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WAIS-Ⅲ の結果と発達障害のあるなしの話

そういえば、休職して間もない頃、知能検査を受けた。

私の主な症状は抑うつ状態だったわけだけれど、その原因は何なのか。
気分障害(うつ病、躁うつ病など)があるのか、PTSDなのか、統合失調症などの陰性症状を見ているのか。
気分障害だとしたら、発達障害の二次障害の可能性はないのか。

主治医は複数の可能性について検討してくれて(ちなみにまだ結論は出ていない)、その評価のために色々な検査をした。

ちなみに部分的な結論としては、発達障害はまぁないだろう。
というところに落ち着き、それについては私も異論はない。
けれど知能検査の結果は、多分それだけ見たら「え? これって発達障害ちゃうのん?」といわれてしまうような、まずまずの凸凹っぷりを発揮していた。

しかし知能検査は、発達障害の診断における参考データでしかなく、その結果だけで発達障害と診断できるようなスペシャルなツールではない。
逆に、知能検査を行わなくても発達障害と診断される例も少なくない。
(でも知能検査をすると、その人の得意なこと、苦手なことがよくわかるので、発達障害の疑いがあって社会生活に困難を抱える人がこの検査を受けるのは、非常に意義があることだと思う)

というわけでせっかくなので、私が受けた知能検査 WAIS-Ⅲ の具体的な検査結果と、それに対する評価(凸凹の要因をどう考えるか)について、一度整理してみようと思う。
発達障害や知能検査に興味のある方にとって、多少なりと参考になれば幸いである。

とはいえ主治医や心理士さんからは慎重に取り扱うよう言われた個人情報なので、以後の内容は有料の形でクローズさせてもらいたい。
了承いただける方は、続きをどうぞ。

IQ(知能指数)について

まずは、WAIS-Ⅲ で用いられる IQ という指標について。
全体の指標となる IQ(intelligence quotient:知能指数)は、同じ年齢集団の中の平均を 100 として割り出される。
つまり、テストの点数が同じでも、年齢が違うと IQ は異なってくる。

知能指数というと、なんだか生涯その人についてまわる絶対的な指標、みたいなイメージを持ってしまう人もいるかもしれないけれど、あくまで quotient(指数、比率)である以上、集団と比較した相対的な数字でしかない。
だから、各検査結果の絶対値にはあまり大きな意味がなくて、大切なのは、その中でのバラつき。自分は何が得意で、何が苦手な人間なのかを知り、その後の生活に役立てていくことが大切だといわれている。

とはいえ、テストをやったらやっぱり点数が気になっちゃうのが人情なので、これはお利口さんが過ぎる優等生的な言葉に響くかもしれない。
まぁでも、少なくとも現場の心理士さんや医者は、そんなことを考えながら検査結果と向き合っているらしい。ということは、知っておいても損はない気がする。

ちなみに、IQ は標準偏差(数値のばらつきの設定)によっても値や上限が変わってきて、WAIS-Ⅲ の標準偏差は15、計測下限 40/上限 164 となっている。
テレビ番組とかでの IQ 紹介では、この計測の仕方だとインパクトが少ないので、値が大きく出る標準偏差24 の方式で評価していることが多いらしい。
……というのは、どうでもいい豆知識。

WAIS-Ⅲ の結果

さて、それでは以下、わたしの WAIS の結果をご紹介した後で、それについて云々したいと思う。

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