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Jリーグが #eスポーツ に参入する意味を探る。

先日、Jリーグがeスポーツ大会として「明治安田生命eJ.LEAGUE」を開催することを発表いたしました。使用するゲームはEA社の「EA SPORTS FIFA 18」となりました(ウイニングイレブンじゃなかった、というのが色んな意味でポイントですね)。

eスポーツ参入の意義

世界的な文脈でいうと、すでにeスポーツはスポーツ競技の文脈として入り込んでいて、これからまさに産業として発展していきます。Jリーグの発表にもある通り、2022年に中国杭州市で開催の「アジア競技大会」では正式種目入りしています。

昨今では市場規模も11億ドルにまで達しており、日本でもエンターテイメントの一種として広告ビジネス期待という側面と、新たなタレント誕生によるタレントマネジメントという側面の2つで期待が寄せられています。

以前(適当に)書いた、市場規模的な分析記事は以下となります(総合的な分析ができなかった当時に勉強がてら書いた記事です汗)。

この広告ビジネス期待の側面と、タレントマネジメントの側面がキーワードで、それゆえに参入プレイヤーがサイバーエージェント系でもアドの部隊(CyberZ/AbemaTV)と、タレントの部隊(Cygames/AbemaTV)に側面が分かれています。また、後者のタレント部隊では吉本興業が参入しており、新たなスタープレイヤーの排出からのグローバルな領域を明らかに狙ったものと言えます。

これらの今後隆起するeスポーツビジネスにJリーグとしてはどのような期待値で参入したのでしょうか。

Jリーグがeスポーツに参入する意義を考えてみる

まず注目すべきは、大会の運営構造です。

Jリーグ公式発表より引用)

J1クラブ15クラブを代表して出場する選手を推薦選手枠として、予選ラウンドに勝ち残った選手をトーナメント形式で戦い、日本大会優勝者がグローバルシリーズに進出、そしてFIFA eWorld Cupに進出する形式となっています。

そのため、起案者はFIFAであり、ゆえに採用されたゲームもウイニングイレブンでなく、EAの「EA SPORTS FIFA 18」であることも見えてきます(直近の世界での売上高は競えてすらいないレベルで差がついてしまってます)。

ゆえに、国内でのJリーグでの選択肢としては、このグローバル大会が開催されることを前提に、参加しますか「はい/いいえ」という局面でしたので、これに参画するハードルとしては国内でのスポンサー探しくらいの難易度だったと思料します。そして国内でのスポンサーが基本的には「明治安田生命」となり、Jリーグからすると古くからお付き合いのあるスポンサーが見つかった構図なのでしょう。

そしてリーグビジネスとしての親和性と、各クラブの収益源の確保の見通しが基本的に高いことが推察されます。リーグビジネスの親和性の話は長くなるのでここでは割愛して、各クラブの収益源の確保にスコープを当てます。

各クラブの収益源の確保

クラブビジネスで最も重要なものの一つは、とにかく自前スタジアムの確保です。なんどもその重要性は自分の色々な記事でも唱えてきましたが、自前スタジアムはその莫大な建設費用の割に、リクープが難しいビジネスでもあります。

例えば、なぜ東京にJリーグクラブがないのかの問題は、スタジアムの問題も大きく関連します。Jリーグ発足がちょうどバブル経済期であり、東京でのスタジアム確保が難しかったことなども関わってきますが、東京23区内にビッグクラブを作る構想は常にあります(以下がご参考になれば)。

自前スタジアムを建設することでサッカー選手やサポーターファーストを兼ね備えた専用スタジアムを建設することができ、周辺ビジネスも含めて自由度の高い経営をすることが可能です。成功事例はプロ野球には山ほどあり、ソフトバンクや最近では横浜ベイスターズが成功事例と呼んでいいでしょう。

ここで難しいのは、莫大な建設費を建てたスタジアムですが、Jリーグのホームゲームでの試合は年に20回程度で、その他の300日以上を別の目的で稼働しなければならないことです。そのため、集客が見込めるコンサートやライブでの利用ができるスタジアムであることが重要で、アクセスや駐車場も、コンサートやライブありきでの設計がスタジアムビジネスでは計算されています。

しかしながら、福岡、横浜などの大規模都市でなく、地方スタジアムでは著名アーティストのコンサート誘致も難しいのが実情で、その他の集客できるエンターテイメントの確保がとても重要になります。それもスポーツに関連して入れば、自サポーターとのシナジーも見込めます。

その意味で、eスポーツという文脈がでてくるのです。

そして今回のJリーグの発表であったのが、各J1クラブから推薦選手を1名選出する方式であったこともそのような意味合いが含まれていると推察されます。自クラブの推薦eスポーツ選手であれば、サポーターは応援の対象となりますし、予選ラウンドでのダービーマッチや世界大会に進出したとなれば、地方クラブは大盛り上がりいたします。

今回の大会で生まれた自クラブのスター選手を、実際のサッカーのホームゲームにてハーフタイムでゲームを披露したり、別の日に一般人も参加可能なeスポーツ大会を開催することも考えられます。各クラブは地元での集客や運営に長けていますので、その優位性を生かした事業を作り出すこともできます。ボストンレッドソックスの経営の多角化の事例もあります。

リーグビジネスから見れば、新たな放映権料の創出も期待でき、その分配金という意味合いでもクラブにメリットがあります。本丸はリーグビジネス側にあるのですが、クラブ運営という意味で今回は取り扱いました。

そのため、今回の発表を受けて、各クラブは本気でこのeスポーツ選手を確保することです。ここでスター選手を生み出せることの意味を適切に評価して、今日から実行することです。

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SaaS、サブスクリプションビジネスの事業責任者をしており、趣味でスポーツビジネスについてよく調査しています。

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