
プロスポーツクラブ初のICO実施計画の発表。プロスポーツクラブとICOの相性
2018年6月21日、B.LEAGUEに所属するバスケットクラブチーム「熊本ヴォルターズ」を運営する熊本バスケットボールが、プロスポーツクラブ初となるICO実施計画を発表いたしました。
ICOに関してはつい最近岡山県西粟倉氏が地方公共団体として初めてICOを実施したことでも話題になりました。
今回の熊本ヴォルターズのICOには、ブロックチェーン技術の一つであるスマートコントラクト活用に利用可能な「Ethereum(イーサリアム)」のトークンを利用しています。暗号通貨技術はインフラレイヤーでの基盤が発展途上なことであり、堅牢性が高い水準で検証済である技術はBitcoinとEthereumとその他少数程度であもあります。今回はICO発行に適した技術性質を持ったEthereumを利用したことは通常の選択であると考えられます。
今回は、ICOのスポーツクラブでの利用可能性を解説していきたいと思います。の、前に少しだけICOについて解説だけしておきます。
ICOの簡単な解説
ICOとは「イニシャルコインオファリング」のことで、資金調達を行う企業が暗号通貨(トークン)を独自発行し、そのトークンを個人や企業に購入してもらい、購入金額がトークンを発行した企業にお金が入る仕組みを言います。
株式会社においては「IPO」にて新規株式を株式市場を通して、一般の個人に販売することをいい、最近だとメルカリがIPOを行い個人投資家から人気の株式となっています。それが「株式」という仕組みを取らなくても独自のトークンを発行して資金調達を行うことができることができるのがICOです。
テレグラムは既にICOを通して約1870億円の資金調達を行い、先進国のスタートアップ企業の中でもわざわざ「株式」という仕組みを通して資金調達を行う必要があるのかという疑義の話題が活発になってきています(とはいえ、IPOは資金調達目的よりも公的存在として社会的信用力を得ることが主目的ともなりつつあり、主要なルートであることには間違いありませんが)。また、現在のICO市場は正当な事業を背景としたもの以外のプレイヤーの参入もあることから、個人投資家としては十分な調査の上、参入することを強くお勧めいたします。
トークンは、基本的にはクラウドファンディングのような性質を有していますが、クラウドファンディングと比べ、より分散/拡散する性質を有しており、独自の経済圏を構築する上では有利な特徴を保有しています。トークンの優れた点は、日本円を寄付して終わりではなく、購入したトークンを利用して参加企業の商品を購入できたり、トークン自体を売買できたりと分散した性質を兼ね備えているのです。
詳しくは、「Ethereum(イーサリアム)」の技術説明をまじえるとよりわかりやすくなるのですが、ここでは割愛し、スポーツクラブチームによる利用がどのような意味を持つのかを解説していきたいと思います。
特にスポーツクラブ単体では経済圏としての意味が薄れますので、地域通貨としての意義をどれくらい反映するかが設計上のポイントとなります。
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・熊本ヴォルターズのICOスキームとその意義
Ethereumのトークン・KVC(Kumamoto Volters Coin)
地域通貨発行の経済的意味・経済圏の意味合い
KSPとDAの性質
中央者不在のデジタルアセットの必要性
・スポーツクラブでICO利用を行う意味を問う
テクノロジー予測と、ICO利用の予測
地域経済圏の未来予測