ASDの娘の学校生活と進路
娘が5歳の時に広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)と診断されてから、10年。
知的には問題がなく、他害もない娘の場合、就学前相談でも普通級の進学を勧められました。
小学校低学年のうちはどちらかというと勉強も得意な方で、社交的な幼馴染のお陰で放課後遊ぶお友達も複数できました。
この頃は、
普通級にしておいてよかった。
このまま取り越し苦労に終わればいいな。
と思っていました。
しかし、安心して幼馴染とクラスが離れた小3のころから、「どうやってお友達作るか忘れちゃった」と言うように。
他の子達の社会性が育ってきて、それぞれ仲良しのお友達数人ととつるむようになったけれど、娘は精神年齢が2年くらい低く、話にもついていけない様子。みんなとの差がどんどん開いてきて、他の子の輪には入れなくなっていきました。
教室でいつも一人ぼっちで過ごす日々。
私もとても心配でしたが、それでも娘は毎日学校に通い続けました。
小学校5年性の時。
ふとした会話の中で娘がこぼしました。
クラスのほとんど全員の男子から避けられてるんだ、私。「バイ菌」って呼ばれて、私が歩くと机を避けたりするの。
クラスで人気者の女の子からも、わざと廊下でぶつかったりされてる。
私がずっと恐れていたことが、現実になっていたことに
初めて気がつきました。ショックでした。
「今日は学校休もう!」と私が言うと、
娘は涙をこぼしながら
「でも学校には行かなきゃいけないでしょ?」と。
「そんな学校には行かなくてもいいから、
今日はママと楽しく過ごそう!」
と、娘を遊びに連れ出しました。
このイジメ事件が解決されるまでには、担任から信じられないような言葉をかけられ、次の年もターゲットにされるなど、本当に胃が痛くて、夜も眠れない日々を過ごしました。
それに関しては、またいつか書くかもしれませんが、ここでは割愛します。
この事件以来、親子共に地元の公立中進学はいやだと思うようになり、私立中高一貫の女子校を受験しました。
本人の頑張った甲斐もあり、無事合格。
新しい友達と楽しい日々が始まるはずでしたが、それも1年続きませんでした。
この中学ではとにかく入学式前から大量の宿題が課され、日々2〜3時間は勉強しないと終わらない状態でした。根が真面目な娘と私は、とにかく宿題はちゃんとやらなければ!と毎日必死でこなしていました。
娘は毎日、机で宿題をしながら寝落ちしてしまうくらい、本当によく頑張っていたと思います。
また、お友達関係も、小学校の時のトラウマとASDの特性もあってうまく行かず。
自分から人に声をかけることができず、お友達に声をかけてもらってもうまく会話に入っていくことができなくて、徐々に周りに友達がいなくなってクラスで孤立していっていたようでした。
そんな中1の正月明け。
明後日から学校始まるね、と言っていた矢先に、
娘が激しい嘔吐を繰り返して緊急入院することになりました。
細菌感染などの所見もなく、医師から「たぶん精神的な物でしょう。何か本人が嫌がっていることなどありませんでしたか?」と聞かれました。
そこからは、時々休んだり、別室で過ごしたりしながら、アップダウンを繰り返してもう2年近く経っています。
不登校になり始めた頃は、私も夫もどうして良いかわからず、せめて家で勉強くらいさせなくては!という気持ちがありましたが、今は本人の好きにさせています。
ただ、朝ちゃんと起きて夜は22時にベッドに入ること、食事をしっかり取ることなど、基本的な生活習慣は乱れないように注意しています。
中3になってからは、何校も通信制高校サポート校の見学に行き、本人が行きたがった学校に願書を出そうと決めました。
その高校は通信制ですが数学などの教科学習は週に1日だけで、あとの4日はバンドゼミ、クッキングゼミ、eスポーツゼミなど自分の興味あることに合わせて自由にゼミ授業がとれるようになっています。
自分の好きなことを見つけたいという娘にぴったりだなと思っています。
幸い、中学生がフリースクールとして利用することもできるので、この秋からフリースクールにも参加しはじめました。
人に打ち解けるのに時間がかかる子なので、
早めに場所や先輩たちに慣れておくことも高校生活を楽しく過ごすためには必要かなと思いました。
今は、週に2日午前1時間ずつ中学へ行って別室で勉強し、週に2日午前2時間ずつフリースクールへ行ってゼミに参加し、週に1日はお休みにしています。
本人が大好きな放課後等デイサービスは、日曜日以外毎日デイサービスも利用しています。
ここまで色々ありましたが、
今やっと落ち着きつつある気がしています。
娘もゆっくり休めるようになったからか、穏やかに過ごせる日が増えました。