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深読み:1994年

自分の好きなアーティストのアルバムを遡って聴くと、いつも1994年という、ぽっかりと地面に開いた穴のようなものに足を取られます。

ニルバーナのカート・コバーンが亡くなった年。1994年。

アイアン・メイデンの「The X Factor」、クイーンズライクの「Promised Land」、B'zの「The 7th Blues」...世間一般では、評価が低かったり、アーティスト自身も当時はあまりポジティブではなかったと回顧したり、メディアへの露出が極端に低かったりと、「暗黒期」、「低迷」、「倦怠」、「行き詰まり」、「マンネリ」といったネガティブな言葉ばかりが頭に浮かびます。

そんな年に洋楽を聴き始めた自分は、今思えば当初から音楽にはメジャーなものを望んでいなかったことを思い出します。たとえ、マイケル・ジャクソンの「スリラー」が発表されていても、興味なかったと思います。

その一方で、北欧では、メロディックデスメタルの萌芽がみられます。すでに、アモルフィスの「テイルズ・フロム・ザ・サウザンド・レイクス」やイン・フレイムスの「ルナー・ストレイン」が発表されます。メロデスの自分が興味を持ったことは言うまでもありません。

誰しも、八方塞がりになり、模索をする、いわゆる「暗黒期」という時期はあるのかもしれません。その時はつらいかもしれませんが、そんな時にあれやこれやと手を出したりしたことが、後になって形となって報われることもあるかもしれません。あくまで結果論ですが。



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