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母と母の母と

うたたね さんの写真をお借りしました。
……え、お寺?京都の青蓮寺さんっていうんですか……?
めちゃきれいだなあ、京都いきたいなあ。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

今日はチャイムの音で起きました。
起きたら玄関先に母さんがいました。

母さんと改めて、相模原の事件の話をしました。
母さんは「あのひとの言うことも分かってしまう」と言いました。
働ける人が汗水たらして働いて、給料は少なくて年金は搾り取られるばかりで返ってこなくて、身体壊してどうにもならなくなって、
なのに働けない人は税金で養うの?
それっておかしいと思うの、と。

私は、「それはきっと多くの人に共感されうる考えだと思う」と返しました。
自分ばっかり大変で、あの人は楽をしていて、そんなのずるい。
自分ばっかり損をして、あの人は得をしていて、そんなのってないよ。
そう思うのは自然なことだと思っています。
でも、じゃあ弱者を切り捨ててしまったら。
きみは「役に立たない」から、って切り捨てていたら。
それはいずれ自分の首をしめるんじゃないかなって思うんです。

いつ事故にあうかも病気になるかも分からないし、
少なくともちくたく歳は重ねていくわけだし、
人間いつかは「役に立たない」存在になる。
そのときに「生きていられる」環境があるのは大切なことではないかと。
それを支えてくれるのが「国」や「政府」なんじゃないかと。
違和感を抱かせた時点で、破綻は生じているんじゃないかって、そんな話をしました。

母さんはふんふんうなずいてくれて、それからお金の話をしました。
「昔に比べてどんどん品物は安くなってるけど、給料もどんどん低くなってるよね」みたいな話。

モノにはそれ相応の価値があるわけで、やたらに下げれば良いってわけじゃない。
価値が分からなくなったらモノの質はどんどん悪くなっていくし、
労働の価値も分からなくなっていくから給料は下がるし、
よって粗悪品まみれになっていくよねって。
「安かろう悪かろう」なんだよねえって話をして、そこで母さんがはっとして一言。

「この話、母さん(おばあちゃん)にされたことあるわ、あんたと同じこと言ってた」

おばあちゃん(母さんの母さん)は私の生まれる前に亡くなっていて、
一度も逢ったことがないしほとんどどういう人であったかも知らないのだけど、
どうやら40年くらい前に私と同じ意見を有していたようで、それを母さんに伝えてくれていたようで、
なんだか疑似的につながれたような気がしてうれしかった、という話なのでした。

ちゃんちゃん。