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あなたにとってヒーロって誰ですか?

私がエンタメの仕事をしたいと思い始めたのは高校生の頃だ。
いまだにそんな夢に囚われ続けているのは何故なのか。

きらびやかな世界だし、ミーハーな気持ちが無かったかと言われれば嘘になる。
特に私は四国の田舎生まれで都会への憧れも強かった。

きっかけは忘れてしまったが、
高校生の頃YouTubeでネタを見ているうちに何組かの芸人さんを好きになった。
そして父親の仕事について東京に行く度に吉本の劇場に足を運んだ。

最初はとにかく好きな芸人さんを生で見たくて行っていたし、
純粋に目の前で見られるということが嬉しくて仕方がなかったように思う。

そしてありがちな、好きな人達の近くで働きたい、という感情からお笑い、特に吉本で働きたいと思うようになった。

しかし劇場に通っているうちにいつしか、無意識にお客さんの笑い声を聞くようになっていた。

人の笑い声って心地良いな、もっと聞きたいな、という感情が芽生え始めたのである。いや、もともとあったのかもしれない。

なぜなら、友人と話しているときに私はとにかく相手を笑わせたくて、笑ってくれると嬉しくて、もっともっとと思っていたのだ。
もちろん芸人さんのようにネタが出来るわけではないから、お笑い芸人になりたいかと言われるとそうではなかった。

そんな時に2010年のキングオブコントのCMを見た。

「もっともっと笑わせたい」
「もっともっと、日本中に笑顔と元気を届けたい」

自分の心の中を読まれたのかと思った。
20代も後半になって青臭いのかもしれないが、本気でそう思いながら生きている。

私にとって芸人さんがヒーローのようなもので、見れば元気になれたし、嫌なことを忘れることだってできた。
映像は、そんな魅力を最大限に伝えることが出来るんだ、と気付かされた。
それと共に、私はどうすればだれかのヒーローになれるんだろうと悩み続けている。

もちろん仕事だから自分の思い通りにいくわけはなく、
やりたいジャンルの仕事が出来るとも限らない。
勤務時間だって、世の中の人が思っている通り生活と仕事の境目のないようなもんだ。
自分の努力を、誰が評価してくれるんだ!と恨む日もある。
同世代がキラキラと休みを満喫する日々を羨む日もある。

それでも私はいまだに夢を叶えていないのだ。
希望の世界には近づいている、でも、私の夢は誰かを笑顔にすること、だれかのヒーローになることだ。
そのことで頭がいっぱいになっている自分のことが嫌いではないどころか好きだ。

もちろんいまだに私はそのスタートに立っているのか立っていないのか
分からない位置にいるが、
いつか誰かが少しでも日々の嫌なことをぜーんぶ忘れて
ばかみたいに笑ってくれたら、それに勝る幸せはないように思う。


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