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債務整理の豆知識~消滅時効と支払督促~

大昔の借金について、裁判所から書類が届いたのだけど…というご相談はよく受けます。

裁判所から書類が届いた場合、①いわゆる通常の裁判の場合と②支払督促の2つのパターンがあります。

今回は、②の支払督促のパターンをご説明したいと思います。

1 事前準備

まずは、裁判所からの書類を受け取ってください。
郵便局の不在票が入っていた場合には、再配達などで受け取るようにしてください。無視するのは得策ではありません。

2 内容確認

次に内容を確認します。消滅時効が成立しているかのチェックをすることになります。ご自分で確認するのが難しければ、速やかに弁護士に相談してください。

3 異議申立書の提出

消滅時効が完成している場合、支払督促を受け取ってから2週間以内に裁判所届くように、異議申立書を裁判所に提出してください。

異議の理由は、「消滅時効を援用します。」と記載しておけば良いでしょう。逆に、分割払いを希望するをチェックしてしまうと、後日時効を援用できなくなる恐れがありますので、ご注意ください。

この異議申立てがなされた時点で、支払督促の手続を取り下げる債権者もいます。取り下げられた場合は、支払督促手続は終了です。

いずれにしても、裁判手続と並行して、内容証明郵便を送付することで、時効援用の客観的な証拠を残しておくべきだと思います。ご自分で対応するのが難しければ、弁護士にご相談ください。

4 通常の裁判手続

支払督促に対して異議を提出すると、取り下げられない限り、通常の裁判に手続が移行します。

通常の裁判手続に移行すると、裁判所から書類が届きます。

この書類の中にある、「答弁書」という書類に、「時効を援用(主張)する」旨を記載し、提出します。

債権者によっては、答弁書提出後に、取り下げてくる債権者もいます。その場合は、取り下げられたことにより裁判手続は終了になります。

この段階で、内容証明郵便を送付していない場合には、別途、内容証明郵便を送付し、時効援用の客観的な証拠を残しておいた方がよいでしょう。

5 債権者が反論してきたときは?

もし、答弁書提出後も、取り下げられず、債権者が争う姿勢を見せる場合には、債権者からの主張書面が提出された段階で、弁護士にご相談していただければと思います。時効中断事由の有無、信義則違反など、法的に難しい論点が出てくることが多いため、ご自分で対応するのは容易ではないと思います。


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