見出し画像

謎だらけの傑作!

日めくりルーヴル 2020年2月24日(月)
  ヨハネス・フェルメール『レースを編む女』(1669−1670年頃)

私の興味は まだフェルメールにたどり着いていないのですが、
  “主題や構図、糸の表現などフェルメールらしい傑作”
  “巨匠たちから大絶賛”
という解説を読んでいたので、実物を見てみたい!と思っていました。

ルーヴル美術館・リシュリュー翼 3階は、時間制限のあるツアー客は行けない場所なのでしょうか、ほとんど人がいませんでした。
また 縦23.9 × 横20.5cm とA4サイズの用紙にスッポリ隠れてしまう小さい作品のため、気をつけないと通り過ぎてしまうのかも知れません。
今回、誰もいないスペースでじっくり鑑賞する幸運に恵まれました。

画像1

2018年<フェルメール展>でひと部屋に並んだ作品を見て以来のフェルメールです。
黄、青色やポイントにした赤、白色の調和が美しい。
そして何より光!本作では窓は描かれていないのですが、間違いなく画面 右上にいつもの窓が見えるような気がします。窓からの静かな光によって糸がキラキラ輝いています。光が差し込む音だけが聞こえてしそうなほど この部屋には澄んだ空気が漂い静かな時間が流れているのです。
あれっ?
彼の描く窓はいつも画面 左上にあるような気がしたのですが、この作品の光は右上から入ってきますね。あれれ?他の作品にも右上の窓はあるのかしら?

画像2

あら?絵に極限まで近づいても何だか全体がボヤけています。
女性の手元にある2本の糸だけはクリアなのですが、何を編んでいるのかよくわかりません。
前景にある白と赤色の糸束も大袈裟なまでに粗雑。女性の顔もピント外れで彼女が何を考えているのか想像を広げることも難しいのです。
私の眼のレンズがピンぼけを起こしているの?老眼ですかね😅
それともフェルメールが、カメラ・オブスキュラなる物を覗いたその映像を再現しているのでしょうか。

“このぼやかしによって女性がレース編みに集中していることが強調されている” という解説を読んだことがあります。うーん🤔
こんな小さな画面でわざと周囲をぼやかすなんて…。
フェルメールの意図は本当に成功しているのでしょうか。

専門家が“傑作!”というのですから、傑作なのでしょう。
しかし私にはとても不思議な作品で、謎だらけでした。
まだまだフェルメールに近づく道のりは長いようです。修行を重ねることにします。

ちなみに『レースを編む女』は、フェルメール作品として初めて1870年にルーヴル美術館所蔵となった一作。1983年に『天文学者』がやっと2作目として加わったそうですよ。
並んで展示されている『天文学者』については、別の機会に投稿しますね。

画像3

                   <終わり>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?