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飲食店の現状と今後の展望を考えてみた

読者の皆様。このnoteを開いていただきありがとうございます。
都市部を中心に急増する飲食店のランチ導入。前半は、ナゼランチを始めることが飲食店にとっての駆け込み寺的役割を果たしているのか、その背景と仕組みについて言及し、後半は今後どのように施策するべきなのかを言及してみました。

【ランチの目的】

そもそもなぜ夜は8000円の単価を付けているお寿司屋さんが1000円の12貫握りをお昼に提供するのでしょうか。

夜の店内飲食への誘致と考えた方もいるでしょう。少し話は逸れますが、2017年頃にかなり話題になったランチパスポート。1000円の冊子を買えば、500円で750円以上の特定の料理を購入することができるというものです。一見すると、ワンコインで初来店の障壁を下げ夜の店内飲食へと繋げるための効力はありそうです。しかし、昨年度には対象エリアが100→20まで激減したりとかつて程の勢いは有りません。安さを目当てに来るお客さんにはそのお店の良さがわからないという話ではなく、そもそもランチに来るお客さんと夜のお客さんの客層がそもそも違うというのが焦点です。ですからランチでどれだけお客さんを集めても広告媒体としてのディナーへの顧客転換率は見込めないということです。

また、ディナーとランチで価格帯に開きがあると、ブランディングに影響してきます。単価の高い飲食店さんは、単価が高くても継続できる理由があります。例えば、立地が良いと家賃も高くなりや食材に関わるコストが高いということです。そうなるとランチで単価を安く設定してしまうとより、昼と夜で顧客層がより分断されてしまい、ブランディングに影響を与えてしまいます。ランチの需要があるということは周りにオフィスがたくさんあり、また人通りの多い通りが近くにあるということです。ですから、そういった場所にはランチで稼ごうという飲食店が激戦しており、単純にランチの単価を高くしてしまえば価格競争ですぐに負け客足が遠退いてしまいます。

ではなぜ、数多の飲食店はランチを低価格で提供できるのでしょうか。

結論から言いますと、総売上に対するFL・家賃比率を下げるためです。
まず、Foodに関して言及していきたいと思います。ランチで日替わりメニューや売価を低くしているのは減価償却をすることが目的と言えます。ランチをせずに減価償却することを考えると、ディナーの注文数に依存するため、減価償却のコントロールをすることが難しくなります。

次にLaborについてです。これは正社員に限った話になりますが、給与は一律でバイトのように時給で働いてもらうことは出来ません。ということは、労基に触れない範囲で働けるだけ働いてもらう方がコスパはいいと言うことが出来ます。

【なぜイマ?】

ディナーへの客足が遠のく一方、飲食業態は他の業態に比べ、Foodコスト・人件費・家賃等の固定費が掛ります。
コロナ禍によって最大200万円の給付金を国が捻出し、ある程度キャッシュを持っている飲食店は、出費を最小限に抑えつつ、ランチによって薄利なりにも利益を上げつつ固定費を恒常的に生み出そうとしています。これが昨今、ランチを開始する飲食店の急増の理由だと私は考えています。

オフィス街に居を構える店舗は以前よりランチでの売上を確保でき、緊急事態宣言解除・営業時間短縮要請を受けたとしても、郊外店舗と比べると比較的に被害は少なそうです。

一方郊外の店舗は、オフィス街のように薄利多売で成り立つほどのサラリーマンに向けたランチ需要は低いと言えます。一方で、ターゲットを変え、気軽に子供を連れていけるような専業主婦向けにメニュー開発をし、減価償却を狙いに行くというのも一考の価値はあると思います。

最も大変なのは都市部に有りつつも、オフィスが近場にないエリアつまり歓楽街にある店舗です。すすきのでもクラスターが数件発生したり、小樽では昼カラなどでも発生していたりと、この時期に人の密集する地域に足を運ぶ人からの感染ですのであまりイメージ自体がよくありません。WoltやUberEats等のデリバリー業態も参入はしては居るものの、売上に対する3割の手数料によるアプリ内表示価格の高騰、利用者へのデリバリー費用もかさみ気軽に手が出るような業態でないことは確かです。
実はもう一点、デリバリーにおける深刻な問題があります。通常、飲食店は食べ物のジャンルを決め、売価とターゲットのすり合わせをした上で料理が店頭に並びます。売価に対しWoltは30%、UberEatsは35%、手数料として支払わなければなりません。飲食店の利益は通常3-4割ほどと言われております。つまり理論上、アプリ内売価を店頭価格×130-40と設定する必要があるということです。話を戻すと、売価とターゲットのすり合わせが店頭でしているものから大幅にずれるということです。ユーザーからすると一杯500円の牛丼がデリバリーサービスを通すと700円(アプリ内売価)+400円(デリバリー費用)、つまりいっぱいの牛丼に1100円支払わなければいけない計算になります。売れる売れないという話の前に、この記事を読まれているあなたはそのような商品を購入したいと思いますでしょうか?
逆説的に言えば、こうしたシステムをうまく利用し商品開発をすれば、デリバリーサービス内で他店舗との差別化を図れ販促を期待することができると言えます。

一方で、高級志向の飲食店では接待弁当・会議用の会食弁当等で単価の高いお弁当の需要が高まっている傾向に相乗りし売上を上げている飲食店もあります。また、そういった飲食店を集め広告代理店的プラットフォームを運営している事業もポコポコ出てきている印象です。

つまりは、どういった形であっても店内飲食+αの対応が求められていると言えます。

今回の記事を通し、少しでも今後の展望を体系的に考えられるきっかけになればと思います。では次回の記事で会いましょう。

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