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#8 『アヤコとユキコ』(滋賀)

話し相手JAPAN TOURとは

関西圏に入って、なんかスイッチ入ったというか、テンション上がったのは覚えてます。

名古屋から、ひたすら歩き続けて岐阜に入って、なんかテンションは上がるわけでもなく、あ、いや、岐阜に罪はないんですよ。なので岐阜出身の方に喧嘩売るつもりもないんですけど、サラッと通り過ぎました、岐阜。

で、滋賀に入って「やっと、うどんのツユ透き通ったわ」みたいな「関西入ったぁ!」というホーム感というんでしょうか?

ただ、滋賀が関西圏かというと・・・いや、滋賀に罪はないんですよ、琵琶湖デカイし・・・いや、琵琶湖デカイけど、それしかなので滋賀もサラッと通り過ぎようと思ったんですけど、最初に会った滋賀県人が、キョーレツな2人組の女の子たちでした。

正直、顔は忘れたんで、別れ際にした『約束』は守れないかもしれないんですけど、『いくよ・くるよ』さんみたいな17歳で、あ、ビジュアルではなく会話のテンポが、いや、若干、ビジュアル的にも『いくよ・くるよ』さん的な要素は入ってましたね。

とにかく会話のテンポが、さすが関西人!という、こんな逸材が滋賀にいてたんか!という、まぁ、それも、ビジュアル込みやったんで、そう感じたのかもしれないですね。

『アヤコ・ユキコ』
あの2人元気にしてるかな?顔は忘れたけど・・・

『アヤコとユキコ』

「まぁまぁ、にいちゃん、ココすわり〜や」

2人に会って5分後、歩道に座らされたが、郷に入れば郷に従えだ。2人の歩道への座りっぷりが、自宅感満載やった。

(5分前)
時間は22時を回ってた。閉店してたぺットショップから先に出てきたアヤコに道を訪ねようとした時、ユキコはまだ中にいた。

オレ「悪いけど、このへんに24時間やってるファミレスとか知らんかなぁ?」
アヤ「ファミレス?ファミレスなぁ〜、ガストとかでもええん?」
オレ「おぉ〜、ガストあんの?ガストええやん、最高やん、ガスト、ベスト」
アヤ「なんや、それ。」

軽く韻を踏んだら、ものすっごい早いツッコミが来た。

アヤ「え〜っとなぁ、ナニで行くの?車?」
オレ「いや、歩きで」
アヤ「歩き?!けっこうあんでぇ〜」

そうこうしてたら、ユキコが(なんや、なんやナンパか?みたいな顔して)ペットショップのおばちゃんにひと声かけて出てきた。

ユキ「ほんならオバチャンよろしくなぁ。アヤコ、どないしたん?」
アヤ「なぁ、ガストってどこやった?歩いたらけっこうあるよなぁ」
ユキ「なに?ガスト?ガストってどこやったっけ?」
アヤ「ウチが聞いとんねん。」

オモロイ。この2人のテンポ、完全に漫才のテンポやった。

アヤ「ホラ、あるやんけ、あの『こんなとこ』の横の『こういうのん』の右っかわに」

よく分からんジェスチャーで『こんなとこ』と『こういうのん』を表しててんけど、アヤコのジェスチャーが、ユキコには全く伝わってない。

ユキ「なんやねん、それ。サッパリ分からんわ、あんたの動き。コレ(同じジェスチャーで)って、なんやねん」

たぶん、アヤコの『こんなとこ』も『こういうのん』も、ユキコの『コレ』も、そんなカタチをしてないんやろな、というジェスチャーやった。

アヤ「それやん、コレが、それやんけ。」
オレ「そやから、コレがわからんわ!」
アヤ「にいちゃん知らんやん、コレ」
ユキ「うちも知らんわ、コレ」

この2人、オモロ過ぎる・

オレ「で、ガストはあんの?」
ユキ「あるよ、あるけどな」
アヤ「この人な、歩いて行くらしいで」
ユキ「うっそ〜、けっこうあんで」
オレ「だいじょうぶやって、名古屋から歩いてきたから」
2人「・・・・・なぁ〜ご〜や〜?」

キレイにハモった。

さすがに東京から歩いてきたって言うても引くやろうと思ったんで、名古屋からって言うたけど、そら、そういう反応になるやんな。普通に考えたら、名古屋から歩いてきたって、十分オカシイわ。

アヤ「うっそ〜、にいちゃん何やってんの?」
ユキ「これ(テーブル)なんやの?」
アヤ「なぁ、にいちゃんいくつなん?」
ユキ「どっからきたん?」
オレ「質問一個にせぇや!」
アヤ「まぁまぁ、にいちゃん、ココすわり〜や」

で、歩道に座らされた。

ユキ「えッ、で、なにぃなにぃ」
オレ「いや、『なにぃ』やなくて、どの質問に答えたらええねん?」
ユキ「まずは、いくつ?やな」
オレ「おッ、いくつに見える?」
アヤ「めっちゃフケて見えるわ」
ユキ「ん〜、見える見える、フケてるわ、にいちゃん」
オレ「遠慮なしやなぁ。ショックやなぁ〜」
アヤ「苦労してんちゃうの?」
ユキ「あかんで、苦労は。ウチらもなぁ、めっちゃ人生波乱万丈やからなぁ〜」
オレ「お前らの波乱万丈はええねん!」
アヤ「そぉやなぁ〜、にじゅう・・・よん」
オレ「24?」
ユキ「うっそ〜、アヤコ、あんた、それはナイわ」

当時、33歳。まったく人を見る目がないアヤコの「24歳」発言に、さすがのユキコも呆れてた・・・と思ったら

ユキ「それは言い過ぎやで。それはカワイソウやわ。」
オレ「ん?」
ユキ「こんなん(テーブル)持って歩いてんねんで。24になってて、それはせぇへんわ。」
オレ「ん?ん?」
アヤ「まぁ、そうやろうけど、めっちゃフケてるやん」
オレ「・・・」
ユキ「にじゅ・・・に?」

なんか、鼻で笑ってもうた。
それを見てかどうか分からんけど、ユキコが、慌てて訂正した。

ユキ「やっぱ25かな」
アヤ「24越えてるやんけ!どっちやねん!」
ユキ「25、25の方で」
オレ「もう30越えてんで」
2人「・・・・・・さぁ〜ん〜じゅぅ〜?」

また、キレイにハモった。

アヤ「それ、アカンのちゃうの?」
ユキ「なにやってんの!歩いてんねんやろ?こんなん持って」
アヤ「うっそ〜、アカンてアカンて、30越えて、それは、ヤバイなぁ」
オレ「ヤバイことないわ!おまえら、いくつやねん!」
2人「うちら17やで」
オレ「じゅう〜な〜な〜・・・まぁ、そんな感じやな」

そんな感じやった。

普通に歩道に座って女子高生と話してるけど、いま、おまわりさんが来たら、完全に職質受けて、この2人が「このオッサンに声かけられて」みたいな言い方したら完全に捕まる感じだ。

アヤ「で、何やの、これ?」
オレ「テーブルやねん。しかも組み立て式やで」

せっかくなんで組み立てようとしたら

アヤ「ここで組み立てんでええわ。」
ユキ「なんでテーブルなんか持って歩いてんの?重いやろ、こんなん(ちょっと持って)うわッ、おもッ!」
アヤ「(ちょっと持って)うわ、こんなん持って名古屋から歩いてんの?頭オカシイんちゃう」

もう、東京からって言われへんようになった。

ユキ「テーブルなんか持ってナニやってんの?」
オレ「駅前とかで『話し相手』の全国ツアーやってんねん。」
2人「はぁ?」

だいぶ、ハショッてツアーの説明したら、東京から(ほぼ)歩いて来たのもバレて、ただ、その頃には、もう歩いて来た事の興味もそんなになく

アヤ「なに、それ!オモロッ!それ、オモロイわ」
ユキ「めっちゃオモロイやん。ウチらやったら、めっちゃしゃべるなぁ」
アヤ「しゃべりまくるわ、こんなん見つけたら。なんか、歌とか歌うわ」
オレ「歌うな!話し相手やのに歌、歌ったらアカンやろ!」
ユキ「なに言うてんの、ウチら歌めっちゃうまいで」
オレ「知るかぁ!歌うまいかどうかは、どっちでもええねん。」
ユキ「ホンマやって、昨日もな、ストリートミュージシャンが駅前にいてたからな『ちょっと、なんかひぃて〜や』って言うたら歌いよるから『あんた歌わんでエエねん。ウチら歌うからあんた弾いてたらエエねん』って言うて、歌ったった」
オレ「えげつないなぁ、お前ら。それストリートミュージシャンちゃうやん」
アヤ「カラオケ状態やったで」

滋賀5

話は、終結を迎える気配なく歩道で1時間近く盛り上がってた。
波乱万丈な人生の話のサワリ部分が始まって、鑑別所に入ってるアヤコの彼氏の話になった途端

アヤ「あんまり遅くまで遊んでたら鑑別入ってるあの人に悪いやん、ウチ帰るわ」

って突然の終結宣言。

ユキ「ほんなら、にいちゃん、がんばりや」
オレ「おうッ、おまえらもな」
ユキ「うちらめっちゃ頑張ってんねんて」
アヤ「それ(話し相手)オモロイから、頑張ったらええと思うわ」
ユキ「そやな、頑張ったら、なんかええ事あると思うで」
アヤ「あるある、ええ事あるわ」
オレ「なんで17歳に励まされてんねん、オレ」
アヤ「なぁ、有名とかなったら、メシとかおごってくれる?」
ユキ「あほやなぁ〜、あんた。ウチらの事なんか絶対忘れるって」
オレ「忘れへんわ!忘れられへんわ!」
ユキ「ホンマに?ほな、おごってや」
オレ「言うてこいよ、あの時のアヤコとユキコやで〜って」
ユキ「言うわ、そんなん絶対言うに決まってるやん!」
オレ「全力で逃げるから」
2人「なんでやねん!」
アヤ「にいちゃん、元気でな!」
オレ「まてまて、ガストどこやねん!」
アヤ「あぁ〜、忘れとった。やっぱあれは(ユキコに)『こんなとこ』の『こんなん』を右やんなぁ?」
ユキ「せやから、わからんて。コレでは!」

なんやかんや悪戦苦闘して道を教えてくれた。

オレ「だいじょうぶか?コレを右で」
アヤ「行ったら分かるって」
オレ「ありがとうな、気ぃ付けて帰りや、遅いねんから」
アヤ「だいじょうぶやって、ウチらは。なぁ!」
ユキ「せやな。やられる前にやるから」
オレ「やるな!やられたらアカンけど、やるな!」
2人「ギャハハハ〜」

だいぶ離れてから、2人が叫ぶように

アヤ「そうそう、そこのガストなぁ〜、朝2時までやでぇ〜」
オレ「えッ、うっそ〜!また、寒い時間に出なアカンやん・・・」
2人「うそプ〜」
オレ「しばくぞ!お前らぁ〜」

ガストのちょっと手前に『こんなとこ』があって、そこの『こんなん』を右やった。

滋賀4


アヤコとユキコの顔は完全に忘れたけど、滋賀出身の2人組にいつか「メシおごって」と言われたら、おごろうと思う、ガストで。

次回は、京都で惨敗して、大阪でのアレコレ・・・まで行けるかな?

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