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詩「亡き人の誕生日に」

亡き人の誕生日に
新しいコーヒーカップを卸し
キッシュロレーヌを切り分ける

薹の立ち始めた法蓮草と早穫りの新玉葱
私の育てたそれらの野菜とその他もろもろを
焼き上げて一晩馴染ませて切り分ける
深煎りコーヒーの香ばしさが心地良い

夜半の激しい雷雨に浄められて
六月の朝は深い緑の輝きの中だ
森を見遣れば小鳥たちの囀りがいっとき止んで
束の間の静けさが果てしなく重い

私は果てしない重さをコーヒーに浮かべ
重さと苦味のアンバランスを飲み干した

乾杯!

昨日の悲しみと
明日の忘却
狭間に取り残された、今日の清しさに

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