【イベントレポート】 Communication Design Night vol.6_ノベルティで、つながる。
Comminication Design Night、略してコムデナは、主に事業会社でコミュニケーションデザインやグラフィックデザインに関わる方に向けたイベントです。それぞれの企業で、デザイナーが得た知見や悩みを共有できる場としてLayerXが企画・運営しています。
第6回は「ノベルティ」をテーマに弊社オフィスで開催いたしました。
ノベルティは第1回で大好評だったテーマで、再び参加者が制作に携わったノベルティやグッズを持ち寄って、知見を共有する会となりました。
今回の企画と登壇では、株式会社コンセントさんにご協力いただきました。ありがとうございました!このレポートでは当日の様子についてご紹介させていただきます。
第1回を含むこれまでのコムデナや詳しい開催の経緯ついてはこちらの記事もぜひご覧ください。
🎁今年もたくさんのノベルティが大集合!
来場者の皆さんにノベルティを持参いただくスタイルでお送りしました。
まず一部を写真でご紹介します!
🎤メインLT:様々なアプローチで生み出されるノベルティ
ノベルティ展示のお隣で、2社4名によるLTを開催しました。
プレゼンの内容から一部をご紹介します。
『ウェルカムを伝えるノベルティの話』株式会社コンセント コミュニケーションデザイナー /鈴木 芙美乃さん
鈴木さんからは、新卒入社という人生で一度きりの特別なイベントのための二つのクリエイティブについてお話いただきました。
「ひらくを伝える」内定証書
コンセントさんには毎年、内定者向けに先輩デザイナーがオリジナルの内定証書を作成する伝統があります。証書を開く動作で絵柄が変わる仕組みを取り入れ、特別感を演出。「デザインでひらく、デザインをひらく」という会社のミッションと、内定者が自分の持つ個性をひらいて欲しいという思いを込めているそうです。ひとつひとつ手作業で丁寧に折り、封筒やシールなども一貫したデザインで作成しました。
歓迎ビール「CLAP BEER」
新卒1年目の社員を迎える新歓のために、2年目社員と社内のビール好き有志団体が協力して制作したビール。木内酒造さんのクラフトビールにオリジナルのラベルをデザインされています。「歓迎」に加えて「研修お疲れ様」の拍手の意味を込めた名前と、新卒社員11名をイメージしたカラー+コーポレートカラーの12色で構成されています。ラベルに関連した拍手のマークのステッカーも制作することで、新歓で社員が自由にデコレーションするなどより会を楽しめる工夫もされていました。
社内向けで比較的コストのかからないアイテムを選びつつ、どんなふうに使われるか?という体験や、美しいグラフィックに徹底的にこだわって品質を高められている事例でした!
『考えられる選択肢はすべて机上に。試しながら、柔軟に、着地する。』株式会社コンセント コミュニケーションデザイナー /佐々木 愛実さん
続いて、同社の佐々木さんからはバラエティ豊かなノベルティについてご紹介いただきました。
パペットぬいぐるみ
「クオリティ爆上げ委員会」という内部プロジェクトのマスコットキャラクター「クオりん」のパペットを制作。手芸店での布の選定から立体化した際の違いや、動かした時の視認性や可愛らしさを重視して細部を調整されたそうです。
食パンのバッグ・クロージャー
佐々木さんのアーティストとしての活動である、パンをキャンバスにしたアート作品「Art on Toast」。その活動の一環で、食パンを留めるバッグ・クロージャーのデザインと制作に挑戦しました。バッグ・クロージャーの権利関係から確認し、形状や質感を検証しながら、レーザーカッターでアクリル板を加工し、食パンのサイズに合わせて最適な形状を探求。プロトタイプを何度も試作して完成させました。
ノベルティは立体物であり、厚み、重さ、質感など色々な要素の総合的なバランスによって品質が左右される中、考えられる選択肢をとにかく机上に載せ、試行錯誤する中で最適な方法を選択するということが大切と、佐々木さんは考えていらっしゃるそうです。作りたいもののためにまず素材をみにお店に行ってみること、実際に作って試してみる、ということを徹底されていることが印象的でした!
『体験というノベルティ』 株式会社LayerX バクラク事業部 デザイン部 / 森 浩明さん&髙橋 遼太郎さん
弊社からは、デザインシップでの体験型ブースのノベルティの制作の背景と過程について担当した二名のデザイナーからお話ししました。
ブースを通じて何を伝え、感じてもらいたいのか考えた際、採用におけるブランディングとして「“LayerX らしさ” をブースで感じてもらいたいこと」に加えて、「ブースで必ず行われる名刺交換をもっと楽しいものにしたい」形式的な行為を、もっとクリエイティブでインタラクティブな体験に変えたいという想いがありました。
来場者の方から受け取った名刺から抽出した色に応じた名刺入れをノベルティとしてプレゼントするというアイデアから出発しましたが、予算、多品目、小ロットという、ノベルティ作りならではの困難に直面。
そこで当たり前を見直し、紙を折ることで名刺入れを作るという発想の転換を行いました。さらに、当日折り紙を現場でプリントすることで、その人だけの特別なパターンの名刺入れを作る方向性に着地させ、多くの方に楽しんでいただくことができたそうです。予算がないから希望通りのノベルティは作れない、と諦めてしまうのではなく、ゲームを変更しより良い体験に変えることができたという点は普段の政策でも取り入れたいなと思いました。
実現のためにプログラミングや3Dプリンターも駆使した、制作についての詳しい内容は髙橋さんのnoteでご覧いただけます!
🍻懇親会:実物を見ながらミニプレゼン!
後半の懇親会のはじめに、事前に応募いただいた方に2分程度のミニプレゼンをしていただきました。ノベルティの制作秘話を実物と見比べながら伺えて非常にワクワクしました!
⭐️おまけ:二度目のノベルティ回の開催にあたっての工夫
コムデナはリピートしてくださる方にも楽しんでいただけるように、これまでテーマや懇親会の形式を毎回変えてお送りしてきました。
その中でもノベルティは、また開催して欲しいというお声を多くいただく人気のテーマで、1周年を迎える今回もう一度実施することにしました。
開催にあたって、一度目で改善したかったことを今回いくつか取り入れました。イベント開催の際に参考にしていただければと思います🙌
ノベルティの台紙をA4からA3サイズに
配置する場所をわかりやすくする台紙を前回に引き続き用意しました。前回のサイズだと、大幅にはみ出してしまうケースも見られたため、倍のサイズにしてみて、ちょうど良さそうでした。
食べ物をこぼさないよう個包装のおにぎりとサンドイッチにし、取り皿をやめる。
食べ物のこぼれリスクを考慮して選定してみました。(サンドイッチが食べられない方向けにおにぎりも用意しています)ただ、飲み物を置きたいシーンは一定あったので、スペース自体区分けするか、ドリンクホルダーなどを来年は用意できるといいのかな…次回の課題です。
ミニプレゼンの導入
制作秘話を広く聞いてみたい!という声をいただいていたので、今回初めて導入しました。全員に聞いてみたい気持ちもありましたが、時間の関係や発表は少し恥ずかしい、という方もいらっしゃるので希望者による抽選にしています。
受付をして、ノベルティを並べて、どういう並びで座るのか、イベント開催はコミュニケーションのデザインだなあ…と今回も考えを巡らせながら準備しました。
超手作りのイベントですが、毎回、楽しかった!と感想をいただけるのが励みになっています。より楽しく、快適に過ごせる会にできるよう頑張ります!
🗓️次回予告:次回は1月!コムデナvol.7 【後日更新予定】
さて、次回のコムデナは来年、1月16日木曜日の夜を予定しています。
詳細が決まり次第noteやXにてお知らせしますので、お楽しみに!
執筆:LayerX 住岡梓 X :@azusanpome
コムデナを運営しているLayerXでは、デザインマガジンを定期的に更新しています。ぜひフォローお願いします!