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関係良好の秘訣は、相手の言葉の本質を読み取ること

人と分かり合うためには、言葉が必要だ。何をどう思っているのかを知り、また自分が何をどう感じているのかを伝える。互いの思いを正しく理解することができれば、相手から寄せられる自分への愛情というのが必ず見えてくるから。今日は、「会話」について話をしたいと思う。

|口論は、売り言葉を買って始まる

「売り言葉に、買い言葉」という言葉があるが、まさに口論のきっかけは全てこの売り言葉に買い言葉から始まる。どちらからともなく、ふと口をついて出た相手への否定や批判、罵倒に対して「おっと、聞き捨てならねぇ」とコチラも反撃する。

すると口論はさらにヒートアップして、結果的にお互い「この人とはお話にならない」と相手の人間性そのものを否定し離別。もしくは、売り言葉で一方的に傷つけられた側が萎縮し、自分に対して自信を失った結果、離別。

分かり合うための言葉なのに、分かり合えないで関係が終わる。とても残念だ。私はできれば、人との別れはもっと前向きなものでありたいのでお互いに納得がいってから離別をしたいし、なんなら数年後にまた仲良く会えることを想定して離れるので、そもそも「別れ」という概念がないので出来ればこういう結果は避けたい。なので、そうならないためにいかに理性を保つかという練習を日頃からしている。

|カッとなった姿の自分は好き?

ちょっとムカつくことを言われても、ものすごく傷つくことを言われても、口をついて「おい待て」と私の中の江戸っ子根性が顔を出しても、できるだけ売り言葉は買わないようにするほうがいい。

私の場合、売り言葉を投げかけられたらひと呼吸を置いて、こう考える。「もし、椎名林檎だったらどうする?毅然と振る舞うはずよね。よし私は今から椎名林檎だ」と。実際の椎名林檎がどうかは知らないが、公的に振舞っている椎名林檎の上品な佇まいや、SNSでの批判的意見に対するコメントの仕方、発信している音楽の歌詞などを読むに彼女は非常に高い精神性でとても憧れている。

こういう時、憧れの女性像を明確に掲げておくとすごく助かる。ちなみに人生の師と仰ぐ女性は椎名林檎の他にココシャネルがいる。二人の顔を思い浮かべると、自分の品性を保てるような気がするのだ。このように好きではない自分の姿になりそうになった時ほど、なりたい人物像を思い浮かべると良い。そうするといつでも好きな自分でいようとするので、自然とそう努力している自分のことさえ好きになれる。

|攻撃は愛情の裏返し

もう一つ、私が心に据えている持論がある。それは、攻撃をしてくるのは自分に対する愛情の裏返しであるということ。いや、もちろんケースバイケースによるが男女間のことに関していえば概ね愛情の裏返しと言ってもいい。

攻撃するのは、アナタがワタシの気持ちを分かってくれないから。分かって欲しいのは、アナタがワタシにとって大事な人だから。好きな人には自分のことを認めてもらいたいし、分かってもらいたい。そうでなきゃ、攻撃することもないのだから。

分かり合うための会話なのだから、ごく当たり前の話である。だが、攻撃されるとまず自分の身を守るので精一杯になるので、相手が自分を愛してくれていることなど忘れてしまうし、全く見えなくなってしまうのだ。

「今この瞬間、攻撃されたこの悔しさ、寂しさ、悲しさをなんとかしたい」そればかりが目につくと、どんどん相手からの愛情も、自分が与える愛情にも自信がなくなっていく。だけど、攻撃は愛ゆえのことと思えばまだ分かり合える余地はあるのではないだろうか。

|相手の言葉の奥に隠された本音はなに?

会話とは非常に難しいもので、相手が伝えている言葉が必ずしも正しいものとは限らない。例えば女性のいう「もういい」という言葉は「もう大丈夫」という意味ではない。

「なんで、分かってくれないの?私、拗ねてるからもっと頑張って理解しようと示してよ」という本音がある。でも、どう言えば分かってくれるかその術がわからないし、プライドが邪魔をして素直に可愛いことを言えないという心理も働いているので「もういい」という表現に落ち着くのだ。同じく、男性にもそうした上辺の言葉の奥に隠された本音というのが存在するだろう。それを、その時の状況によって正しく推察するのはかなり困難である。だが、この言葉の奥に隠された本音こそ大切で、これを読み解こうと思考をフル回転させることが関係良好の最大の秘訣である。

「彼(彼女)は、なんであんなことを言ったの?」
「伝わると思った言葉がどうして曲解されてしまったの?」
「どういう風に言えば、正しく伝わる?」
「どうすればお互いが愛していることを再確認できる?」

感情的な考えを抜きにして、一度冷静にこのようなことを考えて振り返ってみると思いの外、自分が見えていなかった新しい視点(相手の立場に立って見えた自分の姿)がわかるようになる。ここまで考えて、答えが見つかれば自分の内情も少し柔和になってくる。

|魔法の言葉は「どうすれば上手くいく?」

相手の売り言葉や、こちらでは理解できない考えを目の当たりにしたときに「こんなことも分からないの?」や「自分を大事にしてくれないのか」という自分主体で物事を捉えると、大体こじれるので上手くいかないばかりだ。

だが、そうではなく「なぜ、そうなったか。そしてどうすれば上手くいくか」という視点で物事を捉えるようにすると驚くほどこじれた会話は解決に向かっていく。

とはいえ、頭ではわかっていても感情が追いつかないから喧嘩するのだ。今言ったことをその場その場で正しくできてりゃ本当に世話はない。分かっていても出来ないのが人間であるし、出来なかったらダメなのではない。そういう出来ない自分の弱さもしっかり認めることも大切だ。

ただ、余計にこじれそうになった時はその日で解決しようとしないほうがいい。一旦、冷静になるために休息期間を設けることが何より大事。ヒートアップしそうな時は「今日は一度休もう」と勇気を出して伝えるのもまた一つの策。ひと晩おいたらより理性が働いて良い方向に進展するのでぜひやってみて欲しい。

そして、まずはこう考える。
「どうすれば上手くいく?」


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