後に相手陣地まで持ち込むといい形でヤスくんへ。ヤスくんはゴールを狙って蹴ったように思いましたが、ちょうどコース上にいたレオくんの頭に当たりコースが変わって、そのままゴールイン!当たらなくても入っていたかなと思いましたが、ヤスくんサイドから見ると枠内入ってない感じでしたね。レオくんナイス。というか、シュート性の強さだったと思うので、ヤスくんのコメントじゃないですけど、レオくんの首が太くてよかったね。笑

更に51分、今度は相手陣地ボックス付近でアキさんからのパスを受けたヤスくんが、左足でゴールを狙ってシュート!これが見事な軌道でゴールイン。右に持ち代えるかなと思いましたが、ゴールに近い方、チャンスがよりある方を瞬時に選んで正確に打てるのはすごい。

一気に3点ビハインドを負った鹿島、たまらず選手交代をします。両サイドの外国人選手2人を下げて、荒木くんと和泉を投入。うお、嫌な交代だ……
早速ふたりが攻撃的に仕掛けをし始めます。もちろん交代で出場した選手たちなので体力があるのは当たり前なのですが、このふたりの推進力と技術はさすがです。ロングボールが減り、少しずつピンチを招くシーンが増えてきます。
守備ラインで耐えてはいたものの、確実に勝ち切るためにオニさんはここで選手交代。ノボリ、マルちゃん、ダミアンに代えて先生、リョウタ、知念を投入。リードしている展開だとどうしても終盤パワープレーに持ち込まれたり、キープをしなければいけない場面が増えてきますしね。

リョウタはまだまだ本調子ではないと思いますが、見ているとひとりだけオフザボールの場面で動いていたりするのですよね。リョウタだけ見ていても全然飽きない。彼にしか見えていない未来があるなあと思って本当に面白い。あとスルーパス、惜しいところあったけどオフサイドだったんだよなあ。もうちょっとだった。

その後、アキさんが何かベンチ側にサインを送っていてあれ?と思ったのですが、すぐに悠さまとの交代に。その少し前に急に走らなくなったので心配になりました。怪我じゃなかったらしいけどどうしたんだろう。最後の挨拶の時にはいたので大きな問題ではなかったみたいです。一安心。

鹿島の攻める手は止まらず、ゴール前で土井のオーバーヘッドを食らうも、ソンリョンのナイスセーブで事なきを得ます。文字通り搔き出すようなセーブでした。いやあ、赤ユニソンリョンは強い。なんて頼もしいんだうちのキーパーは……咄嗟の判断と冷静さが素晴らしいですね。

5人目の交代も割と早く、77分にはヤスくんに代えてやまむー。交代がいつもより早いなーとは思ったのですが、3点リードという展開と鹿島の勢いに、なるべくセーフティにいきたかったのかなと思いました。こういう場面でのやまむーって頼もしいよな。

残り10分となったところで鹿島はかなり荒いプレーが増えてきます。先生への危険なタックル、たまたま無事だったからよかったけど、絶対不要なラフプレーだったと思ってるからな。それはしたたかとは言わない。ものすごいヒヤっとした。本当に無事でよかった。
やまむーも落ちたところヒヤっとしたけど、受け身が上手で大したことなくて良かった。怪我はね、お互いにいいことないからね。

90分、少しの隙を突かれゴール前の混戦から1点返されましたが、余計な失点だったとは思うものの、中2日の影響も多少あったかなと。安西にいい形で持たせてしまうとやっぱりいいクロス上げられてしまうよな。荒木くんのポジショニングもよかった。鹿島の意地を感じました。

アディショナルタイムに入って知念がかなりいい形でカウンターを仕掛けるも、相手ディフェンダーに止められDOGSO疑惑。笑
VARないので介入ができないのと、隣にもうひとりディフェンダーの選手がいたのが主審と副審がジャッジを迷うポイントだったろうなと思いましたが、別に判定はどちらでもありかなと個人的には思っていて。そして抗議していた我が軍の選手たちも、抗議したところで覆らないのはある程度理解していたんじゃないかなと思っています。あそこで必要なのは、何より時間を消費することだろうなと。そういう意味ではしたたかになったなあと、眺めながら思っていました。結局はSPAで取ったみたいですね。

最後の最後でレオくんがフリーキックを蹴るも、惜しくも枠外に。そのまま逃げ切り、3-1でゲームセット。リーグ戦終了後も試合を観られることになりました。嬉しい。
気負い過ぎてはいなかったと思いますが、絶対勝ち上がるんだという気持ちが見えたいい戦いだったと思います。思った通りに試合を進めるのは簡単なことじゃありません。準備できたことは多くなかったと思いますが、できることを確実にやって見せ、勝利を掴んだ選手たちを心から尊敬します。

鹿島の戦い方の全部が間違っているとは思いませんでした。川崎Fが三笘くんや碧くん依存に陥っていた時、オニさんはふたりを重宝しながらもメンバーの入れ替えや戦術を色々と試していた時期があったのですよね。鹿島の場合は、調子のよかったエヴェラウドが明らかに調子を落としていて、荒木くんや個人の力で打開できる選手に負荷がかかっている状況が少し見られるなと。
チームの方針なのでどうこう言う立場ではないのですが、鹿島の場合はせっかく育った選手がどんどん海外に出て行ってしまう状況が続いていますし、試行錯誤の状況で耐える時間も必要なのではないかなあと少し思いました。どんなことやっても結果がついてきていたら成功だと判断されることもあるし、チーム作りって難しいね。

3.背番号14の後継者

今回の中盤トリオは本当にすごかった。私が書くまでもないのですが、ヤスくんが次の背番号14という声が以前よりずっと大きくなった気がします。
私は憲剛さんが引退を発表した頃から、何ならその前からも、背番号を継ぐのはヤスくんであってほしいとずっと思ってきました。

ヤスくんの意識が変わったな、と思ったのはシーズン序盤。憲剛さんが引退しいなくなったことを実感したのが最初のきっかけだったのかもしれません。更に、代表に追加招集された後からはもっと強くなったように感じました。その頃は、何とかしたいと思っているけれど何とかするまで至れていないと感じることが多かったです。

明らかに変わったな、よくなったなと思ったのは碧くんと三笘くんがいなくなって、リョウタがまた怪我をしてしばらく出られないとなった時。ピッチ上で、明確に考えて動いていると感じ取れるようになりました。今まではどうにかしたいけど、どうすればいいのかがわからず戸惑っているように見えていたのが、自分がゲームを動かすんだという意思を感じるプレーが多くなりました。プレースキックの精度も上がり、自分がチームを勝たせるんだと思ってプレーしていることが見える。
やりたいことの歯車が少しずつ噛み合って、今結実しているんだなということがプレーから感じられて、観ていてとても嬉しく、頼もしいです。

ヤスくんは、憲剛さんとも、リョウタとも、碧くんとも、他の中盤の選手たちとも違う。ひとりの個性を持った、観客を惹きつけられる選手です。
彼なら新たな14番の歴史を作ってくれるんじゃないか、そんな気がしています。

まずはこのプレーを続けること。そこから、代表の道も、プレースタイルの確立も、少しずつ明確に見えてくると思います。これからも川崎Fで見続けたい選手のひとりです。

4.今後の展望

リーグ戦が終わった後も応援しているチームの試合が観られるのは本当に嬉しい……!準決勝は12月12日、等々力で大分との対戦です。大分は史上初のベスト4だそうで……気合いが入っていそう。
昨シーズンの敗戦イメージを引きずっているのか、大分ってそこまで得意って印象ではないのですよね。一発勝負ということもあり不気味さがありますが、それ以上に大分は好きな選手が多いので等々力で見られる喜びがありますね。ほっくんは来るだろうけど、れいちぇるとか伊佐も来るかなあ……楽しみだなあ。

リーグ戦については前回のnoteでも少し触れていますが、1週間空くので戦術しっかり練りながらメンバー選出するのではないかなあと思います。
もしかしたら優勝が決まるかもしれない1戦、まずは自分たちが勝たなければ話は始まりません。
集中して一戦必勝の精神で挑みたいですね。


試合結果
--☆-☆-☆-☆-☆--
川崎F vs 鹿島
3-1
得点者

32' オウンゴール
48' 旗手 怜央
51' 脇坂 泰斗
--☆-☆-☆-☆-☆--

ヤスくん大活躍。気持ちのこもったプレー、大好き。

5.おまけ

毎度おなじみおまけコーナー。

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等々力に行く前にSHIBACOFFEEさんへ。カフェオレ派。美味しい。

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鹿島のトラック配色がカッコいいよなあ。すっき。

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肉巻きおにぎり美味しかった!

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唐揚げも美味しかった。天つゆ味。

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デザートはこんな感じで。シフォンとマドレーヌはお持ち帰り。

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いつもの。

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カブちゃんちょびひげついてたのめっちゃ笑った。

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やったー勝ったー!の図。

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アキさん何ともなくてよかった。。。

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鹿島はまだまだこんなもんじゃないと思っている。
まだ全然星の数は適わないけれど、強い鹿島を倒してこそ、胸を張れる気がします。

来シーズン以降はリベンジと思って乗り込んで来るはず。
何度でも越えてみせるから、何度でも戦いたい。
また等々力で会いましょう。



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