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「ダンスをするのも写真を撮るのも大好き」ある英語講師が情熱を注ぐ先にあるもの

「夢中になっているものについて語りたい」。毎朝、私はフィリピン・セブ島にある語学学校の先生からオンライン英会話のレッスンを受けている。今日、インタビューするのは現在24歳のフィリピン人女性。いつものようにトークテーマを選んでもらったら、彼女のセレクトしたものは「ライフ」だった。なかでも彼女がはなしてくれたのは、彼女が情熱を注いでいるダンスと写真撮影について。実は、彼女と話すのは今日が初めてだけど、私は彼女のダンスも写真も、何度も見ている。なぜかというと……。

写真や動画を通して、ずっと前から「彼女」のことを知っていた

今日インタビューする先生を紹介してくれたのは、私のメインティーチャー。紹介してくれた先生と話すのは初めてだけど、実は私は彼女のことを過去に何度も目にしていた。

彼女は、私が好きなミュージックビデオに出ていたし、彼女が撮ったメインティーチャーの写真を何度も見たことがある。彼女のダンスはとてもパワフル。彼女の撮る写真は独特の世界観があり、すごく印象に残る。だから、直接あったら話したことはないけれど、彼女のことは知っている。そんな彼女に、これまでどんな生き方をしてきたのか聞いてみた。

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「両親は7歳のときに離婚したの。といっても籍は入れてなかったんだけどね。フィリピンではよくあること。私は兄と妹がいたんだけど、兄と妹はお母さんと一緒に住んで、私は叔父と伯母の家に行くことになったの。父親と母親にはそれぞれ恋人がいて、母には私たち兄弟のほかにもう一人新しい彼との間に女の子がいた。その子も母と一緒に住んでいたの。兄は半分しか血がつながっていない一番下の妹に対して嫉妬してたと思う。だって母が彼女ばかりをかわいがるから。そんな兄も今は結婚して子どもが2人いるけどね。ちなみに、血の繋がった兄弟である兄は今26歳。上の妹は22歳。妹はLGBT、レズなの。そして一番下の妹は13歳」

妹がレズだと知った時、彼女はどう思ったのだろう。

妹がLGBTだと知ったのは、私が高校生のときかな。最初は受け入れられなかった。なぜ!?って。でも、私の友達にもLGBTの子がいたし、いろいろ考えているうちに妹のことを受け入れられるようになったよ。今、妹には彼女がいる

母親と離れて叔父と叔母の家での生活スタート

ところで、自分だけ叔父や叔母の家に行くことになって寂しくなかったの?

「ダンスの練習や勉強してたら、あまり寂しさは感じなかったかな。それに叔父や叔母の家は静かだから勉強にも集中できたし。でも、学校行事のときは父親も母親も来てくれなくて、悲しくて泣いたこともある。叔父や叔母はとてもいい人たちだよ。今もずっと一緒に住んでる。学費も出してくれた。18歳から働いて叔父と伯母の家にお金を入れるようになったの。高校卒業後は、ダンスの道に進みたかったけど、学業とダンス、両方を両立できるところにしなさいと言われて、それで大学に進んだの。特待生として奨学金をもらえたから。

ダンスを始めたのは、たぶん7歳くらいかな。ずっとダンスに情熱を注いできたの。コンテンポラリー、ラテン、チャチャ(フィリピンで人気のダンス)、チアリーディングもやったよ!」

仲間とダンスをしているときが一番幸せ!

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私は彼女にこれまでの人生の中で一番記憶に残っていることはなにかを聞いてみました。

「ダンスの決勝戦に出たことかな。毎日学校が終わってから18時~23時までダンスレッスンをしてたの。チームは30人いて、すごくにぎやかだった。優勝したくて毎日遅くまでレッスンしてて。朝起きると体が痛くて起き上がれないことも(笑)。ダンスをしているときは、とてもワクワクする! 音楽に合わせて体を動かすことで、音楽と一体に慣れた感じがする。そしてみんなで力を合わせて1つのダンスを完成させる。その瞬間がとても好きなの。結果は2位だったけどね。17歳のときの、とてもいい思い出」

まさに青春って感じ!

彼女は、現在語学学校の教師として働きながら、学校を代表するダンスチームのメンバーにも選ばれて、ミュージックビデオなどにも出演しています。「たくさんの人が応募したから、選ばれてよかった! チームのメンバーとはみんなとても仲がいいの。あなたのメインティーチャーともいろんな話をするよ。将来のこととかね」

彼女の夢は、ダンススタジオの先生になること。

「海外にも行ってみたい。ベトナムにいって働いてみたいし、日本にも行ってみたい。ダンスを学ぶためにアメリカにも行きたい。そのためにいっダンスレッスンをしているの」

壁のボードには語学学校の仲間たちの写真がいっぱい

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彼女が情熱を注ぐ、もう1つのものが写真。

「写真を撮るのが好きなんだ。でも、カメラは持ってなくて。今使っているのは自分のスマホ。節約してお金を貯めてカメラを買いたいんだ」

節約は、ムダなところにお金を使わないこと。その分、本当に必要なところにお金をかけられる。彼女が新しいカメラを買ったら、どんな写真を撮るんだろう。

語学学校の彼女のブースには、写真がたくさん貼ってある。

「これは私がこの学校で働き始めてからの歴史。いろんな先生や生徒と出合って、それを写真に残しているの」

私は彼女の作品にとても興味があるから、彼女のフォトブックを作ってみたい。せっかく撮った写真は、いろんなものに活用したい。アルバムにしたり、Tシャツにしたり、木製プリントして壁に飾ったり。

写真で記録を残せるっていいな。彼女はセンスがいいから、彼女の被写体になる人は幸せ。

彼女はこれからどんな写真を撮っていくんだろう。いろんな国をまわって写真を撮ったら、いつか見せてもらいたいな。そしてセブでアート展を開けたらいいな。彼女の夢を聞いて、私のほうがワクワクしてきた! 今度、彼女に写真を送ってもらったらフォトブックと、noteに彼女のギャラリーを作ろうかな。


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