見出し画像

『テレ東的、一点突破の発想術』(濱谷晃一)を読んで

地上波民放各局のなかでテレ東の社員がもっとも本を出している説。うん、おそらくそう。

『ゴットタン』の佐久間さんといった局の看板となる人たちだけではない。30代前半の社員も台頭してきています。

たとえば真船さんはADの実情を「漫画」で描きました。本の表現も幅広い印象です。

なかでも企画術はテレ東系のなかでも王道のジャンル。いや、わかるんです。

各局と比較して「お金」という制約がつきまとう。ブレない姿勢・ニッチ・そのトガり方が相対的に目立つことに。視聴率も万年最下位だったけれども、いまやそんな印象も薄れています。

テレ東は、企業のブランドランキング上位に食い込むなど「らしさ」を確立していきました。

そんなテレ東の制作者は、制約があるなかでどうやって企画をつくっているのか。ヒットを飛ばす企画を日々こしらえているのか。自虐を交えながら一般の読者にも使えそうな企画術をお披露目してもらう。自分が編集者だとしてもねらいたい。

かくいうぼくもテレ東の社員の古東さんに話を伺って、手前味噌ですがインタビューサイトを通じて記事を出しました。めちゃめちゃおもしろい人。テレ東の広報部の方にも温かい対応をとっていただきました。


さて、著者・濱谷晃一さんはバラエティ班で12年、その後ドラマ制作部に異動。15年当時では『俺のダンディズム』『ワーキングデッド』『太鼓持ちの達人』などオリジナル企画を次々と実現させる。近年ですと『バイプレーヤーズ』が有名でしょうか。

・オリジナルの企画をどうやって実現させていったか
・いつもどんなふうにアイデアを生んでいるのか
・テレ東にはどんな人たちがいるのか

このあたりご興味ある方はぜひご一読ください。さらに一般読者を対象にしているという点で、抽象化した企画づくりのフォーマットは提示したい。もちろん、あります。

企画に「差」をつける7つの「差」。見出しだけ紹介して終えます。

・わかりやす「さ」
・新し「さ」
・かわいらし「さ」
・ふさわし「さ」
・思いがけな「さ」
・今っぽ「さ」
・自分らし「さ」

この7つをチャートとした見たときにそれぞれの要素を満たしているかチェックしてみる。そんな使い方ができるのではないでしょうか。

自分のなかで支えになるような「方法」を持つ。これまでどうしてきたか振り返って抽象化できるとベスト。自分にとって説得力があるからです。

まずは完全にオリジナルでなくても借りてもいい。7つのチャートを満たすかチェックするだけでもいい。手段が目的化してはいけないけれど、自分が信じる「方法」を持つのはよいこと。

というわけで以上です!


この記事が参加している募集

読書感想文

最後までお読みいただきありがとうございます...!本に関することを発信しております。