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体と薬と健康と・・・第24話「カフェイン」のこと

皆さん、こんにちは!
薬剤師の豊島です。

前回まで、3回にわたって
”睡眠”や”睡眠に関するくすりやサプリメント”の話をしてきました。
今回は・・・睡眠の逆!
眠気対策に使用する「カフェイン」についてお話しします。


そもそも「カフェイン」って何?

カフェインは「コーヒー」や「紅茶」、
「お茶」などに含まれる、
アルカロイドと呼ばれる植物由来成分の一種です。

一般的には、
コーヒーに含まれている成分で覚醒作用のある物質
として知られているので
仕事や勉強など、シャキッとしたい時に
利用している方もいるのではないでしょうか?
とても身近な飲み物ですが、注意も必要なんですよ。

「カフェイン」ってどんな効果があるの?

実は、カフェインには脳に軽い興奮を引き起こし、
一時的に眠気や倦怠感を抑える
はたらきがあります。
そのため医薬品では【効能・効果】として
「眠気の除去」や「倦怠感の除去」などと記載されています。
またその他には、
・腎臓において、尿量の増加をもたらす利尿作用
・胃においては、胃液の分泌を亢進する
 →場合によって胃腸障害があらわれる。
・心臓においては、心臓を動かす筋肉(心筋)を興奮させる
 →副作用として、動悸があらわれることがある。
といった影響があります。
コーヒーを飲んで体感したことがあるかもしれませんが、
”眠気がとれる” ”動悸がする” ”頭痛がとれる” ”おしっこが近くなる”
これらは、カフェインの作用による作用ともいえます。

「カフェイン」って摂りすぎたらヤバイの?

カフェインには「タバコ」や「アルコール」のように依存性があります。
明確な量の基準があるわけではありませんが、
過剰摂取を続けると、依存症のリスクが高まるので注意が必要です。
また、一度に多量に摂取するとカフェイン中毒を引き起こします。
あとでご紹介しますが「エナジードリンク」などの
カフェインを配合した清涼飲料水が
手軽に購入できるようになってからカフェイン中毒が急増しました。
2011年からの5年間で、
カフェインの急性中毒により、
101人が救急搬送され7人が心停止、
3人が死亡したとの報告があります。

そのため医薬品の「眠気防止薬」における1回摂取量は、
カフェインとして200㎎、
1日摂取量は、カフェインとして500㎎が上限とされ、
「短期の服用にとどめ、連用しないでください。」
とされています。
カフェイン中毒のひとつの目安は・・・250㎎以上/1度とされています。

「カフェイン」ってどんなものにどれくらい入っているの?

カフェインは、コーヒーはもちろんのこと
紅茶やお茶などの身近な飲料にも入っています。

飲料のカフェイン量

ちなみに、チョコレートにも含まれているんですよ。
チョコレートのカフェイン量は、
「カカオ」の含有量によって異なります。
一般的な板チョコ1枚当たりでは
「ミルクチョコレート」で約14㎎、
「ハイカカオチョコレート」で約42㎎くらいだそうです。
高カカオチョコレートを食べる際には、
ちょっと意識しておきましょう。

いかがですか?
「玉露」ってすごくカフェイン量が多いですね。。。。
びっくり(゚Д゚;)!

医薬品とコーヒー、エナジードリンクの違いは?

まず医薬品です。
例えば、エスエス製薬『エスタロンモカ』錠剤でしたら
1回1錠で「無水カフェイン」:100㎎
で1日3回まで服用できます。

エスタロンモカ錠
1回:100㎎ 1日:300㎎

また『エスタロンモカ』内服液でしたら
1回1本で「無水カフェイン」:150㎎
で1日1本です。

エスタロンモカ内服液

まれに1本:200㎎配合の医薬品もありますよ。

ただし!、これらの医薬品には
してはいけないことがあります。
・胃酸過多の症状がある人は服用してはいけない
・心臓病・胃潰瘍の診断を受けたことがある人は服用してはいけない
・他の眠気防止薬を一緒に飲んではいけない
・コーヒーやお茶などのカフェインを含む飲料と同時に服用してはいけない
・短期間の服用にとどめ、連用してはいけない
です。

またカフェインは総合感冒薬にも配合されています。
例えば『セシオンハイProEX』でしたら
1日9錠中に、「無水カフェイン」:75㎎が
配合されています。
一般的に総合感冒薬に配合される場合は、
「無水カフェイン」:75㎎/1日が多いようです。

セシオンハイProEX

では「エナジードリンク」には
どれくらいのカフェインが入っているのでしょう・・・。
『モンスター』は・・・1本に142㎎。

種類によって含有量が少ないものもあります

『レッドブル』は・・・1本に80㎎配合されています。

そして『HYPER ZONe ENERGY』には
1本あたりカフェイン:150㎎です。

しかも缶の表記には対象についての掲載があります。
「18歳以上 使用上限:1日2本
 17歳以下 体重:50㎏以上であれば:1日1本
 17歳以下 体重50㎏未満では、お控えください。
 また飲用間隔は6時間以上あけてください
 小学生以下のお子様、妊娠中または授乳中の方、カフェインに敏感な方などの引用はお控えください」
という注意事項が。
まるで医薬品のようですね。

1度の過剰摂取で
カフェイン中毒になる目安が250㎎ですから、
徹夜しようとして『エスタロンモカ』内服液1本
と『HYPER ZONe ENERGY』1本を
一緒に飲んだりすると、カフェインとして300㎎になってしまいます。
危険⚠ですね。

このように私たちのまわりには
カフェインが配合されたものが
いろいろとあります。

うまく利用すれば、
生活をサポートしてくれる味方になりますが
使い方を誤ると大変なことになってしまいます。
カフェインは、医薬品成分だということを
意識してうまく利用してくださいね!


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