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ペンギンの潜水能力のひみつ [1]

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生物の科学 遺伝 2019年1月号『特集 ペンギン ー行動と研究最前線』に寄稿した内容を分割して公開しています

元記事のPDF↓

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ペンギンは空を飛ばない。その代わりに彼らが獲得したものは一体なんだろう? バイオロギング研究によって明らかになったペンギンの潜水能力と,それを支える生理メカニズムや行動パターンを見てみよう。

1. 潜水に特化した鳥

ペンギンは,空を飛ぶ能力を失った代わりに水中で動き回ることに特化した鳥である。彼らは一体どんな武器を手に入れて,潜水能力を身につけたのだろう。

ペンギンがどのように潜水に適応しているかについては形態,行動,生理,などさまざまな側面から考えることができる。しかし,時に100 m 以上もの深さまで潜るペンギンたちの水中での行動,ましてや体内で何が起こっているかを私たちが直接観察することなど到底できない。

そこで,その困難を打開するために開発されたのがバイオロギングとよばれる研究手法である。 バイオロギングでは記録計(データロガー)を動物の体に直接取り付けることで,水中でも空中でも彼らの行動や経験した環境に関するデータを私 たちに代わって記録し続けてもらうことができる。 動物の体内に装着したセンサによって,生理パラメータを記録するデータロガーもある。バイオロギングのおかげで,直接観察したとしても得られないような種類のデータまで記録できるようになり,ペンギンを含む潜水動物に関する理解が飛躍的に進んだ。

本稿では,バイオロギング研究によって明らかになったペンギンの生理面,行動面での適応に注目することにした。最初に,ペンギンの潜水能力はどのくらい「すごい」のかを概観してから,そのような潜水能力を実現している生理メカニズムや行動パターンについて紹介する。


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