水沢なおさんの「美しいからだよ」を買った

こんばんは。
今回の日記は感想文ではないです。理由は読み込みが浅すぎてまだ咀嚼しきれてなくて、中途半端な感想を書きたくないからです。ごめんなさい。


詩集なんて買ったのはじ…いや萩原朔太郎の全集ぶりで人生では2…いや室生犀星の詩集も買ってたから3回目…思ったよりあったわ
な感じで、エッセイは読んでも詩集は著名人しか読めない私ですが
Twitterで流れてきた水沢なおさんの「美しいからだよ」が中原中也賞を獲ったというニュース…

を見て、なんかよくわかんないのにビビッ!!!っときて2ヶ月ぐらい悩んだ末に購入しました。

図書館で借りようと思ってたんですが思ったよりマイナーめな出版社から出てるみたいで取り扱いがなく、既にAmazonでも買えなくなってたのでどうしても手元に置きたくなり思潮社さんの方に取り寄せました。


本当なんでかわかんないんですが「美しいからだよ」というネーミング、表紙の本、同じ大学卒の女性が書いたという経歴の全てに惹かれ本文を全く見ていないのにもかかわらずめちゃくちゃ気になったんですよね…。
前もそんな感じで田中慎弥さんの共喰いや谷崎潤一郎の春琴抄を買ってました。こういう運命的な出会いする本って不定期に訪れるよね。


ちなみに現代詩は何回かチャレンジしようとして有名な人やつ読んだこともあるんですが(名前は出しません)魅力をいまいち感じていない人のポエジーが受け付けなくて無理でした。
私は権威厨なので著名な人、例えば萩原朔太郎とか北原白秋とか中原中也みたいな著名な人の描いた詩なら読めるんですが…


で感想なんですが、めちゃくちゃ良かったんですよね。
2000円するわりに本の厚さが微妙なんですが、全篇ハズレがなかったんで出す価値がありまくるなーと。。
ハズレ曲一曲もないアルバムを中古屋で見つけた時の気持ちですよ。

事前にTwitterで見て気になってた「私を戦わせて」はとにかく期待を裏切らない出来でめちゃくちゃ好きだったんですが、他の詩もハズレが1つもなくて好きでした。
思ったよりエロティックで湿っぽい、あと身体感覚を使った詩が多い印象だったかな。
あと国分寺みたいな地名が水沢なおさんと同じ大学に通っていた私にとってはすごく生々しく感じられて「おーこれは本当のことを書いてるなー」と思いました…この感覚はうまく文章に書けないのだけど…

毎日一般企業で働いている私としては、この本全体から感じる美大生っぽい感性がすごくフィットするというか…一般的に見たらマイナーなんだけど、その筋の人から見たらすごくありがちというか…そういう美大生っぽい感性があーわかるわかる、みたいな感じで読めて心地よかったです。


ご本人のブログやSNSも気になって見たんですが、変なナルシズムのない正統派な文章なのがとっても好印象で余計に好きになりました。
若い詩人って割と普段から関係ないところで詩を書き出すイメージあって結構その辺が苦手なんですよね…。

中原中也賞の評価を読むと小説みたいな文体で読めるところが評価されたみたいな記憶なのですが、私は小説みたいな形態になっている作品よりは正統派な短い文章が連なって書かれた詩(これなんか呼び方あるんですかね)の方が好きだなーと思いました。

流石に青空文庫にあるような作品と違って著作権切れてないと思うので抜き出して掲載はしませんが、まじで説明できないんですけど全てが良かったんです。美しくて。
美しさのかたまりみたいな本で買ってよかったなーと思いました。

あと作者さんがなんかの媒体で言ってた、「先生が一番美しい芸術は詩だと言ってた」みたいな(うろ覚えです、間違ってたらすいません)言葉がここ最近頭から離れません。
私は映像が好きだと思ってたけどもしかしたらポエジー的な、詩的な…つまり詩が好きなのかもしれない…と考えてしまい、何を見ても私はひょっとして映像を通して詩が描きたいのかな…と思うようになりました。


作品の感想を書きたいんですけどマジであまりに美しすぎて一回読んだぐらいじゃ咀嚼し切れなくて、あと5、6回読んで自分の中で固めてからじゃないと感想書けないなーと思ったので今回はこんな感じの日記になりました。

久々に買って良かったーと思った本です。
誰も絶対この日記見て買ってくれる人はいないと思うんだけど本当にオススメ


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