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なめられまくった私の指導、変化

ゆずれない
オドオド
利己的な理由で叱る


初任や2年目、そして3年目の前半ここがかなりブレていた。

だから、芯が子どもたちに伝わらなかった。

1時間目の図工

ペタペタころころ

子どもたちは楽しみにしていた。

机を下げ、説明をはじめる。

Yくんが最も姿勢良く床に体育座りをしていた。

すかさず褒めた。

「今、Yくんがみんなで100点のきっかけを作ってくれました!」

自然と拍手が起こった。

模造紙を用意した。

さて、ここから絵の具やローラーの説明だ。

皆が準備をし、座った。

すると、Yくんのみずっと立っていた。

私は「Yくん、座りましょう。」

そう指示した。

しかし、座らない。

闘うという選択をした。

なぜなら、突き通すべきだと思ったからだ。

なめられたくないから?

負けたくないから?

違う。

皆がそちらに注目が集まる。
集中が落ちる。
Y自身も作品作りが始まった際、困る。

だからこそ、座らせるという選択をした。

子ども主体の意図があった。

しかし、闘い方はよくなかったと省みる。

なぜなら、だんだんと圧をかけ、語気を強めた上からの対応であったからだ。

皆はじっと体育座りをしながら、私とYの闘いを見守っていた。

しかし、痺れを切らし
「Y、座って。」
「図工始められないよ。」

誰も怒鳴らなかった。
イライラを彼にぶつけなかった。
その優しさに感謝した。

彼は途中でスタスタと逃げようとした。
いたたまれなくなったのだろう。

その中で2人の男の子が道を塞いだ。

きっと“仲間”だからという思いやりがあってのことだと推測した。

「大丈夫、Yは戻ってくる。」

そう皆に伝え、作業を開始した。

学生の方がいらしていたので、廊下にいる彼と話してほしいとお願いをした。

全体の動きが安定し、
数分してから私も彼の元へ向かった。

学生さんは
「話しかけても反応がありません。」

そう言って私とバトンタッチ。

懸命に話しかけてくださったようで、感謝の気持ちを伝えた。

さて、彼は下げられた机の一席に座っていた。

1番教室に近い席だった。

遠いところや階段の踊り場まで行けたのに、だ。

「なぜ座らなかった?」

それは言わない選択をした。

「Y、どうしたん?」
反応なし。
「みんなやってるぜ。一緒に行こうや。」
首を振る。
正直な考えを伝えた。
はじめての伝え方だった。
「Y、ごめんな。先生強く言いすぎた。ごめん。」
ちょっと顔が上がった。
彼は見ていないが肘をつきながら謝ったので、いけないと思い、肘を下ろして再度謝罪した。
「先生な、Yが立ってたらみんなが困ると思ったの。そして、君自身も困ると思ったの。みんなの集中は先生ではなく君に言ってしまう。そしたら、全員が作品作りの勉強に進まないんだ。君も含めてね。」
「だから、あれだけ言ったの。」
「Yは立ってることがよくないことだとわかってるんだよね?でもやっちゃったんだよね?」
いつもなら無反応。でも、今日は頷いた。
「そっかそっか。そうだよね〜。先生もね、あるある。」
子どもの頃を思い出しながら話した。
「Yの戻るタイミングでいいから戻ってきな。きっと班のみんなは待ってるから。」
首を振る。
「ここ、開けとくからね。」
彼の後ろにあるドアを開けておき、私は教室に戻った。

途中、ほとんどの班が少しできてきたところにYが戻ってきた。

班の子どもも受け入れ、彼も自然と馴染んでいた。

闘うとか、負けないとか、なめられないとか。

そんな気持ちを捨てた真に子どもを第一考えた意図を持った指導。

まだまだ不器用。
それでもこの軸は大切に心の中に留めておきたい。

たった1人も取りこぼさない。
子どものために。

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