ツインタワーの輝きの麓で るみ的ソシオロジー@マレーシア②

ツインタワーの話には続きがあって。


私はあの光景を見たとき

「マレーシアも日本と同じくらい発展していると思ってしまっていたけれど、そうじゃないんだと気付いた」

そう思っていたし、旅行中、日本に帰ってきてからつい最近までその感想は変わらなかった。



突然ですが、ジニ係数って御存知ですか?

ジニ係数とは、所得格差を示す指標です。1936年にイタリアの統計学者コンラッド・ジニが考案し、その名をとって「ジニ係数」と呼ばれています。ジニ係数は、ローレンツ曲線と均等分布線で囲まれた部分の面積(A)と均等分布線より下の部分の面積(B)の比のこと。ローレンツ曲線とは、縦軸に所得額累積比、横軸に所得の低い世帯順に並べたときに所得額の累積比が描く曲線です。完全な所得分配が成立している場合は(A)が面積は0となります。一方、一つの世帯が所得を独占している場合には(A)と(B)が一致するため面積は1です。すなわち、ジニ係数(A)/(B)は0から1の間の値をとり、所得格差が大きいほどその値は1に近づきます。

出典:ジニ係数 Sustainable Japan

簡単に言うとその数値が1の地域は所得の分配が究極に不平等で、0の地域は所得の分配が完全にに平等、ということ。

その数値が0に近ければ近いほど「所得という面で」平等な社会であることになる。


統計は色々あるけれど、
日本のジニ係数は0.35前後
マレーシアのジニ係数は0.40前後


なにが言いたいのかというと

「表層だけがキラキラしていて、実はそんなことないのは日本もマレーシアも同じだった」

ということ。


ペトロナスツインタワーの麓であの光景を見たときから、私はどこかでマレーシアを見下していたのかもしれない。

日本はもっと発展していて、もっと平等な社会だと勝手に思い込んでいたのかもしれない。


ジニ係数が0.5前後しか変わらないような2つの社会を比べて、マレーシアは日本より格差のある社会なんだ、なんて思っていた自分が恥ずかしくなった。

中学を卒業して、高校に入って、実家から大学に通って
ごく普通な人生を送ってきたつもりだけど、きっとそうじゃないんだろうな、自分は恵まれて生きてきたんだろうなとやっと気が付いた。

灯台下暗し、日本にずっと生きてきたのに、日本の社会については知らないこと、気づいていないことだらけだ。



別の社会を見ることが、ふと自分のいる社会を見直すきっかけになることもある。

これだから海外旅行はやめられないね。


「無知の知」でした。






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