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詩 「帰趨」

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「帰る場所がないんだ…」
少年はポツリとつぶやいた

霧のヴェールに包まれた
真夜中のハイウェイを駆け抜ける

地図にない楽園を夢見て
魂は自由を求める

それが若さと云うものならば
少年は辿り着くべき場所さえ解らずに

闇雲にアクセルを踏み込んで
漠然とした不安を吹き飛ばす

そのスピードの中で
あらゆる日常を吹き飛ばすように
疾走を続けている

ハイウェイの灯火が涙で滲む
光の球は近づいては過ぎ去ってゆく

真夜中のハイウェイをひた走る
魂が帰趨きすうする場所を求めて

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