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泡沫の瞳を連れて

森鴎外作、『うたかたの記』。

この作品を知ったのは
大学時代のことでした。

当時尊敬していた先生の

「本当に名文揃いだから
ぜひ一度読んでほしい」という

強い薦めで読んで以来、
とても好きな物語です。

同じ鴎外作で
『舞姫』という作品もありますが

私はこちらの方が好きです。

ざっくり
ストーリーをまとめると

日本からドイツに留学した
画家志望の青年と

現地の少女の恋物語です。

表題の「うたかた」は
漢字にすると「泡沫」、

水面に浮かぶ泡のように
儚く消えてなくなる様子を表しています。

二人の行く末が
この四文字に託されているのですが

言葉のニュアンスだけで

なんとも切なく、悲しい結末を
思い浮かべてしまいますね。

でも、個人的には
この「うたかた」という
透明感ある響きに

悲しみだけではなくて

胸を締め付けられるような
美しさも感じます。

例えていうなら

波間に揺れ輝く泡たちを
束の間眺めているような、

あの美しい姿がそのままずっと
目の前にあれと願っても

絶対に叶わないことを
心のどこかで知っていて、

ほんの一瞬の夢のひとときを
刻み付けているような。

ヒロインの彼女は

深い藍色の瞳と美しい声を
もっていたそうです。

主人公の青年は
その瞳を覗いた瞬間、

どんな名画を見ても

彼女のことしか
頭に思い浮かばなくなったとか。

彼女を
絵のモデルにしようと思いたった際には

神話の妖精のごとく
竪琴をもたせ川辺で憂いている姿を

イメージして描こうとしました。

心を奪われたときの
高揚した気持ちとはうらはらに

彼女のいる風景に
嘆きや悲しみといった表情を添えるとは

彼自身も
この恋は叶わないものだと

無意識に感じていたのかもしれないですね。

当時のドイツといえば
ヨーロッパ屈指の国力を誇る大国で、

留学とはいいながらも

やっと近代化し始めたばかりの
日本からの身としては

まさに異世界に暮らしているような
感覚だったのだろうと思います。

国も
身分も
言葉も
文化も、

何もかも違うと知りながら
それでも惹かれる思いの先に

儚い未来を見ていたのでしょうか。

それでも数ある言葉の中で

この「泡沫」という表現が
使われているのは

悲しみさえも
深く心にとどめておきたい、

彼にとって宝物にも近い
きらめくひとときの記憶だったのではと

感じてしまいます。

最後に今回のキーワード、
「泡沫」という言葉にも関連した

アクセサリーのご紹介をさせて下さい。

白いパールを連ねて仕上げた

お揃いリング&ブレスレットです。

大小大きさの異なるパールを
流れるような曲線状に繋ぎ

水面に揺れる泡をイメージしました。

普段はパールの間に
ゴールドやシルバーのビーズを
入れることが多いのですが、

今回はパールが連なったラインを
より楽しんでいただけるよう

あえて何も入れずに仕上げています。

大きめと小さめのサイズを
交互に組み合わせておりますので、

粒同士の間に透け感があり

さりげなく覗く素肌を
綺麗に、
女性らしく魅せてくれそうです。

ブレスレットは
手の甲側のみパールを使用し、

手首側を
2連のチェーンブレス風にすることで

フォーマル感を押さえ

抜け感が出るよう
デザインしてみました。

アジャスターの先にも
こぼれおちる泡をイメージして

大小のパールをお付けしています。

リングは
どこから見てもパールが見える仕様で

手元の主役になってくれそうです。

お手持ちの
シンプルなリングと合わせて

コーディネートしていただくのも
可愛いかと思います。

遠い異国のロマンスの風景を
思い描きながら楽しんでいただきたい、

手元のおしゃれアイテムです。

今回も下記にリンクを
貼らせていただきます**

◆ミンネ↓
(会員登録等なしでもお買い物ができます。
お写真の画質も一番綺麗でお薦めです。)

・ブレスレット

・リング


◆クリーマ↓
(すべての作品をご紹介している
メイン販売サイトです)

・ブレスレット

・リング


◆メルカリshops↓
(メルカリユーザー様にお薦めです。
こちらは送料込みのお値段です)

・ブレスレット

・リング


今回も最後までお読みくださり
ありがとうございます!

全然関係のない日常のことですが

昨日のお昼、

テレビで見かけた「洋風けんちん汁」を
作って食べてみました。

具材は
ごほうやこんにゃく、大根といった
正統派けんちん汁なのですが

味付けにオリーブオイルやニンニク、
コンソメなどを使って

洋風っぽさが出ているのが新鮮でした。
(締めに醤油で味を整えるのですが
それもまた美味しかった…)

心にも体にも染み渡るような
ほのぼのとした美味しさでした。

料理って

自分で作ることができる
あったかい幸せですね…!

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